2010年7月19日撮影
本白根山ハイキングツアーにて
イワシャジン(岩沙参)
一見するとツリガネニンジンに似ていますが、イワシャジン(岩沙参)です。キキョウ科ツリガネニンジン属です。シャジンは漢字で沙参と書き、ツリガネニンジン(釣鐘人参)の漢名。またはその根の生薬名です。ツリガネニンジンは山間の平地でみらますが、こちらは、本白根山などの岩場に見られるのでイワシャジンとなったらしいです。
ツリガネニンジン属には、この他にイワシャジン・ソバナなどがありますが、判別は簡単です。まず、ガクが反って、とんがっていれば、イワシャジンかツリガネニンジンのどちらかです。ソバナは、ガクが反っていません。
で、あとは葉っぱで区別します。ツリガネニンジンの葉っぱは、1ヶ所から放射状に生えているのに対して、イワシャジンは細い葉が交互にはえていますね。これで区別します。
コマクサ(駒草)
ケシ科コマクサ属の多年草。日本では北海道から中部地方の高山帯の砂礫帯に分布している。常に砂礫が動き、他の植物が生育できないような厳しい環境に生育する事から、明治時代の文士で放浪の作家と言われた大月桂月が北海道の大雪山で初めてこの花に逢って感動して
「高山植物の女王」
と呼びました。コマクサの名前の由来はその花の形が馬 (駒) の顔に似ていることが由来となっています。
ちなみにコマクサは高山植物の中でも先駆植物として、何も生育していない厳しい環境の土地に最初に根づく植物として重要な役割を担っています。その土地の養分が豊かになると、やがて他の植物に譲り、別の土地に移転しなければならない過酷な運命を背負っています。他の植物が生育できないような砂礫地に生えるため、地上部からは想像できないような50〜100cmほどの長い根を張ります。
ちなみに昔は、花の美しさよりも薬草としての価値が高く、古くから腹痛の妙薬として知られていた。しかし、実際のところは全株が有毒。ディセントリン、プロトピンなどを含み、中毒症状としては嘔吐・体温の低下・呼吸麻痺・心臓麻痺がみられる。
キンレイカ(金鈴花)
一見するとオミナエシにそっくりなのですが、葉のつきかたや、花の形でキンレイカ(金鈴花)ではないかと思われます。ただし、キンレイカ(金鈴花)もオミナエシも、本当によく似ているので、区別はつけがたいですね。
キンレイカ(金鈴花)はオミナエシ科オミナエシ属。花期は7〜8月で山地の岩場などに生育。本州(中部地方以北)、九州に分布する多年草。ハクサンオミナエシの変種で花冠はハクサンオミナエシよりも、やや大きく 直径は7mmほどで、長さが3mmほどの距があります。生育地は、母種のハクサンオミナエシは日本海側に多く見えるのに対し このキンレイカは太平洋側に多く見れます。
オトギリソウ(弟切草)
オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年生植物だと思いますが、この写真だけだとちょっと自信ない。間違ってたら誰か指摘して。この草を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺したという平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も「怨み」「秘密」と縁起が悪い。基本的には薬草であり、タカノキズグスリ(鷹の傷薬)、チドメグサ(血止め草)などの悪いイメージのない異名も持つ(同様に民間療法で傷薬として使うチドメグサは別種に存在する)。
タカネニガナ(高嶺苦菜)
平地に生えるニガナの変種で、亜高山帯〜高山帯の岩場に生える多年草。茎は高さ5-15pと小型で、枝を分ける。頭花は体の割に大きく直径2pほどで、日が差さないと花を開かない。舌状花は8-10個あり鮮やかな黄色である。屋久島・四国・本州・北海道の亜高山帯〜高山帯の砂礫・岩礫地に生育します。茎は細く、高さは10〜20cm。花期は7〜8月で、枝先に黄色い花を数輪つける。花弁は9〜10枚。
ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)
ツツジ属シャクナゲ亜属の低木。北方性のシャクナゲで、北海道・本州・四国と朝鮮半島北部の亜高山帯から一部はハイマツ帯まで分布する。樹高は、亜高山帯では3mほどにもなるが、ハイマツ帯では環境が厳しいため50cmにも満たない場合がある。花は白から淡い紅色で、内側に薄い緑色の斑点がある。亜高山帯の暗い針葉樹林内を彩る代表的な花である。葉の裏が白いので簡単に他のシャクナゲと区別できます。
つづく
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ラベル:本白根山の高山植物 その2
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