『仕入れの話1』に野菜のことを書いたら、仲良くしている近所のペンションさん(ペンション・レアール)から、どっさり自家菜園で採れた野菜をもらいました。レアールさん、ありがとうございました。いや、悪いことは出来ないものですねえ。嬬恋村の人が、このブログを読んでるとは、今後は地元内情ネタを書くのは控えます。
もらったから云うわけではありませんが、ペンション・レアールさんは、このあたりで一番おいしいフレンチ料理を作るペンションです。というのも、この人だけが、本物の元フレンチのシェフだからです。脱サラ組のペンションオーナーでなく、東京のフレンチレストランを開業していたのをたたんで、ペンションを開業した人だからです。おまけに自家菜園を持っているし・・・・。
それはともかくとして、仕入れの話です。
なぜ仕入れの話を書いたかと云いますと、私は昔、築地の魚市場、精肉業者に勤めたことがあり、巣鴨の野菜市場で働いたことがあるからです。いろいろな市場でバイトすることにより、多くの小売店やスーパーの仕入れ担当者となじみになりました。そして、業界の内情に通じることによって、ある程度、ものがわかるようになってしまいました。だから私自身は、多少野菜が悪いのを見越して、多めに買ったりするのですが、家内は、そうではないから、悪い野菜をつかまされて激怒するのは私ではなく家内の方です。
というわけで、本題です。
どうして悪い野菜を売る店があるのか?
これはね、ある意味、仕方のない部分もあるんです。
悪い肉を売る店、悪い魚を売る店というのは、少ないのですが、悪い野菜を売る店は存在する。これは、肉や魚が冷凍可能であるのに対して、野菜は冷凍できないところに原因があります。そのために、仕入れ方が3種類もできてくる。具体的に云うと
1.上物師
2.ゲソ屋
3.あかにし
の3種類の八百屋があります。
この3種類は、肉や魚には存在しません。冷凍できる肉や魚は、値段が乱高下することはなく、どんな小売店でも比較的適正な値段で仕入れられます。ところが野菜は、そうはいかない。冷凍不可能なために賭博的な要素が出てくる。おのずと仕入れ方が違ってくるのです。そのために
1.上物師
2.ゲソ屋
3.あかにし
の3種類の八百屋が存在するのです。では、どうして3種類の仕入れ業者が存在するのでしょうか? その謎を解くために3種類の店を解説してみましょう。まず、
1.上物師(じょうものし)
です。
『上物師(じょうものし)』とは、野菜をレストランや居酒屋に納める業者(八百屋)のことを云います。この八百屋は、常に最高の野菜を市場から仕入れます。どんなに高くとも、最高の野菜を買い占めるために彼らを『上物師』と云います。そのために、酷いときにはレタスが1個1000円といった値段がついたりしますが、『上物師』は、そんな値段を恐れずにレタスを買いあさり、最高のものを届けます。
もちろん、1個1000円のレタスを家庭の主婦が使うわけが無く、そんなレタスを使うのは、もっぱら高級レストランやホテル・旅館・ペンションといった店に限られます。嬬恋村の悲劇は、そんな『上物師(じょうものし)』の八百屋が無いところにあります。上物師がいないために、ペンションオーナー自ら無人市場や、知ってる農家や、軽井沢の高級スーパーに仕入れに出かけなければならない。
野菜の一大産地であり、嬬恋村ブランドの野菜が東京で高値で売られているにもかかわらず、上物師がいないために、自分の目で野菜を選びに行かなければならない。ここに嬬恋村のペンションやレストランの苦しみがあります。目の前に最高の野菜が育ってるのに、なんという悲劇でしょうか。
つづく
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