この映画も、かなり面白い日本映画です。
映画と言うより、一幕物のお芝居ですね。
つまりワンシーンだけの映画。
厳密に言うと、回想シーンが、2〜3シーンあるのですが、
それは全部カットしても、お話は通じます。
シナリオを書いたことがある人なら分かると思いますが、
ワンシーンだけの映画って、本当に難しいんです。
その難しい台本を完璧にこなしているのが、
このキサラギなんですね。
キサラギに似た1シーン映画として有名なものに
『十二人の怒れる男』
ですね。
「法廷もの」に分類されるミステリ映画であり、密室劇の金字塔として高く評価されている名作ですが、芝居がたった一つの部屋を中心に繰り広げられています。製作費は34万ドルという超低予算、撮影日数はわずか2週間。それなのに超緊迫感のある感動ドラマに仕上がりました。
キサラギも基本的に『十二人の怒れる男』と同じです。
構成も、作り方も全く同じ。
しかし、一つだけ決定的な違いがあります。その違いとは、『十二人の怒れる男』が、シリアスな法廷ドラマなのに対して、『キサラギ』は、
お笑い
であることでした。
そうです!
笑えるんですよ。
馬鹿馬鹿しいくらいに笑えるんです。
おまけに全く緊迫感なし。
そういう意味では、『十二人の怒れる男』の対極をいってます。
つづく
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三谷幸喜さんの「12人の優しい日本人」という法廷物の一幕物の芝居ですね。
(初演は、1990年)
といっても、恥ずかしながら、舞台の方は、観てないんですが…。
陪審員制度が、日本に導入されていたら…という設定で、描かれた話です。
映画化もされていますが、あれは、一幕物のよさを消して、映画されていますね。
それにしても、日本の裁判員制度も、今年には、始まるのですね…。
「キサラギ」、面白いって話、聞いたことあります。
機会あったら、レンタルビデオ屋で借りようかなぁ〜。
しかし、おなじパロディーなら、アイラブルーシーの「12人の怒れる陪審員」の方が面白いです。とても笑えます。というのも、せっかく、どんでん返しで無罪の結論をもっていったのに、全員が無罪を主張したら、急に一人だけ有罪に心変わりする無限ループのオチですから、こっちの方が100倍面白いです。
それはともかくキサラギは、見て損はしませんよ。私は、この系統の映画は良く見ているのですが、ほんとうに良くできている作品です。と、同時にヒューマンな人情ドラマでもあります。