2020年06月05日

『美女とネズミと神々の島々』

【7日間ブックカバーチャレンジ】2日目

 今回紹介するのは、『美女とネズミと神々の島々』です。ノンフィクションの実話というか、著者の体験記というか、ルポルタージュです。この本に出会った人は、少ないでしょう。なにしろ昔の本ですから。

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 昭和36年といえば、私が生まれた年ですが、その昭和36年に朝日新聞の社会部が、『底辺に生きる』というシリーズを4回にわたって企画しました。それぞれ、いろんな地域の底辺を新聞記者たちが取材をして、それを発表したわけですが、そのシリーズの最後が、朝日新聞九州支局の秋吉茂氏の書いた
『美女とネズミと神々の島々』
でした。

 私が『美女とネズミと神々の島々』を読んだのは、とある学校で秋吉茂氏の講義を受けたことがきっかけです。つまり秋吉茂先生は、私の恩師でもあります。

 秋吉茂先生は、九州福岡県の田川の生まれです。旧制中学校時代に、とある事件(冤罪)で退学となり、ほぼ全国の学校で締め出しをくらったのですが、ただ一校だけ受け入れてくれる学校があり、そこに入学。そして第二次世界大戦が始まり、徴兵されて暗号解読班に回されます。終戦後に復員し、福岡県田川高等学校の国語教師となりますが、ある新聞記事に涙が止まらなくなります。それは

「崖に転落寸前のバスに対して、我が身を輪止めに
 バス車掌、乗客の命を救う」

 その記事に感動した秋吉茂先生は、朝日新聞九州支局の新聞記者に転職します。そして、数々の名文を書き上げて、多くの読者を感動させました。例えば、映画化されたこともある「百万人の大合唱」。福島県郡山市で、音楽で暴力を追放した実話など、多くの名作を残しています。その中でも名作中の名作が、『美女とネズミと神々の島々』です。

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 この連載が始まると、大変な反響となり、匿名の中学生・高校生・大学生たちから「悪石島に送ってください」という寄付金が、朝日新聞にどっさり届きました。筑後柳川市のポッポ幼稚園では、園児たちが、お小遣いをあつめて、当時の金で六千円(今の物価なら12万円以上)も寄付しています。尼崎の女医さんは、
「島の女の子を引き取り洋裁を習わせて自立させたい」
と言い、大阪の中島金属の社長は、
「島の男の子たちに進学をさせてやりたい」
と言い、奈良県五条東中学校では、悪石島の友へ運動を始めるし、家電メーカーは、当時、高額だったテレビを学校に寄付しました。島には自家発電機が届き、夕方の二時間だけ電気がつくようになった。島の人たちは、映画どころか幻灯(スライド上映)さえ見たことがなかったので、さぞかしテレビに腰を抜かしたことでしょう。

 とはいうものの、そんな昔の話ではありません。私が生まれた昭和36年の頃の話です。日本が豊かになった頃で、高度経済成長真っ只中の話です。そういう時代に、「こんな世界があったのか?」と驚かされます。

 しかし、この『美女とネズミと神々の島々』は、単なるルポルタージュではありませんでした。最後には、感動のラストシーンが待っています。目に涙の洪水が流れてしまう。実話であるだけに感動も大きいし、なんとも言えない、すがすがしい気分になる。

 ちなみに「美女」とは、島全体の若い女性たちのこと。写真でみると確かに美女である。しかし秋吉茂先生は言います。大人の女性は、長い間の粗食と過労によって花の命をけずりとっていると。あまりに過酷な生活なために美女の命が短いと。どんな美女も、すぐに皺だらけになって老婆のようになってしまう。

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 そして「ネズミ」とは、ネコぐらいの大きさのネズミで、何十年かに大繁殖して海を泳いで渡ってくる。そして農作物を食い荒らして、また海を泳いで去っていく不思議な生き物のことです。いったい、この生き物は、今でも存在しているのだろうか?

 最後に「神々」ですが、複数形です。なので一部の神を写真で紹介します。

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 最後に秋吉茂先生は、この島の取材をあきらめます。志なかばで立ち去ります。あまりにも激しい環境に、体を壊してしまったからです。そして、島を去っていき、この体験を、朝日新聞の『底辺に生きる』シリーズで、10回にわたって連載され、日本中に悪石島ブームがやってくることになる。



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「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ」
※参加方法※
・好きな本を1日1冊、7日間投稿する。
・毎日ひとりのFB友達をこのチャレンジに招待する。
#7days #7bookcovers
#BookCoverChallenge
#day2




つづく。

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posted by マネージャー at 23:24| Comment(2) | テーマ別雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「泊まって!応援キャンペーン」その場で一人あたり五千円を返金!

群馬県民に、朗報です。
群馬県民は、一人あたり五千円安く泊まれことになりました。

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二食付き7400円が、2400円で泊まれます。
群馬県が、新型コロナウイルスで営業自粛したことによって
景気振興策として、補助金をだしてくれることになりました。
あと、県をまたいでの旅行を防ぐ意味合いもあります。


システムとしては、県が4000円のキャッシュバック。
宿が1000円のキャッシュバック。
それぞれが、キャッシュバックすることによって、
県民を他県に旅行で移動させないようにする。
この夏に、感染者の多い地域に、県民を移動させない。
そのために県と宿が協力して、新型コロナウイルスの被害を食い止める。
そういう趣旨のキャッシュバック制度です。


ただし、予算が終わったらおしまい。
なので、6月中には、おしまいになってしまう可能性もあります。
さっそく、何件も予約がはいってます!
群馬県民は、予算が無くなる前に、ぜひとも利用してください。


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条件は、大まかに言って下記の6つです。

1.群馬県民として身分を証明できるものを提示すること
2.県に提出する五千円の受取証を書く
3.カード決済の方は、税務署に提出する領収書を書いてください
4.6000円以下のプランは、キャッシュバックの対象にならない
  うちの宿だと二食付き
5.期間は、6月5日から7月31日まで。
  ただし、予算が無くなりしだい、予告なく停止する。
6.最大で3泊まで
(ただし、3泊したあとに、他の宿で1泊したあとなら、もう3泊できる)
(予算がある間は、何回でも利用できる)
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詳しくは、
https://gunma-dc.net/featurecat/aikyougunma/
https://gunma-dc.net/news/aikyougunma/

留意事項

・換金性のあるもの(クオカード、商品券等)を組み込んだ宿泊プランは対象外となります。

・宿泊料金には、同一施設内の飲食・土産物の代金も含みます。ただし、宿泊料金と一括精算した場合に限ります。

・キャッシュバック(または割引)上限額は15,000円(5,000円×3連泊)/人となります。 ※1施設3連泊まで

・宿泊料金が減額となる児童等を含むファミリーやグループでの宿泊料金は、全員の合計額を宿泊人数で割った1人あたりの料金が6,000円(税抜)以上の場合に対象となります。ただし、宿泊料金が発生しない乳児等は対象となりません。



つづく。

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posted by マネージャー at 10:35| Comment(0) | 業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする