しかし、そういう御客さんの多くが、漬け物が大好きであることに気づきました。で、ためしにおかずの半分を漬け物にしてみたら、漬け物だけは全て無くなっている。他のおかずは残しても各種の漬け物だけは、ぺろりと平らげている。で、デザートは手つかずに残されている。
酒飲みはどうして漬物が好きなのか?
どうしてご飯を食べないのか?
どうして味噌汁を飲みたがるのか?
酒の飲めない私には、さっぱり分かりません。
まあ、そんなことはどうでもいいとして、ここ数年、酒飲みの人が激減していることに気がついてしまった。経理を調べてみたら、アルコールの売上げが、二十年前の十分の一に減っている。これはタバコにしても言えることで、タバコを喫煙する人がめっきり減ってしまった。御飯を食べる量も半分以下になっている。昔は、一人あたり一合炊いたこともありましたが、今では0.5合も食べない人が多くなってきた。で、これが宿屋の経営に、どのような影響を与えるかというと、昔と違って業者さん大歓迎になってきている。
昔は、業者さんを嫌う宿が多かったと思う。昔の業者さんは、みんなヘビースモーカーだったし、へべれけになるまで酒を飲んで吐いたりもした。なにより、いつまでたっても食事の後片付けが出来なくて困った。よる遅くまで寝られなかった。だから昔は、業者さんを断る宿も多かったと思います。
これは、うちの宿がターゲットとしている山岳会の団体さんでも同じで、昔の山岳会の団体さんは、酒タバコ三昧なうえに、吐いたり、宿をゴミだらけにして帰って行ったものですが、今では、そういう御客さんは皆無になりました。みんな礼儀正しくてマナーが良く、そのために、ついつい嬉しくなって、サービスをしまくってしまう自分がいる。
昭和時代より、平成時代の方が圧倒的に礼儀正しいし、平成時代より令和時代の方が圧倒的に礼儀正しいと思うのが宿屋の普通の感覚だと思う。よく
「これだから、ゆとり世代は・・・」
という話を聞きますが、こと宿屋の感想を述べさせてもらえれば、ゆとり世代の方は、相手を思いやる礼儀正しい人が多い印象があります。
それから、テレビなんかでよく聞く話で「京都人は腹黒い」という都市伝説がありますが、私の印象をいうと、京都の人くらい礼儀正しく、相手を思いやる人はいない印象があります。一人二人の話ではありません。北軽井沢は夏になると関西からドドーッと御客さんが泊まりに来ますが、相手を思いやる人が多い。あと、子育てを頑張っている御客さんも、礼儀正しく思いやりがあって思慮深い人が多い印象。ネットで言われているような非常識な人は、ほとんど見られない。例外も無くは無いですが、ごくわずかです。

逆に言うと、昭和時代によく見られた豪傑タイプの方は滅びてしまったのか、今では見ることも少なくなりました。インターネットが発達した現代では、そういう人を許容できない社会になってますし、そういう人は、すぐにネットワークで拡散されて、住みにくい世の中になっているのかもしれません。
これは宿側にも言えることで、御客さんに傲慢な態度で接していたら、アッというまに口コミ拡散されて潰れてしまう可能性がありますから、宿側も、どんどん自然淘汰されていく気がします。特に新型コロナウイルスによって、自然淘汰が激しくなっていくでしょうね。
つづく。
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