2009年07月29日

トムラウシ山遭難事故に思う11+α

トムラウシ山遭難事故に思う11+α

■Yさん
>高齢者の方はスピードに波がなく、持続性に優れますが、
>ピークパワーにはやはり欠けると言う事でした。

これは女性にも言えることですね。

>ガイドは恐らく従来も同じようなプランであれば、
>今までも強行プランであったはずですから、
>経験上ピークを越えて下りに持ち込めば
>あの年代ならではの持続力で何とかなると思ったのかななどと考えてみました。

これは新説ですね。面白い発想です。
こういうイフは、検証に値しますね。

>ところが、カロリー補充が不十分で、風と寒さでガス欠(低体温)となり、
>そうなった順に倒れたと考えると、得心がいきます。

同じ条件で静岡のパーティーが、遭難しなかった理由を考えると、
カロリー計算の問題かなと思った次第です。
ただし、これだけが原因ではなく、複雑な要因が重なっている気がします。


■俊にゃんさん
>しかしその場にいた時に自分なら何ができたか考えてしまいます。

登山は、ミスを減らした方が生き残るという点で、将棋に似ています。
できるだけミスを少なくすることが大切ではないでしょうか?
例えば、信号無視して、死んだとして、後から
「信号を無視したのが失敗だった」
というのは、後知恵ではありませんよね。
将棋に定石があるように、登山にも定石があります。
それを覚えることが大切だと思います。
それから、まず落ち着く。そして冷静になる。で、よく考える。
(しかし、これが中々難しいんだが.....)
あらかじめカロリーの知識を知っていたら、それなりの対処ができます。
登山は、体力戦のように見えますが、頭脳戦の一面もありますからね。


■ばあばさん
>確かこのツアーの生存された人の中には、
>道中に栄養補給をしつつ歩かれた女性がいたはずです。
>中日新聞だったかの記事にありました。

その人は、山を知っていた可能性がありますね。


>彼女は同行の人にも勧めたそうですが、
>ほかの方々はそれどころではない心境だったようです。

せめて、アミノバイタルプロを飲んでいれば。
それもゼリーのやつを!
ゼリーだったら飲みやすいんです。

>医師の方の低体温に関する記事です。
http://www5.ocn.ne.jp/~yoshi515/teitaion.html

この記事、すごいです!
この記事に書いてあることと、
トムラウシでおきたことは、ピッタリ一致しています
コピーして、うちのスタッフにも持たせます。
皆さんも、コピーしておいた方が良いです。
これは、「登山の医学」J.A.ウィルカーソン (著), 赤須 孝之 (翻訳) にも載ってなかったなあ。


■よしき
>よく登山は科学であると言われてますが、まさに、そのとうりです。

科学と言うより、失敗学ですね。
私たちは、今回の事故を貴重な教訓として
犠牲のない登山を目指したいです。



■わんたろうさん
>新田次郎氏著「孤高の人」において、加藤文太郎さんは
>「常に腹が満たされていれば凍死しない」という持論から、

新田次郎は、私の愛読書です。奥さんの藤原ていさんの著作も大好きです。
新田次郎さんと、奥さんが結婚前にデートしていた時、流れ星が流れました。
奥さん(藤原てい)は、「消えてしまった」と呟きました。
すると、新田次郎さんは、
「消えていません、エネルギー普遍の法則というものがありまして・・・」
と理屈を滔々と述べたそうです。
奥さんは、ロマンチックの片鱗もないと、ガックリきたそうです。
しかし、この理屈っぽさが、大名著を書き上げたとも言えますね。


■クリフハンガーさん
http://hbb.amary-amary.com/calc_ex3.shtml

これまた便利なものがあるんですねえ。
さっそくお気に入りに入れました。
ダイエットの参考にさせていただきます。wwwww

http://sport.edu.ibaraki.ac.jp/semi/2006/resume/27yoshinaga.pdf

すでに、こんな報告があったんですね。
知りませんでした。勉強になります。


■きたむら玄堂さん

>朝日新聞の本多勝一、武田文男の山岳遭難の記事は好きでした。

私も武田文男さんは大好きです。
というか、かなり影響をうけていると思います。


つづく。

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posted by マネージャー at 01:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 登山関係の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヘタカル様
コメントへの返答大変有難う御座います。宿主業の傍ら、大変かと思いますが、頭が下がる思いで拝見しております。
 さて、貴ブログを拝見しておりますと、様々なご賢察もさることながら、豊富な経験に基づく知識に感嘆しております。更に、かつて「何故」と感じた様々な事例についても、見解と考察があり、そういった意味でも感謝をしております。
 「その12」でのサラミやウイスキーについても成程と思うことしきりでした。ウイスキーについては「気付薬兼お守り」とばかり思っておりましたが、そういった意味もあったのですね。ウイスキーや焼酎は蒸留酒ですので、その辺りもポイントであったのかとは思いますが、その辺りは私も調べてみたいと思います。
 塩分に関しては、かつて自転車旅行の際にお茶を飲めば飲むほど発汗がひどくなり(2時間で4L消費)、ポカリスエットに切り替えた所ぴたりと止まったという事がありました。それ以来血液内の電解質の変化及び浸透圧の低下には山においても気をつけて、ポカリスエットの粉を持ち歩く様になりました。塩分に関して言えば、ラーメンも同じような役割があるのですね。今回のケースでは疲労に関して低体温に陥る前に血液の電解質異常が起きていたのか少々気になります。

ところで、ばあばさんの御紹介の低体温症の知識には非常に興味深いものがあります。勉強させて頂きました。以下は私の愚見です。もしお時間あれば御覧頂けると有難いです。
私は低体温対策として邪道なのですが、「貼るカイロ」を使う事が結構あります。必要以上に冷えた時には、腰や背中(但しできるだけザック接触部は避ける)、または腹部に貼ると、絶大な効果があります。汗をかくようになれば低温やけど防止としてポケット行きですが、体幹部保温には極めて有効かと思います。
併せて、ゴアテックス製の装備について、実は敢えて異を唱えたいと思う事があります。ゴアテックスは確かに優れた素材で、他に変え難いですが、内部に浸水した時点でメリット(防水透湿)を失い、むしろ内部が冷える素材である様に感じています。浸水しなければこれほど心強い素材はありませんが…。
 ですから、これまた邪道ですが、ゴアを着ていても、ビニール雨合羽及びポンチョは欠かさない様にしています。ゴアに直接雨が当たることを防いで、内部への雨水侵入を防いでくれますし、カッパ−ゴア間の空気層は強力な断熱効果を発揮します。結果として服装の熱還流率が低下しますので、その11で言う熱損失を大幅に改善してくれます、但し蒸れますが…。また、安いので木などに引っかかって少々破れても、痛くないですし、ビニール素材ですから地面がぬれているときに敷物にしてしまうという荒業も可能です。
今回のトムラウシは強風でしたので、カッパがバタついてどうかと思う部分もありますが、最初の低体温症の方が出た時にはパーティ全体が随分と待機した様ですので、その時に体を温めるからくりが、もう少しあれば結果は異なってきたように感じます。
最近の山装備は確かに機能性に富み、素晴らしいものですが、だからこそベストの条件を保つ事は必要かなと思っております。
気づけば大変な長文、申し訳ありません。貧乏性の戯言程度で恐縮ではありますが、数百円の装備でも、低温については結構打てる手があると思います。
私の様な使えない手段もありますが、知恵を集めれば他にも意外といい手段があるのかなと思った次第です。
Posted by Y at 2009年07月30日 00:36
■Yさん

>ウイスキーについても成程と思うことしきりでした。

これに関しては、別のコメントで違った見解もあります。
http://kaze3.seesaa.net/article/124487949.html#comment

takapyonさんのお話によると、
>肝臓がアルコールを分解するのに大量のブドウ糖を消費するので
>激しい運動後のアルコール摂取は絶対禁忌です。

だそうです。なるほどと思いました。
となると、アルコール摂取の前に糖を摂取する必要がありますね。
この件については、もう少し研究の余地がありそうです。


>今回のケースでは疲労に関して低体温に陥る前に
>血液の電解質異常が起きていたのか少々気になります。

ああ、それも検証すべきテーマですね。


>ゴアテックスは確かに優れた素材で、他に変え難いですが、
>内部に浸水した時点でメリット(防水透湿)を失い、
>むしろ内部が冷える素材である様に感じています。

これは、面白い視点ですね。この視点での研究も必要かもしれません。
あと、ゴアといえども豪雨だと、シームのあたりから浸水してきますしね。
ゴアの登山靴も、いったん水が進入すると、
これほど厄介なものはないですしね。
Posted by マネージャー at 2009年07月30日 01:08
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