アニメや漫画を憎む人は大勢います。
特に子供をもつ親ほど憎む。
理由は、
「バカになるから」
というのが大半です。
しかし、それは見当違いであることが、現在では脳科学者によって証明されています。漫画は、人々をバカにするどころか、人間の知能を飛躍的に高めるということが、脳科学の立場から言われ始めているのです。その代表格が『バカの壁』で有名な養老孟司さんです。
dogはドッグで別な読みはありません。
catもキャットであって、catをドックとは言いません。
1対1が原則なのです。
これは、カタカナやヒラガナと一緒ですね。
しかし、漢字はそうではありません。
例として「重」という漢字をあげてみましょう。
中国語としての「重」には音声は1つしかない。
これは英語と一緒ですね。
脳の「角回」しか使ってない。
しかし、日本語では「じゅう」「ちょう」「おも」「かさ」「え」という多くの読みがあります。つまり脳の「角回」では読めない。で、左側頭葉後下部(つまり言語中枢)を使わざるをえないのです。
さて、マンガの話しです。マンガは脳を刺激するという話しです。
マンガには、漢字の「重」と同じような表現があるんです。
つまり1対多の表現です。
と書いても分かりにくいでしょうから、
画像で例をあげてみましょう。
これは、高橋留美子原作の「うる星やつら」に出てくる登場人物です。
錯乱坊という坊主なのですが、ルビに「チェリー」とふってある。
しかし、別の場面では、餓鬼入道だったり、おじうえだったりする。
「重」という漢字と同じように、いろんな表現がある。
つまり脳をフル回転せざるをえない。
となると脳の「角回」では読めないわけで、
左側頭葉後下部(つまり言語中枢)を使わざるをえない。
似たような例として
「殺(やって)やる」
という表現がマンガでよく使われますが、
殺すという意味ではありません。
叩きのめすという意味です。
これも「重」という漢字と同じようなケースになります。
ルビによって別の意味をもたせられる。
しかも、画像とあわせて、高度な意味をもたせられる。
結果として、脳を高度に使用するわけです。
また、こんな表現方法もあります。
そのまま「生死をさまよっている」という意味にとらえそうですが、ちょっと違います。たんなる風邪のシーンに使われているのです。たんなる風邪のシーンに使うことによって別の意味をもたせるわけです。
けれど「黄泉行」という言葉自体が難しい。
普通の小学生には分からない言葉です。
にもかかわらず使用しているわけですから、
かなり高度な表現と言えましょう。
でも、このマンガは、『みなみけ』というギャグマンガなんですね。
低劣と評価されやすいギャグマンガが、高度な表現をつかっている。
こうなると「角回」では処理しきれず、
左側頭葉後下部を使わざるをえない。
結果として、脳をフル回転せざるをえないのです。
ところで話しは変わりますが、去年、国会図書館で調査するために代々木ユースホステルに数泊したことがありましたが、そこで偶然にも日本文学を研究しているアメリカ人に出会いました。これが凄い人で、日本語ペラペラなうえに、スペイン語・フランス語・ドイツ語までできる天才でした。さらに日本の江戸時代の古文まで読める。さすがに古文書は無理でしたが、かなり難しい文章を読めるのです。しかも25歳くらいの若さで。こういう人を天才というのだろうと絶賛したのですが、彼女の答えは違っていました。
「マンガとアニメで日本語を勉強しました」
「はあ?」
御存じの通り一般的なアメリカ人は、外国語をしゃべりません。世界中で英語が通じると思っていますから外国語を勉強しないのです。しかし例外もいます。マンガを読みたいと思っているアメリカ人たちです。私は「どうして、そんなにマンガが読みたいの?」と聞きました。
つづく
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錯乱坊はいいですね。
関係のないところで唐突に出てくる
事が多いんですが、そのタイミング、セリフが絶妙です。
他にも、新潟生まれの漫画家として、井上多美子・宇田学・うたたねひろゆき・岡村賢二・小川悦司・小越なつえ・小畑健・片山愁・叶精作・工藤郁弥・熊倉裕一・桑田乃梨子・古泉智浩・近藤ようこ・斉藤富士夫・佐藤純也・しげの秀一・新沢基栄・高野文子・高橋亮子・たかもちげん・高山裕樹・寺田ヒロオ・堂上まさ志・魚喃キリコ・猫山宮緒・花見沢Q太郎・聖悠紀・藤島じゅん・藤田和子・魔夜峰央・八神ひろき・安田弘之・山田芳裕・渡辺祥智なんかがいますね。