2009年07月24日

トムラウシ山遭難事故に思う6

トムラウシ山遭難事故に思う6
続きです。

下の画像をみてください。
最近のツアー会社は、ポーター(荷物持ち)もやってるんですね。

55-5-8.jpg



 前置きは、このくらいにして、意外なことですが、
 トムラウシ山遭難事故の、3人のガイドのうち
 2人は、偽物でしたね。
 というのも、今までトムラウシ山に登ってなかったからです。

 お亡くなりになった、ガイドaの吉川寛さん(61・広島)は、トムラウシ山は未経験でした。おそらく、彼はガイドではありますまい。ポーターであった可能性が高いでしょう。

 客を置き去りにした、ガイドc松本仁さん(38・愛知)も、おそらくガイドではなく、ポーターであった可能性が高い。だから、死ななくて良かった4人を殺してしまった。

 ちなみに、このガイドcは、救助隊に救助されています。そして、不思議なことに、ガイドcが、倒れたにもかかわらず、5人の御客様が自力下山しています。ガイドcが、着けなかったゴールに、5人の御客様がゴールしていた。

 そして散り散りになって、残されてしまった4人は、全員死亡しています。ガイドcが、本物のガイドであったなら、少なくとも全員の力を合わせて、一人の落伍者も出さずに下山させていた可能性があります。


 ここで誰がツアーリーダーか、はっきりしたと思います。
 ガイドBの多田学央さん(札幌)が、
 ツアーリーダーですね。

 で、彼は、どの程度のガイドであったかと言いますと、
 下記のソースによると、たった5回の経験だけ。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/177789.html

 正直な感想を言いますと、5回の経験だけで、15人の老人を引率して暴風雨の中を出かけるのは無謀かなと。おまけに他の2人がトムラウシ未経験のポーターでは、お話にならないですよ。低体温症の知識もあったかどうか、怪しいですね。32歳じゃ、ゴアテックスしか知らないだろうから、夏の疲労凍死なんて縁がない世代だろうし。ましてや5回の経験じゃあなあー。


 ここで、業界の話をしますと、
 ガイドというのは、
 必ず事前調査をかねて下見をするんです。
 それも出発の直前に。


 私たちユースホステルのマネージャーたちは、
 それに「およばれ」されることも多いんです。

 現に、私と谷川岳ラズベリーの曽原マネージャーは、何度も谷川岳のガイド会社に、下見調査に参加しないかと誘われて出かけていった。

 ガイド会社の方にしてみれば、私たちから客が欲しいわけだし、私たちにしてみれば、その会社のレベルを知れば、御客様に紹介する時に、説明しやすいからです。

 よーするに、もちつ、もたれつの関係なんです。

 で、私と曽原マネージャーが、
 客という想定で下見をしたのです。

 ガイド会社の方でも、先生が一人と
 研修生たちが2人ほど参加していました。
 研修生の2人のうち、一人はポーターをやっていました。

 本番前の下見ですから、どんな危険があるかを研究しながら前進しました。多少、無茶なことも行いました。私なんざ、ゲレンデ経験もないのに、ボーゲンさえやったことがないのに、生まれて初めて山スキー履かされ、林の中を10時間近く滑っては倒れ、滑っては倒れ、樹林にラリアートやタックルをぶちかまし、そして倒れる。最後には筋肉痛で立てなくなっりました。

 まあ、それでも根性で
 立ち上がったけれどね。


 このような下見によって、いろいろな問題点を解消していくシュミレーションをたてていくわけです。どうすれば、御客様を安全にガイドするかのマニュアルを組み立てていく。そうやって、はじめて商売としてのガイド業が成り立っていくのですが、このような下見ツアーは、1回だけではダメで、何回も行います。それで初めて一人前のガイドになれるし、ガイド業が可能になるのですね。

 ところが、
 ガイドc松本仁さん(38・愛知)も、
 ガイドaの吉川寛さん(61・広島)も、
 それをやってないので素人と一緒なのです。

 つまり、会社側は、彼ら2人をポーターとして使っていた可能性が高いのですね。それも愛知県と広島県ですよ! 道内の人ならともかくとして。

 私なんぞは、浅間山なら30回、四阿山・黒斑山なら50回は調査している。もちろん夜間登山もビバークもしているし、藪こぎもおこなっている。だから目をつぶってでも登れるようになりました。

 記録写真も500ギガを溢れました。画像1枚が平均1メガとして計算すると、50万枚の記録写真をデジカメで撮ったことになります。ここまで調査してないと安心できない。思わぬ落とし穴がでてくるかもしれない。それがトムラウシ経験5回じゃねえ。


  ×  ×  ×  ×


それにしても、
無人小屋セットって、おい!

55-5-8.jpg

しかも、身軽に歩くって書いてある。orz

55-5-9.jpg


つづく。

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posted by マネージャー at 02:36| Comment(3) | TrackBack(0) | 登山関係の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
山スキーではそんな思いを・・・

安全対策はここまでやれば完璧だなんてことはないのですよね。
結局は参加者の体力などもあるわけなので。

それにしても、ツアー費、びっくりです!
海外旅行のパックよりも高いなんて。
しかも、この後にも他のツアー客が控えていたなんて。うーん。
避難小屋目当てのツアーってどうなんだろう。怪しすぎます。このツアー。
Posted by ささらー at 2009年07月24日 10:40
いくら危険を伴うといってもこのツアー日には驚きですね!

今の私の月給(手取り)より高い・・・(涙)

これだけの金があれば私の場合、半分はブルーベリー
への宿泊で使ってしまうかもしれません(笑)
Posted by マサ at 2009年07月24日 22:58
このツアー費、相場の倍です。だいたい8万円くらいで、12万円だと、一人に、一人のマンツーマンのガイドがつきますよ。ちなみに『風のたより』で4泊5日のトムラウシ・ツアーを組んだときは、交通費をのぞいて一人あたり5000円くらいだったから、この値段が実費でしょう。その時は、酒やら何やらの御馳走をもっていってましたが。


Posted by マネージャー at 2009年07月24日 23:26
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