はあばさんから教えていただいたサイトです。
よくできています。
よかったら、目をとおしてください。
http://memo.zouri.jp/2009tomuraushi.htm
一番驚いたところは
>遭難パーティは AM ラジオの天気予報により行動を決定したという新聞等の報道から
に驚きました。
「気象通報じゃないのかよ!」
しかし、よく考えてみれば、気象通報は、もっと遅かったでしたね。
前日分の気象通報は、夜の10時頃。で、
> 15 日 22:00〜22:20 時点で遭難パーティは、まだヒサゴ沼避難小屋に
>到着できておらず、行動中であった可能性がある。
天気が 全く分かってないで出発したの?
一度も気象通報をきいてないの?
天気図を書いてなかったの?
さらに、このサイトでは、恐ろしい推論をしています。
>15 日にパーティが遭難してもおかしくはなかった、と考えるのが自然である
>筆者なら怖くて行動できない。白雲岳避難小屋に停滞していたと思う
そしてさらに、14 日の天気図をみせてくれましたが、
それを見た瞬間、絶句してしました。
「二つ玉かよ!」
二つ玉というのは、低気圧が2個ならんでいる状態で、荒れることが多いので、冬山だったら登頂断念の目印みたいなものです。夏だと予測しがたい天気図に変化する。ただ、この二つ玉を利用して、間隙をぬって頂上アタックかける猛者もいますが、それはあくまでも猛者のお話。それにしても、このサイト、よく考察してあります。こういう検証作業は、全国各地で、どんどんやって欲しいですね。
長い前置きになりましたが、これで分かったことがあります。
大手のガイド会社には、後方支援体制がなかったのですね。
最初から荒天の危険をガイドに知らせる通信手段を持ってなかった。
定時連絡のシステムをもってなかった。
以前、わんたろうさんが言ってましたが、
どうして衛星携帯をもたせなかったのだろう?
いや、それ以前に、どうして彼ら無線を持ってなかったのか?
皆さんは「何でアマチュア無線?」と思われるかもしれませんが、ちょっと登山レベルが上がって、探検をはじめると、アマチュア無線が必携になるんです。
まず入山届けの時に指摘される。警察は、必ず
「危険な状態になったらどうやって外部と連絡をとるのだ」
と言ってきます。人によっては、コールサインまで求めてくる人もいる。営林署は、そこまで言ってきませんが、やはり無線のことを言ってくる。
だから、登山の本にアマチュア無線のことが必要だとは書いてないですけれど、レベルの高い山や、探検、難易度の高い冬山に入ろうとすると、アマチュア無線なしでは、どうにもならないんだという事を思い知らされるのです。
で、山屋は、免許をとるのですよ。
だから無線の免許がないガイドっていう存在じたいに疑問符がつきます。せめて、トランシーバをもって欲しい。そうすれば、偵察隊を先に出して、出発のための状況判断ができますから。
10人以上の縦走隊をくむ場合、
無線なしの登山なんて考えられない。
想像もつかないです。
最低でも、トランシーバーは、もちましょうよ。
18人なら、6台は欲しいところです。
つづく。
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追伸
yさんが、非常に面白いコメントをつけてくれました。ガイドが何故天候を見誤ったかについて、ひじょうに面白い仮説なので、興味のある方は、ぜひ御覧になってください。
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ばあばさん御紹介の気圧配置の話が出ておりました。確認をさせて頂いて、なおかつ気になる点がありましたのでコメントを御許し下さい。
今回の低気圧、確かに二つ玉です。しかしトムラウシでの遭難発生時については、それに加えての特徴的な気象的原因があると思われます。
7月14日の天気図は、確かにものすごく危険が予想されます。普通山には入らないでしょう。しかし、15日、16日ではより危険な兆候が現れています。
それは、「低気圧の閉塞」と、「オホーツク海での停滞」です。
ちなみに前回の遭難者が出した2002年の7月12日、やはり7月16日とそっくりな気圧配置と低気圧の渦が起きています。
http://www.weathermap.co.jp/kishojin/diary/200907/
http://www.weathermap.co.jp/kishojin/diary/200207/index.php
2002年は台風崩れの閉塞低気圧ですから、気団的には、今回は、2002年より寒冷であった可能性が強いかと思います。
また、先程の気象人のサイトで今年の7月全体で見回すとには停滞前線の発生(蝦夷梅雨)が甘く、オホーツク高気圧の強勢が伺われます。
オホーツク海での閉塞低気圧の発達及び停滞は冬季には頻繁に見られるものであり、特に発達したものは「旋風」と呼ばれますが、今回はその旋風に構造的には近い物であったと考えられます。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN8/kaikyo/no34/1-(6).html
そういった低気圧の特徴は、前線部は先行して中心部から離れているため、低気圧の等圧線(特に西側)は真円に近づく、かつ移動速度が落ちた場合、一定の風向きが長時間において持続するのが特徴です。また、前線通過後の小康期がありますので、複数パーティーが当日トムラウシを登っているところを見ますと、天気図を知らなければ意外とだまされそうな天候だったのかもしれませんがそこは更なる情報を待つべきかもしれません。
大げさに言えば、低気圧の閉塞が原因とすれば今回の事件は山における洞爺丸台風事件とも言えるかも知れません。但し、前述した通り閉塞低気圧特有の前線後の小康期があったのかどうかが気になるところです。今回は台風由来ではありませんので、大した小康期はなかったと思っていますが果たして…。(ちなみに旭岳の定点カメラは、15日以降ずっと大荒れだったと思います。その辺りも情報が必要かもしれません)
また、ご指摘のサイトでも低気圧が閉塞したことを知るチャンスはおそらくないとされており、私もその点は同意です。しかも、定時連絡もしていない以上、今回のツアーでは、問題の低気圧がオホーツクで閉塞かつ動きが遅滞化している事は知りえなかったと思われます。
何せ、社長によれば、天候はガイド判断で丸投げなわけですから…
http://www.ibaraki-np.co.jp/47news/20090718_02.htm
ガイドの立場になれば、逆に15日の荒天が仇となった可能性はあります。15日が悪天候だったからこそ、寒冷前線通過後の悪天候は16日には終わるだろうと、天候回復を夢見てしまった可能性は強いかと。定時連絡が出発前にあれば、どこにどういった形での気圧配置の確認は取れたと思いますが、このツアー会社では天候に関する報連相をやっていなかったと想像されます。
またその誤った判断が山上での一時間以上にわたる停滞を招き、事態を最悪なものとしたことは想像に難くありません。一方帯広が昼過ぎから回復というのは間違っていないと思いますが、帯広とトムラウシの予報を同様視することがまったくもって分りません。
本当に無線があれば、低気圧はどこにどの強さでどの動きで、って話せたでしょうに…。
ご指摘のサイトで後ひとつ気になったのは、前日(15日)行程について。ヒサゴ沼にはいったい何時に到着したのでしょう。まさか…本当に夜なんでしょうか。それだけはさすがにないと信じたいのですが…
じつを言いますと、紹介したサイトが重要だということは一読して理解できたのですが、天気図についてはからっき知識がなかったため、今一深く理解できなかったのです。
それで、山を知る人は天気図もモノすると思い出し、参考資料として紹介したのでした。
それから、ヒサゴ沼避難小屋にパーティが到着したのは午後2時だったようです。9時間歩いたそうです。
北海道大雪山系 トムラウシ山 大量遭難を考える。 今回の事故について戸田新介様のご意見 と 幾つかのご回答
http://subeight.wordpress.com/2009/07/31/mr-toda-text/
yさんの考察、ちょっとだけ解説をしました。
戸田さんの文を読みました。
もう、なんと言ってよいか。