つづきです。
私は、江戸時代の旅と、現代の百名山の危険度は、ほぼ同じくらいだと考えています。ひょっとしたら百名山よりも、江戸時代の旅の方が危険かもしれない。
実は、根拠があります。
私は昔、1990年頃利尻グリーンヒルユースホステルという宿に泊まって、利尻山に登ったことがあります。そのユースホステルでは、
利尻山に登って、
利尻島一週55キロメートルを歩く
のが流行っていまして、それにチャレンジしたわけですが、利尻山の登山は、たいしたことなく登れました。
といっても、ただ普通に登ったわけではありません。
海抜ゼロから頂上を制圧するために、
海岸に足をつけてから登りますから
コースタイムは13時間です。
もちろん団体登山です。
といってもユースホステル側が、
ガイドしてくれるわけではありませんから、
私が隊長(ツアーリーダー)となって、朝4時に出発しました。
人数は、二十人くらいでした。
平均年齢は二十歳前後。
男女比は半々でした。
そして登山経験は、私一人。なので緊張しましたが、なんとか全員脱落させることなく、帰ってくることができました。天候に恵まれたことと若さもあって、みんな元気いっぱい降りてきました。
で、翌日、利尻島一週55キロメートル完全歩行を12時間かけて歩いたのですが、これには参った。登山では、なんでも無かったのに利尻島一週55キロメートルは、地獄でした。これは、私だけでなく、参加者全員がそういってました。と、ここまで書くと、
「登山の疲れがのこってたんじゃないの?」
と言うことがいるかもしれませんが、そういう事ではないのです。
というのも、翌日に、また、私は利尻山に登ったからです。
海抜ゼロから頂上を制圧。
コースタイムは13時間です。
利尻島一週55キロメートル完全歩行より1時間多いコースです。
にも関わらず、登山では、全く問題なかった。むしろリハビリになったくらいでした。利尻島一週55キロメートルを12時間かけて歩いた時の疲れを、登山することによって取り除くことができたんですね。これは、私だけでなく、一緒に参加した人も、みんな同じ証言をしている。
信じられないかもしれませんが、本当です。
登山より平地を歩いた方が疲れる。
で、その翌日、性懲りもなく、私はまた、ユースホステルの他の御客様たちと、利尻島一週55キロメートルを12時間かけて歩いたのですよ。
今度は、アスファルトを歩かないようにしました。
土の上を歩くようにしたのですが、無駄だった。
やはり地獄だった。体に悪いと思った。
これは私だけではありません。
参加者みんな同じ発言をしている。
だから、その次の日に、また利尻山に登りました。
すると、リハビリになった。
体が楽になった。
この時点で私は確信しましたね。
「登山の方が絶対に楽である」
と。つまり、
登山→一週→登山→一週→登山→一週
と、登山3回・一週3回を、6日間かけて行ったのですが、登山より徒歩で55キロ歩く方が圧倒的に体に悪いなあと確信しました。登山は、時間がかかっても、歩く距離は短いので、足に与えるダメージも少ない。となると、百名山よりも、江戸時代の御遍路の旅の方が辛かったのではないかという気がしてきたのです。
で、それを実証するために東ヨーロッパ徒歩の旅を行いましたが、
やはり同じ結論になりました。
それについては、機会があったら述べることにしましょう。
問題は、登山であっても、平地を延々と歩くコースがあるということです。トムラウシ山遭難事故のコースは、だらだらと、やたら長いコースなんですよね。この長さから、ツアー参加者の足に、どういうダメージを与えたか?という点が気になります。
というのも、利尻島を徒歩で一週すると、途中で動けなくなる人もでてくるからです。そういう人は、頭に熱をもつていたりする。で、タクシーを呼んだり、路線バスの力をかりたりする。しかし、そんな彼らも利尻山なら脱落せずに登れた。
つづく。
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利尻岳に登ったことも、島を一週歩いたことも知っていましたが、
6日連続交互にやっていたとは・・・
それに憧れて浜中から厚岸まで歩いたんですけど…
距離は忘れましたが、10時間くらい歩きました。
平坦な道は確かに大変でした。
元気だったんですね。
利尻岳って13時間か。。
いつか行こうと思ってたけど、無理っぽいなぁ。
>いつか行こうと思ってたけど、無理っぽいなぁ。
ああ、大丈夫です。その半分のコースタイムで楽に上がるルートもあります。沓掛コースです。車で5合目まで行けます。オシドマリコースでも、甘露泉まで車でいけば、時間は短縮できます。あと、避難小屋もあるので、山中1泊も可能です。
私たちが13時間かかったのは、ユースホステルのある海抜ゼロから山頂を往復したからなのと、全員が登山初めてだったために、これで登山嫌いにならないように、一人の落伍者も出したくなかったために、ゆっくり歩いたからです。
長官山の先の避難小屋あたりで気分が悪くなって、そこでやめました。
海岸線と海に浮かぶ船が絵のようで感動しました。
途中で引き返すのが得意ですが、2度3度登った山もあります。
雌阿寒岳とか羅臼岳とか。
羅臼岳はまだ知床峠が無い頃、ウトロから2度登りました。
これはアスファルトだろうが、土の上だろうが
平地のほうが固い地面を歩くから疲れる!
というのもあると思いますが・・・。
硬い地面は膝への負担が大きい!というのはプロのスポーツでも
言われていることですから。
ちなみに、体重を落とすのも膝への負担を減らす
ためには有効らしいですよ♪