ハコモノというのは、資料館・博物館・ショッピング・温泉といった箱です。幸いなことに、軽井沢・北軽井沢・草津周辺には、箱ものがウジャウジャあります。私の独断と偏見による雨天時の子連れ家族が楽しめるベスト7を紹介しました。
7位・軽井沢教育委員会の7博物館めぐり
6位・軽井沢ガラス工房でガラス体験
5位・美土里の洞で陶芸体験(北軽井沢ブルーベリーYGHから徒歩1分)
4位・軽井沢絵本の森美術館・エルツおもちゃ博物館
3位・佐久市子ども未来館
2位・草津熱帯圏
1位・軽井沢おもちゃ王国
1位の軽井沢おもちゃ王国と2位の草津熱帯圏。そして3位の佐久市子ども未来館については、以前、説明しましたね。今回は、4位の軽井沢絵本の森美術館・エルツおもちゃ博物館について説明しようと思います。
今回は、エルツおもちゃ博物館について。


(クルミわり人形)
この施設は、 軽井沢おもちゃ王国と違って、 小さな子供の施設ではありません。どちらかと言うと大人が楽しむ施設なんですが、小学生ぐらいなら子供も十分楽しめます。もちろん幼児のお子さんでも楽しめますので、雨の日にはいいかもしれません。ただ誤解してはいけないのは、 エルツおもちゃ博物館は、あくまでも博物館なので、市販されてるおもちゃが並んでいてそれを自由に触って遊べるというわけではないということです。軽井沢絵本の森美術館にしても、ちっちゃなお子さんが絵本を読むための施設というわけでもありません。むしろ絵本に興味のある大人達が一番楽しめる施設です。
で、エルツおもちゃの博物館って何だい? と思われる方が多いと思いますが、 ドイツ人にとってエルツのおもちゃは、魂みたいなもんです。 例えて言うならば、ひな祭りに使う七段飾りの雛人形とかを思い浮かべればいいかもしれません。古いものが大好きなドイツ人にとって、エルツのおもちゃは、彼らの魂だったりするんですよね。

え? なんでお前がそんなことを知ってるのかって? 実は私、 ユースホステルのプログラムで、エルツに行って、そこのユースホステルに宿泊して、エルツのおもちゃを制作するプログラムを体験しているんです。その時に、エルツの人たちからおもちゃ作りに関する情熱と歴史をしつこいくらい教えてもらったのです。

(エルツの美しい風景)

(エルツの美しい風景)

(エルツの美しい風景)

(エルツの美しい風景)

(エルツの美しい風景)

(エルツの民家の窓は、どこも玩具が置いてある)

私は、エルツのおもちゃを雛人形に例えましたけれど、 実際はそれ以上かもしれません。彼らはクリスマスでエルツの人形を飾ったりします。ご多分に漏れず、ドイツにおいても中国製品のバッタものと言うか安物が出回っていますが、それらを買う人たちは観光客が大半で、ドイツ人は決して手を出そうとはしません。日本人が、浅草の仲見世辺りで売っているインチキな着物を絶対に買わないのと一緒です。




(これが、私がエルツで作った作品です)
ところでエルツってどこだよ?と思っている人に説明すると、ドイツとチェコとの国境付近です。この地方には、古くから鉱山が栄えていて、1168年に銀鉱山。14世紀にすず鉱山で発展するのでが17世紀に衰退。困ったエルツの人たちは、森の木材を利用して木のおもちゃを作りました。これがエルツ地方の代表的な工芸品となりドイツ全土から買われたわけです。



1948年、第二次世界大戦後のドイツは、東西に別れ、西ドイツは豊かになる一方、東ドイツは、貧しくなる。東ドイツは、エルツ山地で作られたクリスマス雑貨を外貨獲得のため、西ドイツに向けて輸出します。移動の自由がなかった彼らは、各地の見本市に出かけていって、自分たちの作品を紹介するチャンスがありました。エルツの人たちは、こぞって職人の道に進みました。




エルツの玩具は、西ドイツやドイツ系アメリカ人に熱狂的に向かい入れられ、いつのまにかクリスマスには、エルツの玩具が欠かせなくなっていました。もちろん日本にもエルツの玩具に入ってきます。日本人は、クリスマスが大好きですからね。そのうえ雛人形・五月人形を飾る習慣がありましたから。そういうわけで、エルツのクリスマス雑貨は、子供が持って遊ぶおもちゃではありません。雛人形のようなインテリです。それを飾って眺めることによって、モノを大事にするという気持ちを育て、子供に対するしつけにもなりうるのです。



おもちゃだけではありません。
パイプオルガンもです。
ヨーロッパのパイプオルガンの多くがエルツ制だったりします。


エルツおもちゃ博物館・軽井沢では、旧東ドイツ・エルツ地方に伝わる木工おもちゃを蒐集・展示しています。300年以上の歴史を持つおもちゃは、職人たちによって生み出され、伝統工芸として高い評価を得ています。ドイツの森で生まれた文化を紹介しているのは、エルツおもちゃ博物館くらいですね。
つづく。
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