大正11(1922)年10月20日、若山牧水は草津から沢渡温泉へ向かう際に、暮坂峠の素晴らしい景観に感動し、『枯野の旅』を残しました。昭和32(1957)年、町田浩蔵氏を中心に、牧水を敬愛する人々が詩碑を建てました。
「枯野の旅」が刻まれた碑の上に、マントを羽織った旅姿の牧水像は、西常雄氏(新製作協会)の作品です。この詩碑は、暮坂峠のシンボルとして、訪れる人々の深い感動を呼んでいます。
こうして毎年10月20日には、牧水詩碑保存会員が中心となり、「牧水まつり」が行なわれています。この時期の暮坂峠は、から松や落葉樹の紅葉が素晴らしく、観光客にはナメコ汁がサービスされ、野趣豊かな中で、在りし日の牧水を偲びます。
枯野の旅 若山牧水
乾きたる
落葉のなかに栗の實を
濕りたる
朽葉(くちば)がしたに橡(とち)の實を
とりどりに
拾ふともなく拾ひもちて
今日の山路を越えて來ぬ
長かりしけふの山路
樂しかりしけふの山路
殘りたる紅葉は照りて
餌に餓うる鷹もぞ啼きし
上野(かみつけ)の草津の湯より
澤渡(さわたり)の湯に越ゆる路
名も寂し暮坂峠
つづく。
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ラベル:暮坂峠ハイキング