両眼視の能力に関する臨界期は〇歳から五歳ということは、知っていましたから青ざめました。原因は、タブレットにあるらしいということは、医者に指摘される前に想像できていました。どうりで幼児用のタブレット教材がないわけです。両眼視に関する臨界期が、五歳であることを考えたら、そういうものを作れるわけがない。
そんなことは、冷静に考えればわかったはずなのに、ついつい夏の忙しさの誘惑に負けて買い与えてしまった。大きな代償を支払ってしまったわけですが、幸いなことに被害は最低限に抑えることができました。
十月・十一月・十二月と、毎週のように息子を山登りに連れて行き、森の中から、素晴らしい展望のある頂上に連れて行き、遠くを見せることによって、少しずつ視力を回復させています。
両眼視の能力も、なんとかなりそうです。そもそも近視とは、近くを見すぎて、それに目が適応してしまう結果なので、ハイキングや登山によって、遠景を眺めることを繰り返せば、子供なら多少の回復はします。
それに気がつかせてくれた五歳児検診には、感謝感謝ですが、両眼視に関する臨界期が五歳であることを考えると、 三歳児健診・四歳児検診でも視力検査はやっておくべきなのではないでしょうか?
世の中には、私のような馬鹿な親も少なからずいると思いますから、三歳あたりから視力検査をするべきだと思った次第です。というのも、 三歳児にタブレットをさせている親御さんを少なからず知っているからです。
ところで、私たちの脳は、多重知能をもっています。それは単に「多くの知能がある」ということではなく、それらが互いに独立している。並列しているということがポイントです。
つまり、ある一つの知能を伸ばしても
他の知能は伸びない。
計算ばかり得意になっても、
絵が上手くなるわけではない。
むしろ逆なんです。
ある知能を伸ばしすぎると、別の知能の発達を抑えてしまう可能性の方が高い。つまり脳内で、それぞれの知能は競争し合うということなのです。例えば、右目を塞いで、左目だけで見ていると、左目のニューロンだけが異常に発達して、右目のニューロンは発達しない。右目の脳神経は、左目の脳神経に競争でやぶれてしまいます。そして、いびつな脳ができあがってしまう。
そういうことが、脳科学の発達によってわかってきた。その結果、ゆとり教育が幼児にとって致命的な欠陥があることが分かってきて、ゆとり教育廃止に結び付いたのです。
話は変わります。
息子は、幼稚園の年少組に入ってしばらくして、先生から「おちこぼれている」ことを告げられ、専門の先生に指導してもらうことになりました。その先生に、いろんなことを教わったのですが、ゆとり教育時代の幼稚園の教育システムは、例えば砂遊びしてる子供がいたとしたら、好きなだけ砂遊びをさせる。その砂遊びの能力を磨くと言うことを支援する。そういう教育システムだったそうです。
ところがこの教育システムが、脳科学的に非常に危険なシステムだったことが、様々な科学的な実験によってわかった。ゆとり教育と言うのは、ただ単に「バカを量産する教育システム」ぐらいにしか思ってなかったのですが、どうもそうではなかったのです。
私は、天気の良い日ならば、幼稚園をどんどん休ませて、家族でハイキングをしました。その結果、 三歳で八ヶ岳に登り、 四歳で槍ヶ岳に登ったりしたし、空手の青帯もとったり、絵本も毎日二冊以上は読んでます。だから幼稚園の先生からダメ出しを出されても、全く気にしてなかった。何しろうちの息子は、他の子供ができないことをいくつもできているので、落ちこぼれていると言われても、少しもぴんとこなかったんですね 。
実際、紹介された専門の先生に息子を見てもらっても全く問題なかった。不思議に思ったその先生は、時々幼稚園にやってきては、息子の授業の状態を見学し、いろいろチェックはしてくれていましたが、やはり問題ないということで落ち着いたのですが、それでも二年以上にわたって、めんどうをみてもらい、いまだにそれが続いています。
専門の先生からOKサインは出てるのですが、幼稚園の担任の先生にとっては、まだ不安材料が消えてないのです。担任の先生は、さかんに
「みてもらえ」
と言ってきます。
息子は、人より成長が遅いし、幼稚園での友達づきあいもスムーズと言えないからです。運動能力にも疑問符がついているので、発達心理学の先生の他に、作業療法士の先生にもみてもらっている。担任の先生に「みてもらえ」と言われているからです。これは歴代のどの担任の先生も同じ反応です。幼稚園教育のプロたちが三年にわたって、口をそろえて言うことなので、根拠があり、間違ってないのでしょう。
しかし、親である私の見解は少し違っています。確かに成長は遅いですが、もともと三月末の生まれであるし、そのへんは個性の範囲内ととらえていました。
幼稚園で友達づきあいがスムーズでないのも多少気にはなりますが、うちの宿に泊まりに来るお客さんのお子さんとは、とてもスムーズに友達関係をきづいているし、公園に行けば見知らぬ子供たちと、すぐに仲良くなっています。これは他の子供たちに無い特技です。幼稚園が終わったあとの保育園では、一級下の子供たちと仲良く遊んでいるし、女の子たちとも仲良しで、プレゼントの交換なんかをしています。
運動神経に関しては、確かに良いとはいえないことは、運動会でいつもビリであるのと、ラジオ体操が下手くそなことを見れば分かります。空手教室に通っていても、敏捷な動きが出来ていません。
しかし、毎晩スクワットや腹筋を二十〜三十回やっているし、三千メートル級の北アルプスにスイスイ登れる体力もある。週末にはサッカーボールを蹴りながら小浅間山なんかに登っているし、ドッチボールも大好きなので決して運動が出来ないわけではないと思っています。スキーだってスケートだって、下手くそながら猛スピードで滑走し、親が見失うくらいです。
それは各専門の先生も分かっていて、息子が指導をうけるという作業は、あまりやらなくなって、しだいに私たちと世間話をして時間を潰すことが多くなってきました。その先生の息子さんと、うちの息子が、よく似た症状だったこともあり、さらに、先生の御実家が、うちと同じく宿屋だったこともあって、非常に似た環境下であったこともあって、世間話に花が咲きました。
で、専門の先生と世間話をするうちに、とんでもないことが分かってきました。ここ数年のうちに、幼児教育において、恐ろしい発見が相次ぎ、過去に行なわれていた幼児教育が、否定されつつてしまっているらしい。それが、とても興味深い内容だったのです。
つづく。
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