つづきを書く前に
一言、言っておかねばと思いました。
トムラウシ山遭難事故で、宿泊キャンセルが相次いだらしいですが、
これには私にも責任があると思いますので、一言言っておきます。
トムラウシ山は、無理さえしなければ、
そんなに危険ではありません。
剣や槍や妙義のような岩場はないし、
富士山みたいに空気が薄いわけではない。
私自身、小学生と一緒に登っているし、
初めて登山する人達を数名率いて縦走したこともありました。
天候が良く、装備が完璧で、日程にゆとりがあれば、
たいして難しい山ではありません。
■食料について
食料は、ジフィーズだけに頼っては、だめです。カップ麺やナッツなどの塩けのあるものと、バーム・アミノバイタル・蜂蜜などのアミノサプリと、ブドウ糖・チョコレートなどのエネルギー源が必要です。(賛否がありますが私は小量の酒を持っていくことをすすめます。私は100ccくらいを持って行ってます)
■装備について
テントは、エアライズを使えば、たったの1.3キロです。これがあれば、たいていの所で停滞できます。ツエルトは、0.5キロ近くあるので、ツエルトを持っていくくらいならエアライズの方がいいと思います。
防寒は、フリースが良いです。思い切ってシェラフを廃止して、フリースの上下を持っていく手も考えてもいいでしょう。ただし、3レイヤーのシェラフカバーは必携です。他に登山用のシャツとしてウール素材のものもいいですね。スボンは、私はストレッチジーンズを履いていますが、やばそうな時は、ウールのパンツをはいていきます。ウールのパンツは、ぬれても冷たさをかんじません。あと雨具も防寒着になります。雨が降らなくても防寒着として活躍します。ポケットが無いと軽くて安くて浸水しにくい雨具になります。もちろんゴアテックスです。
下着は、綿は絶対にダメ。ポリエステルなどの速乾性のあるもので、できれば、ブレスサーモとマイクロファイバーというぐあいに性能の違うものを持っていくとよいです。私は、登山中はクロロファイバーをよく使いますが、寝るときは、ブレスサーモで寝ます。そしてクロロファイバーを夜のうちに乾かします。オーロン・ダクロンは、臭くなりやすいので私は使っていませんが、汗をかきにくい高齢者には、ブレスサーモよりいいかもしれません。
これは、どういうことかと言いますと、行動中は、速乾性を重視し、就寝中は、保温性を重視するということです。ただし、下着の性能は、各人の状態によって個人差があります。ブレスサーモが、ダメという人もいますし、マイクロファイバーが、ダメという人もいます。皮膚がやられたり、汗をかかないために保温効果がでなかったりするので、山に行く前に実際に着てみて本人が確認してみないとダメです。
ザックは、最新型のものは、本当に良い物が多いです。軽いザックが良い人は、よけいな物がついてないものなら、軽いザックになります。ポケットや何やらが付いていると、重くなります。但し、今はザックカバー付のザックがありますので、この場合は、多少重くてもザックカバーの携帯が不要なので総体的に軽くなっていますし、ザックの容量もそれだけ広く使えます。
靴も軽くて良い物がでてきました。靴だけは、一般論ではかたずかないので登山ショップでアドバイスしてもらってください。最近はゴアテックスの靴も多くなりました。しかし、ゴアの靴は、一度ぬれると、とてもやっかいです。ゴアのスパッツで濡れないようにしてください。そして靴下は、金をかけるべきところで、ウールの良い物を履くと、足が濡れても全く気になりません。また、乾きもよいです。そして疲れにくい。最近は、衝撃吸収剤を使ったソールがあり、それだと膝が痛まないので下山が楽になります。
■登り方について
トムラウシ山は、コースタイムが長いですから、早朝の出発が良いでしょう。日の出の前くらいに宿を出るのがベスト。私なら薄暗い頃に出ます。そして出発前には、かならずバーム・アミノバイタルを飲む。そして食事とは別に、4時間おきにバーム・アミノバイタルを飲む。最初の30分が一番きついですから、最初は、ゆっくりめに出発すると良いでしょう。そのうちペースがつかめます。登りは、大食いを避け、小まめに食事と水をとります。水のかわりにバームウォーターを飲むと、かなり楽に上れますよ。休憩中は、地図とコンパスで位置を確認すること。そして等高線を見ながら次の作戦を考える。頭を使うことも体を疲労させないコツです。
■最後に、
トムラウシ山は、決して難しい山ではありません。
天気さえよければ、ファミリー登山も可能な山です。
悪天候を無理して登るから事故になる。
あと、登山で楽しいのは
計画と準備ですよ!
いろいろ作戦をねるのが楽しいのです。
自分で調べて登山ショップでアドバイスをもらい
ギアを買いそろえつつも本番前に
いろいろ実験する楽しみくらい愉快なものはありません。
こんなに楽しいことを人まかせにしてはなりません。
汗かきの人と、汗をかかない人では下着の選び方が違いますから。
つづく。
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これを選んでいるときがけっこう楽しい♪
ショッピング好きな人の気持ちが多少分かります。
あと、天気にもよりますが登山中は「景色を眺める」
という究極の楽しみがありますよ!
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20090816-567-OYT1T00077.html
北海道・大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)で先月16日、東京の旅行会社が企画した縦走ツアーの参加者ら18人が遭難、計8人が凍死した事故で、同行ガイドらは当初、風雨をしのぐためのテントもなく、低体温症で動けなくなったツアー客と山頂付近でビバークしていたことがわかった。
テントを装備していない。まったくもって遭難してくださいということですね。
情報ありがとうございました。
レスは本文で。