森を歩く―森林セラピーへのいざない
(角川SSC新書カラー版) (新書)
田中 淳夫 (著)
新書: 175ページ
出版社: 角川SSコミュニケーションズ (2009/03)
内容(「BOOK」データベースより)
近年、耳にするようになった「森林療法」や「森林セラピー」という言葉。これまでは感覚的にしか捉えられていなかった森の持つ力を、科学的に解明しようという研究も始まった。そのひとつが林野庁を中心とした「森林セラピー」事業。2009年3月現在、全国に31カ所の森林セラピー基地、4カ所のセラピーロードが認定されている。本書では森林療法の成り立ちや施術の方法だけでなく、ドイツのクナイプ療法についても紹介、森林が人を癒す仕組みについて考察した。さらにおすすめの森林セラピー基地10カ所もルポ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田中 淳夫
1959年大阪生まれ。静岡大学農学部林学科卒業後、出版社・新聞社を経て、現在フリーの森林ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
私は、以前からホームページで
http://homepage2.nifty.com/blue_berry/00-top-51.htm
北軽井沢で森林浴を楽しみましょうと、言ってきましたが、森林浴の具体的な方法論については、詳細に書いてきませんでしたね。実際、北軽井沢ブルーベリーYGH のツアーも、散歩とかハイキングとか、インタープリテーションプログラムとか、ネイチャーウオッチングくらいしか、やってきませんでした。
しかし、この本には、もっと多彩なバリエーションの森林浴。つまり「森林療法」「森林セラピー」が紹介されています。森林ヨガ、スノーキャロット、森林トレーナー、人間に会わない森林浴、マタギ道、宗教セラピー、天空ラセピーなど。一言で、森林療法、森林セラピーといっても色々な、やり方があるのですね。いまさらながら考えさせられました。
しかし、この本の面白いところは、それらの各種セラピーの紹介よりも、第1部の「森は本当に人を癒せるのか」の部分の記事です。「どうやら森林が、病気によいらしい」という意見は、山岳関係者には常識になっていますが、実は、根拠が曖昧だったりするんですね。経験で感じているだけだったりする。それについて、第1部の「森は本当に人を癒せるのか」について詳しく述べられています。
ここで、上原巌さんが登場します。この方がキーポイントになる方なのですが、恥ずかしながら私は、この方を名前くらいしか知りませんでした。軽井沢で盛んに森林療法研究会が開かれていたのも知らなかった。本当にお恥ずかしい。森林療法研究会については、私が説明するより下記のサイトを御覧ください。
http://www.geocities.jp/ueharaiwao/
http://www.janis.or.jp/users/bigrock/
ちなみに、この本の著者のブログが公開されています。
森林ジャーナリスト・田中淳夫さんのブログです。
下記をごらんください。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/
http://homepage2.nifty.com/tankenka/chosha.html
購入は、こちらで。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827550662/morikoroweb-22
それにしても、どうして今まで日本森林療法協会に注目してなかったんだろう? そういう意味では、著者の田中淳夫さんに感謝。
つづく
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素敵な内容ですね。
今,若者達が森との接点が切れていると感じています。20年前から「京女の森」に自然観察会に出かけております。
5月から,第2回の「WARIBASHI コンペ」を始めました。この欄でも、紹介して頂くと助かります。
ニュースは、以下のサイトで御覧頂けます。
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20090505-OYO8T00389.htm
森が大好きな私としても、森との接点が少なくなっているのに残念に思っています。