2009年08月04日

トムラウシ山遭難事故に思う14+α+α

トムラウシ山遭難事故に思う14+α+α

またもや Yさんが、素晴らしい考察をしてくれました。
コメント欄に埋もれてしまうのは、もったいないので
検索にひっかかりやすいように、ここに紹介します。
原文は、以下のサイトにあります。

http://kaze3.seesaa.net/article/124752705.html#comment

以下、Yさんの考察ょり抜粋。


■1.戸田様のコメント
(以下、略)

■2.天気図の変化からの把握
(以下、略)

■3.気象衛星からの把握
(以下、略)

■4.アメダスからの検証
(以下、略)

■5.地形的な検証
(以下、略)

■6.総括
天気からは、小康期(この間に出発した)を経た後、
一時的な冬型気圧配置となり、寒気を含む
冷湿なオホーツク気団がトムラウシ連峰目掛けて、
真正面からぶつかったということで間違いないかと思います。
時期的にオホーツク高気圧及びオホーツク気団は、オホーツク海北部に居座って
いるはずです。それらが北風によって流れ込んだと思われます。

ところで、subeight様経由で、以下のブログに行きますと、
http://snowmania7.blog38.fc2.com/blog-entry-56.html
旭川の天気予報は回復傾向、降水確率低下、でよくある天気だった、
との表記もありますが、少なくともトムラウシ登山の条件としてかなり
良くなかったのではないかと思うのです。(特に寒気、風向)


他の遭難者も出ているところを見ますと、
2つ玉低気圧発生時、大雪山系は特に
気をつけて行動する必要があると思います。


また、類似気圧配置である、2002年7月12日を考え合わせると、
閉塞低気圧がオホーツク海で発達した場合、発達度合が
それ程ではなくとも、オホーツク海を低気圧が
抜けるまではトムラウシを中心とした大雪山系では、
絶対に動いてはいけないと言う仮説が立てられます。


より専門的な方に検証頂いて、もし本当にそうであれば、
「一人でも多くの登山者にどんな気圧配置が危ないかを分って頂ければ」
と思うのです。

これは地形的なものもあって、旭川−富良野の盆地に北西方向から
風が吹き降りた場合、十勝トムラウシに風が当たって、
「きわめて低い温度で凝結した雨交じりの嵐になる」からだと思われます。

(略)

以上が、Yさんの考察です。改行と強調は、私が行っています。
で、重要なことは、Yさんが述べる、以下の3行ですね。

>天気図を伝える手段がヒサゴ沼等に設置される事を望みます。
>天気予報に囚われ、天候が回復する見込を持ってしまったからこそ、
>今回の悲劇はより助長されてしまったようにも感じます。


やはり、天気図を伝える手段がヒサゴ沼にほしい。
これは、本当にそう思います。
北アルプスにあるような、ソーラー式の衛生携帯公衆電話を置けないものか?
あと、ガイド会社は、衛生携帯か無線を必携にするとか。

悪天候の中、ガイドさんが、どんなに御客様のために頑張っても、
最初に判断ミスがあったら全てが無駄になりますから
やはり、天気図を伝える手段がヒサゴ沼にほしいですね。

つづく。

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posted by マネージャー at 13:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 登山関係の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マネージャー様

コメントを取り上げて頂き本当にありがとうございます。感謝の言葉もございません。 すごくありがたいです。

今回も書き終わってみれば長文で…何だか申し訳ありません。もうちょっと短くまとめたいのですが、その辺りの能力が足りなくて…それについては申し訳ありません。また、マネージャー様の考察をなぞっているような文章であることも併せてお詫びしておきます。

私は山屋にはなれなかった人間で、でも山に触れる中で山屋の方と一緒に昇らせてもらったり、色々な考えは学ばせて頂いたかと思っています。
その中で、「山屋」の方は「捨てる」事について徹底されているなと思っておりました。「捨てる」と言っても、山の為に色々な「無駄」を捨てると言う意味で、より良い条件での登頂及び下山を第一にした「合理的思考」に長けている印象があります。

今回の遭難事件、天候も要因のひとつではあるのですが、今回の遭難の要因には、
1現地判断(ガイド)のミス
2組織のミス
3天候
の三要素が複合して絡み合っているとは思いますが、今回、8人死亡のうち何人かの死因の一つには、ヘタカル様提唱の「熱収支の悪化に伴う低体温症」があり、1次要因として、天候条件と天候に関する判断ミス、その2次要因として、気象状況における情報不足及び情報不足に伴う判断ミスがあった、という事が、おぼろげながら判ってきました。

一方主催(アミューズ)側のミスやおかしい所については、ツアーの優先順位が絞りきれていない様に見受けられるのは気のせいでしょうか?
極端に言えば、何も捨てれず、参加者の命を捨てた。(様に見えます)
1.行程を捨てれず、救助や予定変更のコストを捨てれず、
2.体調の悪い人を(最初の日に避難という言う意味で)捨てれず、
3.体調の悪い人への付き添いと言うことでのガイド人員の融通を捨てれず、
(2.3については手遅れになってから要救助者、ガイドの命もろとも捨ててしまいましたが)
4.結果的にこの時期としては(恐らく)究極の悪天候にツアー全体を、寄集め大人数、体調不良者つきで放り込んだ。
5.最終日に、最後に安全に替えて捨てたのはテント二貼り(後からのツアー客に残した?)。

結果としては天候条件もありますけれど、8人の命が失われて…
言葉は悪いのですが、主催側はお金を惜しんで、安全を捨て続けて、結局大勢の命を捨ててしまった。

私が思うには、ガイド及び会社にとって、ツアーの目的が何なのか、その優先順位が何なのか、絞りきれていない上に、順位がおかしい。
「安全第一」ではなく、もしかすると1、お金、2、段取り(行程)≒登頂、3、安全位の優先順位だったのかなと。全部が揃う条件なら問題ないですが、全部は取れないですよ!と言う今回の様な時に、優先順位が低いもの(安全)から犠牲になってしまった。という感じで、効率的ではあっても合理的じゃない。

■さすがに当日(16日)は
http://idora.tumblr.com/post/147382784/
>A出発時のガイドの判断は?
(真鍋さん)「きょうのぼくたち(ガイド)の仕事はみなさんを無事に下山させることだと言った。
との事で、安全に対する認識はあるようなのですが、「前日までは?」と思うのは傍観者の意地悪なのでしょうか。

でも、その期に及んでも、
1.天候判断は情報不足で間違い(やむをえない面はありますが…)
2.テントは一貼り、一般用(ツェルトは何と参加者から借りた)
3.途中で停滞し、低体温者を続出させた。
と言うことでミスが連発してしまいます…。

■今回は気象条件が、考察、検証の通りとするならば、行程の最終日についても、1、お金、2、段取り、3、安全というその「すべて」を捨てなくて良い希望を抱かせてしまった可能性はあります。
でも、実際は天気予報は上り坂でもトムラウシの天候は垂直落下に近い下り坂でした。
その事実は8人死亡と言う因果関係において大事ですし、その点はデータ的にも解明したいと感じて、ある程度端緒は掴んだかと。
でも、だからと言ってツアー会社、ガイドとも免責ではない。

また、14+αで申し上げた対策がヘタカル様の仰るように太陽電池を用いた衛星電話などでとることができれば、曲がりなりにも最悪の結果の回避の可能性はあったと思います。ですが、私が指摘した天候条件は、仮に全てにおいて仮説が正しかったとしても、あくまでも「最悪の結果」への決定的な一押しにしか過ぎない。
■ガイドは先述した優先順位に基いてという事であれば、実に一生懸命だったと思います。
優先順位がずれている時点でマネジャー様の仰る「ガイドではなく、ポーター」なのですけれども、それでも、お金にも行程にも、「最後に」安全にも、一生懸命だったと思います。
ですが、その安全を後回しにしたツケが最後に一気に回って来た、とも思えます。
■打てる手を打ってそれでもトラブルは起こることはあります。
でも、今回は打てる手をほぼすべて打たず、考えうる最悪のパターンに陥っている。
気象で判ったのは最悪の事態が起きたということだけで、それらに対する備えもなく、むしろそうなった場合に全てを破綻させるかのような状態…。
■そのように考えると、今回のアミューズ及びスタッフは、元々山を嘗めているか、ツアーの優先順位が元々違う…とも思えます。もっと言えば山に対するコンセプトが何だか違うと感じます。
ガイドの資格は持っていても、「山屋」の合理性を感じないのです。 

気象と違って主観的な話ですが、どういった基準で判断を下していったのか、ガイド側からの情報も知る機会があればと思います。
Posted by Y at 2009年08月06日 02:24
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