2009年07月19日

トムラウシ山遭難事故に思う1



http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090717/dst0907170926004-n1.htm

> 北海道新得町の大雪山系トムラウシ山(2141メートル)に登った
>ツアー客ら19人が下山できなくなった遭難事故で、17日午前8時半
>までに、男性1人、女性2人の計3人の死亡が確認された。道警による
>と、さらに5人が意識不明の重体となっている。

 ほんとうに悲劇的な事件でした。
 犠牲者の皆さんならびに遺族の皆さん、御愁傷様でした。

 実は、このトムラウシ山縦走、私は何回か行っています。
 だから現場を、よく知っているのです。
 で、知っている人間としてコメントを残しておきます。

 トムラウシ山の遭難事故は、今回が初めてではありません。
 実は、過去に何回もおきているんですよ。
 たとえば、2002年7月におきた遭難事故では、
 裁判に発展し、ガイドに対し禁固8月執行猶予3年を言い渡されています。

 つまり、そういういわくつきの場所だったんですね。

 それはともかく、こういう場合、
 裁判で業務上過失致死が決定された場合、
 ガイド保険がおりる可能性が高くなります。

 逆に、業務上過失致死が、認められなかった場合、
 つまりガイドにミスが無かった場合は、
 ガイド保険はおりません。
 つまり死に損になるわけです。
 ガイド会社としては、痛し痒しでしょう。

 業務上過失致死が、認められなかった場合は、遺族への補償ができない。
 逆に業務上過失致死が、認められた場合は、会社そのものが糾弾される。
 だから、ふつうガイド会社の大半は、安全管理を徹底して行うものなんです。

 ここで私の恐ろしい体験を述べてみます。
 北軽井沢のある山で、スノーシューツアーを行っていた時です。
 某旅行会社の団体さんと、雪山で出会ったんです。
 で、その団体さんたちは、道を間違えていた。
 そのまま行ったら崖に転落するので、注意したら、どうも挙動がおかしい。
 で、旗をもったガイドさんに
「ガイド歴何年?」
 と聞いたら学生アルバイトだったのでした。
 そのアルバイトさん、不安そうでしたね。

 あと、自称ガイドの方が、率いている挙動がおかしいツアー団体にも出会っています。その自称ガイドさんは、重登山靴にピッケルにカラビナにロープという完全装備で登ってきていたのですが、いかにもあぶなかしいのです。

 だいたい、重登山靴も、ピッケルも、邪魔なだけの湯ノ丸山なのに、
 というか、そんなものあったら、余計に遭難しかねない状態なのに
 そういう重装備にフウフウ言いながら、
 かんじきごと雪に埋もれながら前進している。

「怪しいなあ」

と思いつつ、こっちは、ゴム長靴にストックにスノーシューで、スイスイ追い越していきました。で、山の頂上で昼飯を食べて、ゆっくり休んで下山するときに、またすれ違ったのですが、まだ、フウフウ言って登っていました。

 なんか面白かったので、いろいろ話しかけてみたのですが、
 機関銃のように、いろいろな知識が飛び出してきて、
「百科事典みたいな人だな」
と思ったのですが、一緒について行っている人には悪いですが、私なら、この人と山に登りたくないなあと思いながら下山したものです。ただ、この人と一緒なら、少なくとも遭難することはないなあと思ったことは確かです。少なくともアルバイトさんよりも。でも、あぶなかしかった。

 ガイドさんにも、いろいろな人がいるんですね。

つづく。

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posted by マネージャー at 00:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 登山関係の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回の事故の責任の重さ
第1位 主催会社
第2位 ガイド
第3位 被害者
主催会社は何故トムラウジ山を経験したガイドを一人しか付けなかつたか。また他の二人のガイドも北海道の山は全然だった。
被害者も落ち度あり。自分の体力、山の知識も知らず2000m級の山に挑んだか。
山はスポーツではない。
最後は自分自身だ。
Posted by 都ぞ弥生 at 2009年07月29日 20:23
都ぞ弥生さん、
全国のガイド会社は、この事件に震撼したでしょうね。自分の所のレベルは大丈夫なんだろうか?と。あと、山行スケジュールの見直しも始まっていると思いたい。
Posted by マネージャー at 2009年07月30日 01:22
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