2019年02月07日

真っ青になって病院に駆け込んだ話 その6

 話が大きくそれました。
 タブレットについてです。

 5歳の息子にタブレットでやらせたのは大失敗でした。
 もう少しで両眼視の能力を失うところだった。

 タブレットをやらせる前は、ポピーという幼児教材をやらせていました。ワーキングメモリを鍛えることを最も重視している教材だったからです。バックに篠原菊紀という脳科学者(諏訪東京理科大学教授)がいて、その先生が、幼児の脳波を測定しながら、ワーキングメモリが働くような問題をつくって、それを教材にしている『幼児ポピー』という教材です。

 幼児教育の書籍の多くは、平仮名・カタカナ・計算といった小学校教育の早どり学習を中心にしているのですが、ポピーという教材は、それよりもワーキングメモリを使うことを重視しています。なので、公文式のように、大量の問題をこなすスタイルではありません。平仮名などを書かせるといった苦行は、ほとんどなく、あくまでもワーキングメモリの強化を主眼とした問題ばかりです。

 鉛筆を使って書くよりも、シールを貼ったり、工作をしたりしながら推理する方がメインになっています。問題も、なぞなぞみたいなものが多くて、勉強と言うより、遊び感覚のものが多い。なので息子は大喜びでとりくむんですが、これが息子にとって難しかったようで、かなり苦戦していました。

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 逆にいうと息子のワーキングメモリは、かなり鍛えられていたようで、息子のワーキングメモリはフル回転していたわけで、効果は着実にあがってきていたように思います。論理的に考えるようになりましたし、ただをこねることがなくなりました。言ってきかせれば、分かってくれるようになったのです。そのうえ論理的に親に問いかけるようにもなりました。親のミスも冷静に指摘するようになってきました。他動的なところは減り、落ち着きが出てきたのです。

 もちろん集中力もアップしてきました。五分も持たなかった平仮名の書き取りを一時間くらい続けることができるようになりました。その代わり、自分なりのノルマが終了したと、自分で判断するとピタリとやめます。自分で計画をたてて、自分で自分をコントロールするようになってきたのです。そのおかげで学力もアップしてきました。たいして勉強をしてないのにです。

 よそのお子さんの中には、三歳くらいの幼児の頃から公文塾に通って大量の書き取り練習しているのに、それをしてない息子の奴も、決して学力で劣ることはなくなったのです。

 しかし、一番驚いたのは、毎日、お母さんに手紙を書くようになってきたことです。母親好きの息子は、交換日記をするように、母親と、せっせと手紙を交換し合うようになってきました。毎日毎日、母親に手紙を書き、分からない文字やカタカナがあると、父親である私に質問してきたり、勝手に自分で文字を調べるようになってきたのです。

 このまま成長を見守っていれば、よかったのでしょうが、そうもいきませんでした。宿屋にとって、このスタイルには、限界がありました。一緒につきっきりで相手をしなければなかったからです。具体的に言うと、夏の忙しいときに息子に手紙なんて書いてられないし、親の仕事を手伝いをしたがってる息子がいると邪魔でしょうがない。

IMG_7793.JPG 一般知能がアップする

ということは、空気を読む能力がアップするということでもあるので、息子の奴は、宿が忙しい状況を読んで、やたらと手伝いたがるようになるのです。しかし、正直言って、五歳児の手伝いなんて、邪魔でしかありません。そこでいろいろ考えたあげく、御客様のお子さんと一緒に遊ぶミッションを与えたのです。

 子供さんが大勢いると、ロビーや廊下をバタバタと走り回ります。静かにゆっくりしたい御客様に御迷惑をかけます。

 そこで、四〇〇坪もある庭の花壇の大半を潰してしまい、十年かけて育てた庭木(マユミ・シャクナゲ・ブナ・リンゴ・ブルーベリーなど)の大半を伐採し、砂利や人工芝をひき、トランポリン・滑り台・ブランコ・ハンモック・砂場・水遊び場・シーソー・ゴルフマット・ミニハウスといった遊具をずらりと並べました。庭を公園のようにしたのです。で、小さなお子さん連れの御客様があらわれると息子をそそのかして

「小さなお友達(御客様)が来たよ。小さい子が暴れて他の御客様に迷惑がかからないように、一緒に外に遊びに行って!」

とけしかけました。庭で遊んでくれれば、静かに過ごしたい御客様の御迷惑にはなりません。それに夢中で庭で遊べば、幼児たちは疲れてすぐに眠ってしまいます。夜は静かになります。一石三鳥くらいの効果があります。

 息子は大喜びでした。
 やりたかった親の手伝いが、遊びと直結するわけですから
 息子にとっては、こんな楽しい手伝いはなかったかもしれません。

 脱線しますが、庭を公園のようにして、御客様のお子さんと息子を遊ばせたのには、もうひとつ理由があります。実は、公園で集団で遊ぶと一般知能が高くなるのです。御客様のお子さんも、うちの息子も一般知能が高くなる。その結果、他の御客様に気をつかえるようになる。

 うちの御客様の大半は、年に何回も来てくれるリピーターなので、何度もリピートして息子と庭で遊ぶうちに、思いやりのある礼儀正しいお子さんになってくれています。これは、日常的に毎日会っている幼稚園の友達と遊びをするより効果があります。久しぶりに会う友人には、お互いに我が儘を言いにくいし、気をつかうので一般知能がアップします。なので、一石三鳥どころか、一石四鳥・一石五鳥の効果があったかもしれません。

 ただ問題なことは、ますます息子が、空気を読むようになり宿を手伝いたくなってしまう。うまいぐあいに子連れ御客様がいれば、いいのですが、いないことも多いし、御客様が立ち去った後に、ベットメイクなんかを手伝いたがってしまう。これが邪魔でしょうがない。何か別のものでエネルギーを発散させなければ・・・と、いろいろ考えてみたのですが、どうも思いつかない。

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 ネットや諸先輩方に、いろいろ相談してみたらスポーツ教室とか、公文の塾がいいのでは?ということでしたが、連休や夏の忙しいときに、とてもじゃないけれど、そういうところに送迎する暇がない。他に何かないのか? 他所の御家族は、いったい何をやらせているんだ?と聞いてみたら、テレビ・ゲーム・勉強をやらせている人たちばかり。

 うちの息子はテレビは見ないので、残るはゲームか勉強と言うことになりますが、ゲームは一般知能が低下するので気が進まない。残るは勉強の一択ですが、それを喜んでやってくれる子供なんか、いるわけがありません。もし、あるとしたら親がつきそっているか、ゲームぽい勉強だけです。そもそも勉強だって、つきっきりでないとしてくれません。子供は、親の真似をするわけですから、親がベットメイクの仕事をしてたら、教材をほうりなげてベットメイクをします。親を追いかけ回すのが五歳児の特徴です。一人で何かをやってくれるわけがない。

 ただし、タブレットによる教材なら話は別です。
 あれはゲームで勉強させるシステムなので、試しに与えてみました。
 ただ、幼稚園教材のタブレットが無かったので、
 ベネッセのチャレンジ一年生というタブレットの教材を渡してみたのです。

 すると息子は大喜びです。ゲームぽい勉強にハマって「すごく簡単!」と、夢中にななりました。そして、小学一年生の問題をスイスイと解き始めたのです。幼児にしてみたら、難しいナゾナゾや迷路なんかより、平仮名・カタカナ・足し算引き算の方が、具体的なので簡単だったようです。

 逆に言うと息子にとっては、小学校一年生の問題より、ワーキングメモリを訓練する幼児ポピーの方が圧倒的に難しかった。迷路や、間違い探しや、ナゾナゾなんかの方が難しかった。それだけポピーの幼児教材の方がワーキングメモリを使っていたということ。つまり効果があったということなんでしょうね。

 だからワーキングメモリ能力をアップさせる幼児教材ポピーをやらせておけばよかったのに、困り果てて、タブレットを与えた結果、とんでもない結果になってしまった。こういう失敗を皆さんにしてもらいたくないので、あえて私の失敗談を書いておきます。皆さんの参考になればと思います。子供の臨界期をよく知った上で、適切な成長の手助けをしないと、とんでもないことになるという失敗談です。



つづく。

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posted by マネージャー at 13:07| Comment(0) | テーマ別雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする