南木佳士の小説を原作とした
日本映画がありましたよね。
http://www.amidado.com/01kantoku.htm
パニック障害を病んだ妻を連れて帰郷した夫と、
阿弥陀堂を守る老女との交流を描いた話です。
北林谷栄が第26回日本アカデミー賞助演女優賞を、
小西真奈美が新人俳優賞を受賞、
第56回ヴェネチア映画祭でも「緑の獅子賞」を受賞するなど、
世界中で高い評価を受けた映画です。
良い映画でしたが、あれ、
嬬恋村が舞台なんです。
長野県が舞台ではありません。
まず、原作者の南木佳士さん、
この人からして嬬恋村生まれなんですよ!
南木佳士は、ペンネームですが、
『南木』
というのは、浅間高原(鬼押し出し付近)のことを言うのですよ。
つまり、このへんが南木なんです。
決して長野県飯山市の話ではありません。
群馬県嬬恋村三原の話です。
万座鹿沢口駅のそばの話です。
万座鹿沢口駅から徒歩7分のところが舞台です。
で、これが本物の阿弥陀堂!
原作者の南木さんの生家は、
ここから徒歩1分のところにあります。
つまり、作者の遊び場であったわけで、
作者の祖母も、ここで眠っています。
場所は、てんぷら中居屋のあたり。
明治屋旅館から徒歩2分のところにあります。
(奥さんは、明治屋の娘さんでした)
そして、そのそばに、
南木佳士さんの生家があります。
ちなみに原作者の南木佳士さんは、芥川賞作家です。
それも4回も候補になり、
1988年に「ダイヤモンドダスト」で第100回芥川賞を受賞しています。
1982年、「重い陽光」で第87回芥川賞候補。
1983年、「活火山」で第88回芥川賞候補。
1985年、「木の家」で第92回芥川賞候補。
1986年、「エチオピアからの手紙」で第94回芥川賞候補。
1988年、「ダイヤモンドダスト」で第100回芥川賞受賞。
2008年、『草すべり その他の短編』で泉鏡花文学賞受賞
2009年、『草すべり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞
作家でありながら、臼田の佐久総合病院の医者でもあり。
若月俊一の伝記も書いています。
映画の方は、以下のスタッフ。
監督/脚本:小泉堯史
音楽:加古隆
エグゼグティブプロデューサー:原正人、椎名保
プロデューサー:柘植靖司、桜井勉、荒木美也子
キャスト
上田孝夫:寺尾聰
上田美智子:樋口可南子
幸田重長:田村高廣
幸田ヨネ:香川京子
助役:井川比佐志
小百合:小西真奈美
中村医師:吉岡秀隆
おうめ婆さん:北林谷栄
南木佳士(霜田哲夫)
昭和26年10月13日、群馬県吾妻郡嬬恋村三原大字川原に生まれる。
祖父は。草軽電鉄の運転手。
3歳のときに結核で母親(教員)を失う。
父親の再婚と仕事の都合で、祖母と姉と3人で三原で暮らす。
中学2年生の春に、父親の転勤について上京。
保谷市立保谷中学校に転校。
昭和42年都立国立高校入学。
昭和46年秋田大学医学部に入学しました。
昭和52年、嬬恋村に近い長野県南佐久の臼田にある佐久総合病院内科に勤務。
佐久総合病院は若月俊一氏による地域医療を主導した超有名な病院。
研修2年目の4月に、実家隣の旅館(明治屋)の娘と結婚。
昭和60年、軽井沢病院内科医長として一年間出向。
芥川賞を受賞したダイヤモンドダストは、軽井沢病院が舞台。
平成元年に「ダイヤモンドダスト」が第100回芥川賞を受賞。
平成2年パニック障害になり、うつ病になる。
この体験が、「阿弥陀堂だより」のもとになる。
つづく。
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申し訳ないけど、この作家さんも知らなかった〜
佐久総合病院がとても有名だってことは知ってたのですが、
その関係者が阿弥陀堂だよりを書いていた
なんてことは知りませんでした。
予告を以前見たことがあって、
ちょっと見てみたいなぁ〜って思っていたのですが。
おばやんが出ているんですね。
いい女優さんですよね。
いい映画でしたね。
しかし、本当は、嬬恋村が舞台だったとは!
おうめ婆さんが、「夜、川の流れる音を聴きていれば、夜眠れなくても眠ることができます」(だったかな?)と、話していたのが印象に残っています。
この引用(?)だけじゃ分かりづらいかも知れないので、やはり、未見の方には、ぜひ観ていただきたいですが。
村で生まれ、村で育ち、体が弱かったので、嫁に行けず、今、阿弥陀堂を守りながら、村に根ざして生きている、おうめ婆さんが愛しくなるし、彼女の存在に心を和らげていく人々の姿が何とも言えませんでした。
せっかく、いい映画が撮影されているのに、観光資源としてPUSHしないなんて、もったいないですねー。
阿弥陀堂、今度行って見たいです。
ささーさん
>この作家さんも知らなかった〜
映画より作家の書いた何冊かの本の方が面白いです。というのは、嬬恋村・軽井沢・佐久がジャンジャンでてくる。たまに秋田の話も出ますが、それは、秋田大学の学生だったからですね。つまり、私小説なんですよ。ほとんど実話。だから迫力あります。そして、この話は、嬬恋村を知らないと、知ってるとでは大きく違ってきます。
嬬恋村では、自殺が多い。珍しくない。鬱も多いです。近親結婚が多かったからと言われています。そういう村の状態を知っていると映画が倍面白くなります。本家の阿弥陀堂も知っていると映画が面白くなります。
映画をみたんですね。だとすると本家の阿弥陀堂に行くとびっくりします。あまりにも映画と違いすぎるから。本物の阿弥陀堂は、もっと村の中に溶け込んでいます。鎌原観音堂みたいに村に溶け込んでいる。映画の阿弥陀堂のように村はずれにあるわけでない。むしろ街中にある。そして老人たちのたむろする場所だった。しかし、この阿弥陀堂は、いまは廃墟化しています。理由は、目の前に立派な公民館が出来たからでしょう。駐車場つきの公民館が阿弥陀堂にとってかわってしまった可能性があります。そのへんを頭に入れつつ、今度、嬬恋村に来たときに見学なさっては、いかがでしょうか?
あと原作を読むと、もっと面白くなると思います。作者は、佐久の病院でパニック障害になり鬱になったんですよ。佐久病院は長野県の田舎ですが、その田舎で鬱になった。長野で鬱になった。それを癒したのは....?
ずっと長野県飯山方面が舞台と思っていました。
映画自体の撮影は飯山方面で行われたと思いますが、
元々は嬬恋村が舞台だったんですね。
今度訪ねてみます。
でも、飯山のロケ地の阿弥陀堂付近の棚田のある風景も
いい所だと思います。
以前、残されたロケ地の阿弥陀堂で、
30分ぐらいのんびり風景を眺めていました。