ユースホステル開業する前に聞かされていたことは、「ユースホステルをオープンすると、そのオープンを狙ってユースホステルのヘビーユーザーが、ドットおしかける」という事でしたが、そんな事は無かった。
北軽井沢ブルーベリーYGHが、オープンした開所記念に泊まった御客様は、たった4名で、うちユースホステル会員は、たったの2名でした。
しかも、その後2週間ちかく御客様はゼロ状態。
「このままでは、干上がってしまう」
2001年1月の暖房費は、10万円。電気代は、8万円。何もしなくても、毎月30万くらいが消えて行ってしまう。おまけにインターネット代が3万円。当時は、北軽井沢にフレッツadslというものがなく、インターネットに莫大な費用がかかっていました。おまけに、引き継ぎが完璧でなかったために、水道管の凍結や、ボイラーの故障や、下水が凍結で流れなくなったりで、おおわらわ。
業者を呼んで修理を頼んだのですが、腕の悪い職人さんだと、
「あきらめるしかないですね」
「え?」
「壁と床を壊しましょう」
「そ、そんな.....」
と言ってきます。
あきらめの悪い私は、別の業者を呼びました。
それも金にいとめをつけずに一番腕の良い人をたのみました。
職人さん一人の時給は、2500円。
高額な修理費用にはなりましたが、
壁を壊さずなんとか修理をしてもらいました。
と同時に、業者まかせにせずに一緒になって修理をしました。
もちろん食事や茶を出して一緒に修理しながら修理方法を教わりました。
次は、自分でやるために。
こうやって冬期の施設メンテナンスを覚えていくと、すこし余裕が出てきます。
やっと御客様の呼び込みにでられるようになってきます。
ちなみに、ここまでくるのに2週間もかかりました。
逆に言うと、2週間、ずーっと施設メンテナンスにかかりっきりだったのです。
まず、嬬恋村観光協会に挨拶にいき、嬬恋村が広告雑誌じゃらんに掲載する無料宿泊券を提供することにしました。で、そのかわりに、嬬恋村の広報ビデオなどを借りまくってダビングしたり、御客様がいたら紹介してもらうようにしました。しかし、これは無駄でした。そもそも嬬恋村観光協会に、問い合わせ自体が少なかったらしい。でもまあ、これは最初から期待してなかったです。私が気合いを入れたのは、軽井沢駅での呼び込みです。
車で40分もかかる大雪の真冬の軽井沢駅にいって客引きをしたのですね。最初は勇気がいりましたが、やってみると、これが案外うまくいきました。4人ぐらいのグループをみつけては、
「冬期割引セールのペンションに泊まらない? 1泊2食6500円。4名様の貸し切りペンション。しかも、白糸の滝や、鬼押し出し園まで無料で案内するよ」
と声をかけると、意外なことに直ぐに交渉成立しました。
たまに
「うーん」
と迷ってると、
「なら野鳥の森の案内もつけゃおう」
「ええ?」
「ついでに星野温泉も連れて行きましょうか?」
「本当ですか?」
となってしまう。
観光協会に行こうとする御客様を見つけては、
こういう営業で北軽井沢ブルーベリーYGHに連れて行ったのです。
ただし、この方法だと、1日1件の御客様しかとれません。
でも、もともと予約はゼロなので、
1件はいれば大助かりなので問題有りません。
他のペンションだと、御客様がいない冬は、
どこかでバイトしているらしかったのですが、
時給700円でバイトするより、駅で客引きする方が
よほど金になります。なのに誰もやる者はいない。
「どうして、誰もしないのかなあ?」
と不思議に思っていたら、その理由がすぐにわかりました。
何回かやっていると、警察がやってきて、
駅で客引きをしてはならんと言ってきたからです。
な、なるほど..........orz
つづく
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そして、客引きのオチがケーサツとは。
客引きがいけない理由は何だったのでしょう。
そのときの限定一組様は一回だけのお客様だったのでしょうか。
怖いけど、聞いちゃいます。