これは写真ではありません。
絵です。
最近、テレビで紹介され、
全国に前代未聞のインパクトを与えた無名画家・犬塚勉の絵です。
たった38歳で谷川岳で絶命した山男の絵です。
1989年
「水が描けない、もう一度水を見てくる」
と言い残して谷川岳で帰らぬ人となった絵です。
そして、この犬塚勉の絵は、東御市の梅野記念絵画館で
展示されています。
http://umenokinen.com/modules/cicoCal/index.php?action=View&event_id=0000000795
何気ない草むら、石だらけの尾根、風雪にさらされたブナの幹。
そこにひそむ自然の息吹を、
全身全霊で感じとって絵にしたい一心で、
山に登り続け、38歳で絶命した伝説画家、犬塚勉。
奥多摩に住み、小学校や中学校の美術教師をつとめながら、
学校の美術準備室をアトリエに作品を描き続け、
没後20年を機に何度か展覧会が開かれて以来、
静かな話題を呼んでいます。
彼は言います。
風というものは、飛ばされんとする体をピッケルで、やっとの思いでささえながら山に登った、それが風であると。また、「おれは、一本のブナの木であり、一つの石である」と。彼は、体を鍛え、自然食を口にし、身心を鍛え抜いた飾り気のない人間になって、ようやく草や木が描けると考えていました。自然と一体となったときに初めて感じられる命をとらえようと、何十回も登山や沢登りを繰り返して自らを突きつめました。
美術館には、大勢の見物客がいましたが、涙しながら絵を見ている人もいれば、技法を熱心に研究している者や、瞑想している人もいました。そして熱心にビデオを見ている人もいました。
展示は、今月の15日までです。
よかったら出かけてみてください。
東御市梅野記念絵画館・ふれあい館
〒389-0406
長野県東御市八重原935-1芸術むら公園
TEL:0268-61-6161
FAX:0268-61-6162
つづく。
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今週末、天候が回復したら、観光程度に谷川岳ロープウェイで行ける辺りまで行く予定なんですが、心して、谷川岳のほんの一部ですが、立ってこようと思います。
ちょうど、嵐山光三郎さんの『追悼の達人』という本を読んでいて、宮沢賢治が追悼により発掘された無名詩人という項を読み終えたばかりです。
宮沢賢治もまた、死して後、名をなした詩人であり、童話作家でしたね…。
「純粋な精神が宿っていた。感動にふるえ、涙が出た」
と言ってますが、誰からも見向きもされなかった犬塚氏の作品を世に出した館長の功績は大きいですね。
>『追悼の達人』
あの分厚い本をよく読みましたね。