「スペイン留学した理由は、第2外国語がスペイン語だったの?」
「いえ、違います。うちの大学には、第二外国語が無いんです」
「じゃ、独学でスペイン語?」
「はい」
「すごいねえ、よくスペインの大学の授業がわかったねえ」
「いえ、わかりませんでした」
「はあ?」
「分からないんで、単位をあきらめかかっていたんです。何いってるんだか、さっぱり分
からないので」
「だよなあ、言葉、わからなかったら、どうしようもないよなあ」
「なので試験の時も、全くあきらめていたんです」
「ふーん、じゃ、単位おとしたんだ」
「それが、隣に座っている人たちが、カンニングさせてくれたんですよ」
「え?」
「スペインの人たちは、親切なんです」
「それって、親切なのか?」
「そうなると欲がでてくるじゃないですか、あきらめてた単位がモノになるかもしれない
と」
「・・・・」
「でも、せっかくカンニングさせてもらっても、字がきたなくて分からないんです」
「・・・・」
「だから、この字は、何と書いてあると小声で聞いたりしました」
「先生にバレるだろう」
「バレバレでした」
「そりゃ声出したらバレるわ」
「声も何も、最前列なので、先生の目の前でカンニングしてますから」
「なーんや、それ!」
「先生も、親切な方ですよね」
「それって親切なのか? で、単位はとれたんかい」
「とれました」
「なんちゅう、いい加減な大学じゃ。まるで日本の大学と一緒じゃないか。で、カンニン
グさせてもらった人は、君の友だちか何かだったの?」
「いえ、全く知らない人でした。で、お礼を言おうと思ったら消えていなくなっていまし
た。こういうのって無償の行為なんでしょうね」
「おい!」
つづく。
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ラベル:神戸牛黙示録 その5
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