10月11日の連休最終日。御客様を全員送り出して、大急ぎで部屋掃除をし、荷造りをし、準備完了したのが、夜の19時。水をとめ、火の元をとめ、出発したのが19時30分頃です。途中、ラーメン屋で寄り道して夕食をとり、新島々のコンビニで食料を登山用の非常食を調達しました。
といっても買ったものは、スニッカーズ2本と、チーカマを2袋と、チョコレートを1箱と、非常食(カロリーメイト)のみ。2泊3日(プラス予備日1日)の食料としては、かなり少ないのですが、実は、これにはわけがあります。朝夕の食事を全部、山小屋でとるためです。宿屋としては、山小屋の食事に非常に興味があったのですね。
あと、もう一つ。
今回、ある実験を計画しました。
それは、昼飯のかわりに大量のサプリメントを食べる実験です。
具体的に言うと、
アミノバイタルゼリーを1日に4個。
アミノバイタルウォーターを1日に3本。
ミネラルビタミン剤を1日必要量の2倍。
これを飲食しながら15s装備の北アルプス登山をする実験です。
アミノバイタルゼリーを食べると、昼食がいらなくなります。空腹感が無くなるのです。そのうえ喉も渇かない。汗も少な目になります。それは、二十年前から登山者の間で知られていたことで、今さら目新しいことではないのですが、アミノバイタルプロを1日に4個。アミノバイタルウォーターを1日に3本。合計18000ミリグラムもの大量に補給し、各種のサプリメントも携行し、倍のビタミン&ミネラルを補給したら登山に、どのような影響が出るかを調査したいと思ったからです。一種の人体実験ですね。
その実験結果は、後述するとして、沢渡手前にある道の駅『風穴の里』に辿り着いたのが23時頃。
ここで車の中で5時間の仮眠をとりました。
http://www.ktr.mlit.go.jp/honkyoku/road/eki/station/nagano_fuuketsu/index.html
(道の駅『風穴の里』)
そして翌朝、5時に起床。5時30分に沢渡駐車場に車をとめて、6時のバスに乗って上高地バスターミナルに到着したのが6時30分。トイレをすまし、登山届をだし、保険手続きを行い、天気予報を確認し、パッキングをなおして、出発したのが朝7時でした。今日の宿泊予定地は、槍ヶ岳のそばの殺生ヒュッテ。または、北穂高岳山荘。どちらを選択してもコースタイムは、9時間になります。食事や休憩をプラスしたら11時間は必要です。
しかし、朝7時出発だと夕方18時到着になってしまうので、それは登山界では掟破りです。日没後の到着は、タブーなのです。山小屋によっては、小屋の主人が雷を落とします。ふつーに怒鳴ります。山小屋は、ペンションや旅館とは違うのです。掟を破ったら怒鳴られるのが普通なのです。日没後のチェックインは絶対にできない。
となるとコースタイムを速くするしかない。
しかし、速く登るには、荷物を軽くしなければならない。で、考えたことは、食事をふくめ山小屋で買えるものは全て山小屋で調達し、食料も持参するものはアミノバイタルとサプリメントに限定し、昼飯は小屋で食べることにしました。そして、荷物を徹底的に軽量化し、嫁さんにダウンジャケットなどの軽いものをもたせ、私が重い物を全て持つことにしました。そして、1時間おきにアミノバイタルと他のサプリメント補給し、疲労を最低におさえることにしたのです。
そんなにアミノ酸をとって大丈夫か?と思われるかもしれませんが、成人男性の蛋白質の一日必要量は、体重1kgあたり1.5gのタンパク質が必要だと言われています。私は85sなので、127.5グラムのタンパク質が必要なのですが、アミノバイタルをジャンジャン飲んでも一日20グラム以下にしかなりません。
しかも、山小屋の食事に高タンパクなものを期待できるわけもなく、そんな調子で縦走を続けていても、タコの共食いのように自分の筋肉を食いながら歩くようになります。
つまりアミノ酸が足りなくなると、自分の筋肉を分解することによって補充されるため、アミノ酸を十分にとらないと筋肉が逆に萎縮してしまうことがあるのです。その結果、足が痛くなって歩行速度が遅くなるのですね。
あと新陳代謝に支障が出てきます。つまり体調が維持できなくなります。また、免疫の正体はタンパク質であるから当然免疫機能が落ちます。また、活性酸素に対抗して老化を防ぐ役目を負ったタンパク質も作れなくなって当然老化も早まります。だからこそアミノバイタルなのです。
「それなら、高価なアミノバイタルではなく、もっと安い魚肉ソーセージやチーズで代用した方が良いではないか?」
おっしゃることは分かります。私もそう思って、高価なアミノバイタルのかわりに、ゆで卵で代用したこともあったのですが、やはり駄目でした。どういうわけか不思議なことに、ゆで卵やソーセージが、アミノバイタルのかわりにならないのです。アミノバイタルの代わりになるのは、バームくらいです。
話しが、それました。
まず、朝7時12分に河童橋に到着。
ここは、上高地の象徴でもあります。
三千メートルの偉容を誇る西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、明神岳、焼岳が見えます。河童橋の名の由来は、昔ここに河童がすみそうな深い淵があったためだと言われています。芥川龍之介が1927年(昭和2年)に総合雑誌『改造』誌上に発表した小説である「河童」は、この河童橋が舞台となっています。
上高地を涸沢や槍沢方面に歩いていく途中、梓川の上にそそり立つ山があります。これが明神岳です。五十肩でなければ、チャレンジしたい山の一つなのですが、今回は、我慢してとおりすぎました。
井上靖の「氷壁」の舞台になった前穂高岳。
その前穂高岳を望む徳沢キャンプ場のすぐとなりに徳澤園があります。
これです。
小説「氷壁」は、昭和31年に朝日新聞で連載が始まり登山ブームが起きる。
そして上高地は空前の賑わいになりました。
井上靖氏は、登山ブームの火付け役であり、徳澤園は、いわゆる聖地なのです。
そして、ここは、もともとは、ユースホステルでもありました。
つまり、ユースホステルのホステラーたちが、登山ブームの後押しをしたのです。
前穂高です。
小説「氷壁」の舞台でもあります。
これは屏風岩。
アルパインクライマーが憧れる穂高屏風岩です。
夏になると大勢のチャレンジャーが攻略を行い、
そして敗退していきます。
さすがに、この時期には挑戦する人はいませんでした。
そして横尾到着が、朝9時30分。
ここまでで2時間30分。
アミノバイタルのおかげで全く疲れなし。
というより景色が美しすぎて、写真を撮るのに忙しくて早く歩けなかった。
私は、ここで、一つの決断をしました。
槍ヶ岳の殺生ヒュッテに行くのを断念。
今日の目標を、北穂高小屋にしました。
コースタイムは、どちらも9時間ですが、北穂高小屋の方が急登なので、コースタイムを縮められると判断したからです。しかし、これはとんでもない誤算であることを後で思い知らされます。北穂高小屋に行くと言うことは、涸沢を通過することになりますが、この涸沢の景色があまりにも美しすぎるため、写真撮影で立ち止まってばかりになり、なかなか前へ進めないからです。
これには参った。
こう書くと
「写真なんか撮らなければいいのに」
と、思われるかもしれませんが、
こんな景色を見させられたら、
例え親が危篤でも立ち止まってしまうのではないでしょうか?
論より証拠。
涸沢の写真の数々をみてください。
この世のものとは思えない美しい姿に、
誰もがうっとりするはずです。
景色に見とれてしまい、少しも前進できず、
グズグズしながら12時20分に、やっと涸沢小屋に到着。
ここで食事とトイレにしました。
で、やっぱり、いました。
山ガールたちと、アミューズなどの団体さんが。
つづく
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あぁ〜すごい。
雲の上は晴れという状態でよかったですね。
写真の一つ一つに見とれてしまいます。
これ、本物を見たほうがもっといいんでしょうね。
こんなときにいけるなんて本当に運がいい。
そして、アミノバイタル実験。とっても面白いです。
ペースも速くてびっくりです。
マネージャさんも智子さんも本当はとっても速いんですね。
アミノバイタル、すごい飲み物(サプリ?)です!
味の素はよく開発しましたよね。
>山ガールたちと
奥様も山ガールの一員なのでは!?
>これ、本物を見たほうがもっといいんでしょうね。
もちろん本物の方が千倍良いです。
3年連続で行ってますが、今年が一番良かった。
>マネージャさんも智子さんも本当はとっても速いんですね。
これは徹底的に軽量化したためです。少々高くても山小屋で食事や飲料水を買うことに徹底したためです。しかし、アミノバイタルとスニッカーズだけは売ってない可能性があるので、20箇のアミノバイタルゼリーと、8本のアミノバイタルウォーターだけは持って行きました。アミノバイタルの成分と登山に与える影響については、あとでじっくり解説します。
いやいや。
そんなこと書くと、山ガール様の祟りにあいますよ。
一度行ってみたいです。
今年は関東以南の紅葉がよくて、東北がいまいちだったような気がします。
北アルプスは大当たりです。
しかし、木曽駒は駄目。八ヶ岳は大当たり。北軽井沢も当たりです。