子供が字の練習をする時、ノートにひたすら字を書くという単純作業に飽きてしまいます。下ネタで爆笑させながら勉強させることによって勉強を楽しくさせたのが「うんこドリル」です。この「うんこドリルシリーズ」は累計四百万部を突破した日本一楽しいドリルシリーズで、うんこ先生、うんこいぬ、うんこねこなど、愉快なキャラクターたちが「うんこ」というキーワードで、平仮名やカタカナや漢字を学習するスタイルのドリルです。ちょっとページを開いてみると、クスクスと笑ってしまうような問題がずらりと並んでいます。小学生ならずと言えども、大人が読んでも笑えるような問題集です。このドリルは、楽しみながら勉強できる様になっています。
話は変わりますが、息子が五歳になった時、 ご多分にもれず七五三を行ったんですが、 嫁さんの実家でも行うことになりました。その時に、嫁さんの親戚筋の人から、うんこドリルをもらいました。
で、こいつはいい。息子も大喜びで平仮名の練習するに違いないと、やらせてみたんですが、 五歳の息子(幼稚園の年長組)には、全く効果がありませんでした。うんこというキーワードに、ほとんど興味を示さなかったのです。一ページほどやってみて、つまらなかったようで、うんこドリルには見向きもしませんでした。
息子が五歳の時に好んで勉強したのは、幼児ポピーという教材などです。脳科学の篠原菊紀先生の監修で作られた教材で、主にワーキングメモリを向上させることを目的にした幼児用教材です。公文式のように平仮名やカタカナを先取りで学習させるとか、大量のドリルを反復学習させるための教材ではありません。
幼稚園時代に、小学校の勉強させるというより、脳の開発を行う。それもワーキングメモリを鍛えることを主眼にしています。なので平仮名カタカナは、完璧にマスターしなくて良いというスタイルで、鉛筆で文字を書く作業よりも、大量のシールをペタペタと貼り付けることが多く、幼児にとっては遊び感覚の楽しいドリルでした。
もちろん、息子も、この教材が大好きで、夢中になって勉強し 一ヶ月分を一週間でやり終えたりしました。夢中になって一日でやってしまうことも多かったです。なので、1年分を半年で終わらせ、同じ物をもう一回新品を購入してやらせましたが、その時は、1年分を2ヶ月で終わらせています。息子は同じ教材を二回やっています。他にも脳力道場などの脳科学者が開発した教材をやらせています。
どうしてこの教材を選んだかといいますと、息子の発達が遅れ気味だったので、勉強よりも脳をワーキングメモリを鍛える方を優先しました。勉強を教えるよりも、脳を開発することにしました。当然のことながら、そういう教材は、遊び感覚で楽しくやれるようになっている。
幼児ポピー
そのような教材を使っていたために、息子には、うんこドリルの良さが、今一つ理解できなかったようです。反復練習で有名な公文式でもやって苦労していれば、うんこドリルに楽しむことができたのかもしれませんが、シールをペタペタと貼り付ける楽なスタイルの幼児ポピーの方が、もっと楽しいわけですから、 五歳の息子には、うんこドリルは、相性が悪かったのかもしれません。
また、うちの息子は、 三月末の生まれの上に、人よりも成長が遅いために、同級生の男の子たちに比べて、下ネタに反応しない。下品な言葉を使わないのです。そのせいか、女の子たちには好かれていました。弟のように可愛がってもらったり、いろいろプレゼントをもらうことも多かった。そういう成長の遅いキャラクターだったので、うんこドリルの笑いのツボが今一つ分からなかったようです。
ここで、またまた話が変わるのですが、うちの息子はどうも成長が遅い。最初は知能指数が低いのかな?と思っていたのですが、発達心理学の先生に検査をしてもらったら非常に高い(天才クラスである)ことが分かりました。 しかし、親の私からしてみたら、どうも違和感がありました。息子の知能指数が高いとはどうしても思えない。確かに、ペーパーテストなんかをやらせれば、非常に高い点を取ることができるんですが、あくまでもペーパーテストに限ったことで、短期記憶が非常に低い。すぐに忘れ物をする。にもかかわらず、知能検査をすればワーキングメモリが非常に高い(120)という結果が出てくる。知覚推理(分析に関する能力)になると、100人に一人のレベル(134)の高い成績が出たのですが、うんこドリルの笑いのツボは、理解できていません。息子の同級生なら、みんな分かるのに、息子には下ネタの意味が分からない。ペーパーテストの知覚推理(分析に関する能力)の結果と、実生活における知覚推理が一致してないわけです。
話を戻します。
うんこドリルの話です。
去年の十一月に、 五歳になった息子のために群馬県は館林で七五三をやりました。そして嫁さんのご親戚筋の方から、うんこドリルをもらいました。しかし、息子の奴は、そのうんこドリルに見向きもしませんでした。 一ページやっただけで、放り投げてしまったのです。うんこドリルの下ネタにも無反応でした。その五ヶ月に小学校の入学式があり、早速担任の先生から家庭訪問を受けました。やはり息子の奴は、幼稚園の頃と一緒で、男の子たちと遊ぶこともなく、ひたすら女の子たちと遊んでいると伺いました。大勢の女の子たちから、いろいろと助けてもらってるという話も聞きましたし、実際にそうだろうなと言う事は、学校に忘れ物を受けた時に、一瞬にして感じることができました。
しかし一学期の終わり頃になると、少し分かる様子が違ってきました。学校では、女の子たちだけでなく、男の子たちと元気に遊ぶようになったらしい。家庭では、言葉が乱暴になり、暴言を吐くようにもなりました。汚い言葉も使えるようになりました。その都度私は、厳しく注意するのですが、なかなか治りません。
もちろん下ネタも言うようになりました。
他のお子さんの場合は、幼稚園の年小組の頃に言い始める乱暴な言葉や下ネタを、うちの息子も言うようになったのです。まさか、他のお子さんたちが、幼稚園の年小組あたりで体験したことを、うちの息子は、小学校一年生になって、やっと体験するとは夢にも思いませんでした。で、ふと思い出したのがうんこドリルです。息子がポイと捨ててしまった、うんこドリル。それをもう一度与えてみたら、今度は大爆笑。
「うんこドリル、面白い!」
「こんなドリルなら毎日やりたい!」
と、学校の宿題を放棄してまでうんこドリルに夢中になっています。
うんこ平仮名・うんこカタカナ・うんこ漢字に夢中です。毎日笑いながらやっています。その姿を見ても、息子の知能指数は、他の同級生よりも高いとは思えない。他の同級生たちは、幼稚園の年中組あたりで、うんこドリルのもつ笑のツボを理解しています。しかし息子は、小学校 一年生の一学期も終わりの頃にならないと、その笑いのツボが理解できなかった。
という事は、もともと先天的には知能は高くなかったのだけれど、子供の頃に、幼児ポピーや脳力道場など、脳科学によって作られた教材でワーキングメモリを鍛えるドリルをやらせていたので、後天的に知能が高くなった可能性がある。
勉強量に関しては、公文式や学研の塾に通っている子供たちよりも圧倒的に少ないし、先取り学習も、たいしてやってなかかったけれど、脳科学者たちが作ったゲームなどを通して脳の開発だけは怠らなかったために、ペーパーテストの成績だけは良かった可能性がある。そういう気がします。それなら、身の回りのことがろくにできないくせに、ペーパーテストの成績だけは高い結果が出るというアンバランスな構造が分かるような気がします。
それにしても困ったことには、今頃になって下ネタが分かるようになってきたことです。下ネタだけではなく、乱暴な言葉や人の悪口も言うようになりました。その結果、息子を可愛がってくれた同級生女の子たちも、急に息子に対して冷たくなったりしますが、その理由も明快です。息子が、今まで言ってこなかったような、乱暴な口のきき方が目立ってきたからです。女の子たちは、男の子よりも、ずっと成長が早いですから、息子が少しでも不道徳なことをすると、あっという間に冷たくなります。息子にしてみたら、
「 ? 」
でしょう。
これではいかんと思った私は、毎日毎日息子を洗脳するように、
「汚い言葉を使ってはダメだよ」
「人の悪口を言ってはダメ」
「小さい子供・女の子に優しくしなきゃダメ」
と言って聞かせ、道徳が向上するような小話を夜寝る前にささやいたり、絵本を読んだりしています。で、多少効果がではじめると、また女の子たちにモテるようになる。優しく世話をしてもらえるようになる。けれど、続かない。
下ネタが分かるようになったためか、男の子たちと一緒に遊ぶようにもなったために、どうしても腕白さ・乱暴さが伝染してしまう。なので、ますます親の私が、優しさについて説く毎日になっている。それも限界があるので息子の道徳を向上させるような教材を探しているんですが、なかなか見つかりません。今のところ一番効果があるのは、空手道場ですけれど、これだけではダメなんですよね。何か良い教材はないのだろうか?
つづく。
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