土屋達郎氏も北軽井沢ブルーベリーYGHで、1年以上宿を手伝ったことがあるので、それなりの知識があるんですが、 とりあえず宿のことは奥さんに任せた感じです。月曜日から土曜日までは、朝早くから環境省の方で働くので、もし南極教室を目的に泊まられるなら、前もって連絡したほうがいいかもしれません。土屋達郎氏の仕事の関係で、南極教室が開催できない日程があるかもしれないからです。
翌朝、ふふはり亭の朝食を食べました。
画像見て分かるとおり、手の込んだ朝食です。
その後、北軽井沢ブルーベリーYGHから持ってきたブロワーで枯葉を飛ばしたり、木の伐採についてや、ボイラーなどの メンテナンス機器についてのアドバイスをしてお別れすることになりました。そして私たちは、土屋達郎氏のアドバイスをもとに
『黒姫童話館』
『ナウマンゾウ博物館』
に向かうことになります。
他にも色々な名所や、面白い博物館がいっぱいあるんですが、とりあえずこの二つに絞ってしまいました。黒姫童話館には、 松谷みよ子・ いわさきちひろの資料がたくさんあるので、それが目的でもありますが、なんといってもミヒャエルエンデの莫大な資料が揃っている童話館ということで世界的に有名です。ミヒャエルエンデと聞いて『はてな』 と首を傾げる人に説明すると、何十年間も前に世界的なヒットとなった
「ネバーエンディングストーリー」
の原作を書いた人と言えば分かるでしょうか ? 童話に詳しい人ならば「モモ」の作者であると言えば分かるでしょうか? 大の親日家で、奥さんが日本人で、日本をとても愛した童話作家といえば、ミヒャエルエンデの他はありません。そして、黒姫童話館には、もう一人、日本を凄く愛して国籍まで取ってしまったウェールズ人を紹介するコーナーがあります。 そうです。 cwニコルさんです。
それから『ナウマンゾウ博物館』ですが、考古学・人類学に興味ある人なら避けて通れない博物館です。 今から40年以上前、私が高校生だった頃に日本史の先生が、
「野尻湖の発掘によって世界史が書き変わる」
と言ってました。どういう風に書き変わるのか、当時高校生だった私にはさっぱりわかりませんでしたが、あれから40年経っているわけですから 、どういう風に世界史が書き換わったか 興味がありました。
実際、この40年間に日本史に関しては確実に書き換わっています。稲作に関して言えば、中国大陸から入ってきたと言われていましたが、今では完全に否定されています。日本では今から6700年前から陸稲の稲作栽培が行われていたことが分かっていますし、水稲栽培は3700年前から始まっています。そして朝鮮半島の稲作は、日本から輸入されたものであることも中国の研究家による裏付け調査で、歴史として確定しています。日本最古の土器は16500年前までさかのぼる事になりました。農業の起源地とされた 中近東やアフリカには1万年をさかのぼる遺跡がありませんので縄文時代人は土器製作における世界先端技術を持っていたということがわかってきました。また北海道の縄文遺跡から布が発見されており、三内丸山遺跡では巨大建築物と、加工された全国各地の翡翠・黒曜石が発見されています。
しかしこれらの歴史の書き換えは、あくまでも縄文時代の話です。野尻湖のナウマンゾウの生きてた時代は、 今から4万年前です。その4万年前の遺跡に石器がじゃんじゃん出てきている。ここが問題なんです。
ホモサピエンスは、今から38000年前に、中国と日本に同時多発的に広がっています。 38000年以上前の遺跡は存在してない。つまり、38000年以上の前にホモサピエンスはアジアに来てないことになっている。けれど、野尻湖には大量の旧石器がある。何らかの人類がいたことは間違いない。ところが人骨が出てこない。 これは仕方ないことで、日本の土壌はほとんど酸性土質なので、人骨が残りにくい。唯一の例外は沖縄地方だけ。沖縄の土壌はアルカリ性なので人骨が残っている。まあそれはいいとして、もし、野尻湖に人骨が残っていたとしたら大発見になる。その人骨がホモサピエンスのものか、ネアンデルタール人のものか、その他の人類のものなのか特定できたら、すごいことになる。世界史が書き変わることになる。
つづく。
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