イトウさん、
>元々は嬬恋村が舞台だったんですね。
そうなんです。映画では都会に疲れて鬱になって
田舎に癒される話なんですが、実は全く逆なんです。
医学部を卒業し、信州の田舎にある佐久病院に努めて、
あまりにも多く老人が死んでいくために、鬱になりかかる。
それで、原作者は軽井沢病院に出向し、そこで癒されるんです。
実は、軽井沢と嬬恋村は、繋がっていて、軽井沢には、原作者の友人知人がいっぱいいた。旧軽井沢は、昔は貧しい村で、炭焼きでしか生活が出来ないところで、その旧軽井沢の炭焼きばあさんが、作者の生家(嬬恋村三原)の近所に住んでいたりする。
だから、原作者の南木さんは、軽井沢に偏見をもたなかった。
だから佐久病院からの出向に応じたんですね。
しかし、佐久病院の地域医療に対する理想に燃える医師団たちは、
軽井沢に対して偏見に満ちており
「お金持ちの診療なんかできるかよ!」
と軽井沢病院の面倒なんかみないという剣幕だった。
しかし、嬬恋村出身であり、昔の軽井沢をよく知っていた
原作者の南木さんは、進んで軽井沢病院への出向を希望します。
そこで、嬬恋村の昔の知り合いに、よく出会うんです。
ただ、佐久病院から出向してきた若い同僚の医師は、
女子高校生の膣から抜けなくなったコンドームの取り出しや、
都会から来た自殺未遂の若い女性の治療なんかに嫌気がさして、
軽井沢なんか嫌だ。
佐久病院に帰って
地域医療を真面目にやりたい
と怒ったそうです。
そういう同僚を尻目に、作者は、軽井沢病院の裏の小川で、イワナ釣りやカジカ釣りを楽しみ、自殺未遂の若い女性に、君が死のうとした旧軽井沢の場所は、貧しい炭焼きの老婆が一生懸命生活した所なんだよ。その老婆と私は子供の頃から知ってるんだと言い聞かせたりするのです。
『阿弥陀堂だより』の原点は、
こんな体験の風景の中にあったんですね
そういう背景を知ると映画は、もっと面白くなります。
佐久病院・軽井沢・嬬恋村。
これを理解して、飯山にいくと面白さが倍増すると思います。
つづく。
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あったかい話ですね。
軽井沢の現実と佐久の現実が日本の縮図みたいな・・・