2010年07月24日

北軽井沢ブルーベリーYGH10周年 6

北軽井沢ブルーベリーYGH10周年 6

 マネージャー(ペアレント)養成講習会に出席しろということは、一縷のチャンスがあるということです。しかし、マネージャー(ペアレント)養成講習会に出席してみたら驚くべき事に、鹿沢リゾートホテルの支配人が、いました。

 北軽井沢から2施設の宿主が、マネージャー(ペアレント)養成講習会に出席しているというのは、いったいどういうことなんだ? 私は、疑心暗鬼になりました。認可されるのは、北軽井沢ブルーベリーYGHか? 鹿沢リゾートホテルか? 施設の良さで有利な鹿沢リゾートホテルに軍配があがるかもしれない。と考えると、ますます、お先真っ暗になってきたような気がしてきました。

 さらに鹿沢リゾートホテルの支配人は、ホテルの図面を持ってきていました。それを得意満面に日本ユースホステル協会の皆さんに見せて、ユースホステル認可を迫ってきていたのです。そして日本ユースホステル協会のホステル委員会の方も、大いに乗り気で、鹿沢リゾートホテルのプレゼンを聞いていました。北軽井沢ブルーベリーのユースホステル認可は、絶体絶命のピンチに陥ったのです。

 しかし、そこに助け船を出してくれたのが、日本ユースホステル協会の真田さんでした。真田さんが私を日本ユースホステル協会のお偉いさんに紹介し、
「北軽井沢でユースホステルに申請を申し込んでいる、もう一人のマネージャーです」
と強力にいってくれたのです。

 この瞬間、私には真田さんが
『神』
に見えましたね。

(今でも私にとっては神ですけれどね)

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 ホステル委員の方も、小俣部長も私をジーッとみつめてきます。
 私の顔は青ざめていたにちがいありません。
 小俣部長が私に言いました。

「佐藤さんは、嬬恋村にユースホステルが2軒あっても異存はないですかね?」

 え?
 それって北軽井沢ブルーベリーYGHは、
 認可される予定ということ?

 さっきまで永遠の闇にいたとおもった私は、
 闇ではなく日食の最中にいたのかもしれない
 と思えてきました。

「異存ないです。何軒あっても異存はないです。隣に別のユースホステルがあっても、うちとしては何ら問題はありません。私自身が大勢の御客さまを呼んでくる自信がありますから」

 認可さえしてくれれば、御客さまをガンガン呼ぶことは私にはできるという自信は、全く根拠のないものではありませんでした。というのも某ユースホステルで2年間ヘルパーしていた時に、あることを集客を倍に増やしたことがあったからです。体験プログラムも、ツアーもやらず、ただの受付と食事提供の工夫だけで、御客さまを増やすことを過去に成功させていたので、自信と確信はありました。だから、嬬恋村にユースホステルが2軒あろうが10軒あろうが、何の問題もありませんでした。

 こうして、北軽井沢ブルーベリーYGHと、鹿沢リゾートホテルの2軒が認可される可能性がでてきました。ちなみに北軽井沢ウィンデーベルユースホステルは、御客さまとのトラブルによってユースホステル契約を解約されることになったということでした。

 その後、鹿沢リゾートホテルの支配人が私のところに近づいてきて、いろいろ話をしてきました。話をしているうちに、とても素晴らしい人であることに気がつきました。

「どうして嬬恋村に来たんですか?」
「素晴らしい村だったからです」
「だよね、そうだよね、素晴らしい村だよね」
「自然は素晴らしいし、水も野菜も美味しいし、言うこと無いです」
「それが分からない奴が多いんだよ」
「は?」
「妻も子供も、嬬恋村でホテルをやると言ったら大反対でねえ」

 鹿沢リゾートホテルの支配人は、市川さんと言いました。
 市川さんは、嬬恋村出身ですが、上京して苦労をかさねたうえで
 湘南(?)でスナックや飲食店を経営されたかたでした。

 でも、歳をとるうちに美しい嬬恋村の光景が忘れられなくなり、
 故郷の鹿沢にユーターンしてホテル経営をはじめたいと思いました。

 しかし、息子娘さんたちも、奥様も大反対。
 都会を離れたくないというのです。
 孤立無援の中で半ば強引に、嬬恋村にもどった市川さんは、
 しばらくのあいだ家族たちの中で針の筵だったようです。

「嬬恋村の良さを分かってくれるひとが、ここにいて良かった」

 私は市川さんと、すっかり意気投合して深夜まで酒を飲み交わしました。
 話題は、嬬恋村のことばかり。
 初対面でしたが嬬恋村を愛するということでは、
 同志であり、心の友でもありました。

 後日談になりますが、マネージャー(ペアレント)養成講習会が終わって、鹿沢リゾートホテルに遊びに行った事があります。そして市川さんと旧交ををあたためあいました。

「鹿沢リゾートホテルはユースホステルにしないんですか?」
「やめた」
「・・・・」
「北軽井沢ブルーベリーYGHさんが頑張っているからね」
「・・・・」
「これからは嬬恋村を愛する人に頑張ってもらいたい」

 鹿沢リゾートホテルのユースホステル化は、無くなってしまったようです。ちなみに鹿沢リゾートホテルは、ホテルと言ってもユースホステルみたいなところでした。何十人もの居候がいて、ユースホステルヘルパーみたいにボランティアで働いていました。昼間はスキー三昧。15時から朝10時まではホテルの仕事を手伝う代わりに、宿泊日とリフト代は無料にしてもらっていました。その雰囲気は、ユースホステルに似ていました。

つづく

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posted by マネージャー at 08:57| Comment(2) | テーマ別雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鹿沢リゾートホテルの市川さんも、熱く北軽井沢を愛していらっしゃる方なんですねぇ。

ところで、日本ユースホステルの真田さんて、やはり、ご出身は、信州の辺りの方なんでしょうかね??
なんて、余計なところに、ひっかかっていたりして…(笑)

この後も、もちろん続きますよね?
もう完結しちゃいますか? そしたら、淋しいんですが…。

ハイシーズンに更新は大変かと思いますが、楽しみにしております。
Posted by みわぼー at 2010年07月24日 10:26
>真田さんて、やはり、ご出身は、信州の辺りの方なんでしょうかね
やっぱり、それを期待してしまいますね。
今度会ったら聞いておきます。

>この後も、もちろん続きますよね?
では、御要望に応えて、もうちょっと続けますね。
Posted by マネージャー at 2010年07月25日 02:26
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