2021年10月18日

嬬恋村の文化財を回ってみた!

 今日も北軽井沢は、寒い一日でした。そんな寒い1日でも小浅間山に登ると、幼児連れのファミリーのお客さんがハイキングを楽しんでいました。この1年、山登りをする幼児連れのファミリーが本当に増えました。ちなみに今日は、学校終わったばかりの息子を拾って、嬬恋村の文化財を見学するために車を走らせました。あらためて袋倉とか、芦生田とか、今井のあたりをドライブしたわけですが、 白いですねー嬬恋村は。本当に広い。そして、やはり村だなあと思いました。

 人口で言えば長野原町よりも多いんですが、密集してない。小さな小さな集落が、広大な面積に点々と広がっているのが嬬恋村だということが、文化財を探しにドライブをすると、嫌と言うほどわかります。これは嬬恋村に住んでいる人にはわからないことかもしれませんが、よその土地から来た人間にしてみたら、この村の 特殊性がよくわかります。

 私は新潟県の佐渡島に生まれましたが、 嬬恋村の面積は佐渡島のちょうど半分ぐらいです。それを考えると、嬬恋村の文化財というか、 宗教観が非常に気になる。例えば佐渡島には、 ありとあらゆる宗派のお寺が、何百とあるわけですが、嬬恋村には、たったの二つしかなくて、しかも曹洞宗(無量院・常林寺)しかありません。

 この差はなんでしょう? この寺の少なさはどういうわけか? 寺だけではない。神社も少なすぎる。だから能舞台も皆無。昔の佐渡なら十戸ばかりの集落に寺社があって能舞台があり、そこで叙瑠璃なんかやっていた。そういうものが嬬恋村に少なすぎる。文化財も少なすぎる。佐渡島も嬬恋村も、同じ天領であるにも関わらず、この違いは何だろうと思います。

 ひとつ考えられるのは、 嬬恋村は修験者たちが開拓した村であることが原因かもしれない。


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 平安時代末期、1108年の天仁の噴火で壊滅して間もない嬬恋村に修験者となって、流れてきた海野一族がいました。下屋将監です。彼は、映画「阿弥陀堂だより」の阿弥陀堂あたりに、修験道の神社を造りました。そして、甲冑鎧などの武器を埋めて、『捨城庵』を建てました。城を捨てて粗末な家を建てたという意味です。

 下屋氏一族は、さかんに嬬恋村を開拓します。
 そして、真田から嫁をもらって人口を増やします。
 この風習は、現在でも残っていて、嬬恋村と旧真田町は、親戚どうしみたいになっています。

 下屋氏一族は、武器を捨て、宗教(修験道)の力をもって開墾を続けました。武器の力ではなく、信心の力で開墾を行い、天仁の噴火で壊滅した嬬恋村を見事に再生させます。そして、広大な領土をもつに至りますが、下屋氏一族には、領土的野心はこれっぽっちもなく、分村し、暖簾分けし、村々を次々と分家たちに譲り渡してしまいます。

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 暖簾分けされた中に、鎌原氏という存在があります。
 下屋氏一族の開祖、下屋将監の孫にあたります。
 この鎌原氏が、勢力を伸ばし、嬬恋村の地頭職に出世します。

 しかし、下屋将監直系の本家は、武力を持たず、ひたすら修験道に励んで荘園領主として平和国家を作っていました。しかし、平和国家なるものは、自分の都合だけでは成立しません。武器無き民を攻め掠めようとする侵略者たちは、かならず現れます。それに対抗したのが鎌原氏でした。こうして、荘園領主の下屋氏一族と、地頭職にある鎌原氏の2大勢力が成立します。

 では、下屋氏一族と鎌原氏は、その後、どのような運命になっていったのでしょうか? 下屋氏一族は、武力ではなく、修験道という宗教の力をもって民を治めました。この方法は、武力をもって侵略するより、はるかに効率が良かったらしく、アッという間に北部群馬県を制圧していきました。これは昔、ソ連がマルクス主義を抱えて、アッという間に世界中を制圧していったのと似ています。

 しかし、下屋氏一族は、武力をもってなかったために、同族の地頭職である鎌原氏に、領地を掠め取られます。すると、各地の地頭たちも、下屋氏一族の領地を次々と掠め取ります。その結果、嬬恋村全体が、群雄割拠の時代に入ってしまうのです。親戚同士が互いに武力で争い、下屋氏本家は、アッという間に廃れていきました。代わりに勢力を台頭したのが鎌原氏です。

 話は、変わりますが、日本ユースホステル協会を立ち上げた横山祐吉氏は、真田軍団の末裔です。そして、日本恐妻家協会を設立し、しかも群馬の婦人団体の抗議によって、あっけなく解散してしまったのも横山祐吉氏たちでした。そして、その真田のゆかりの地、嬬恋村で、私はユースホステルを経営しつつ、息子と嬬恋村の文化財をめぐっています。



つづく。

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posted by マネージャー at 23:51| Comment(0) | 総合観光案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする