本日、天草ユースホステル(休館中)のペアレント辻田政志さん(享年58歳)が12月6日にご逝去されたとの訃報が届きましたので、お知らせ申し上げます。謹んでお悔やみ申し上げますと共に、故人のご冥福をお祈り致します。
辻田政志さんの思いで。
この人ほど個性的なペアレントはいなかったでしょう。一言で言えばダジャレキング。いやダジャレエンペラー、ダジャレカイゼルか。3分に一回はダジャレを言って前進から力を無くしてしまう。しかも絶対零度クラスのスーパーフリーザーダジャレ。くる御客様くる御客様を次々と凍らせていました。そしてユースホステル館内を南極点にしていました。ユースホステルにシロクマやペンギンがいたとしても、カチンカチンに凍っていたに違いありません。
そのスーパーダジャレが楽しくて、私は、天草ユースホステルがいっぺんで大好きになり、数多くの御客様に天草ユースホステルを紹介してきました。私ほど天草ユースホステルに人間を送り込んだ人もいなかったでしょう。
「九州に行くの? じゃ天草ユースホステルに行きなよ!」
「施設が良いの?」
「良くない。一つ星だし」
「料理がよいの?」
「それほどでもない」
「立地がよいの?」
「うーん」
「じゃ、なんで勧めるの?」
「そりゃ、身も凍るダジャレの連発を聞くためさ! 南国天草で南極の寒さを体験するためよ!」
「はあ?」
ユースホステルの楽しみは、施設や料理だけではありません。マネージャーの個性を楽しむところに醍醐味があります。ユースホステルのマネージャーには変人が多いのです。その中でも、最もユニークだったのが、天草ユースホステルのペアレント辻田政志さんです。人なつっこくて、ダジャレ好きで、息するよりダジャレの回数が多い人なんて、世の中にそうそういません。
おまけにペアレントさんは、地震研究家。それもきわもの研究家。科学的な研究ではなく、雲とか動物で地震予知を行う変人でした。話し始めたら1時間でも2時間でも地震と予知を語り始め、内容がキワモノそのもの。それも殆ど当たったことがないというありさま。しかし、それがいいのですよ。私は、そのキワモノぶりが、たまらなく好きだった。
だから私に騙されて天草ユースホステルに泊まった人はみんな喜んで報告に来ました。そして
「すごいマネージャーさんでした」
「天然記念物的存在ですね」
「あの人は、天草の人間国宝として売り出すべきですよ」
「パワフルなマネージャーだったなあ」
「なんか生きる勇気がわいてきました。もう少しで凍死するところだったけれど」
と大喜びして帰ってきました。みんな九州で一番思いで深かったのが天草ユースホステルでのマネージャーさんとの対話だったと言っていました。
ユースホステルを使った旅は、こういう観光旅行にない面白さとスリルがあるからやめられません。しかし、その 天草ユースホステルが、休館と聞いたので心配していたのですが、御病気だったのでしょうか?
それにしても辻田政志さんがお亡くなりになったとは・・・・・・orz
惜しい人を日本ユースホステル界は失ってしまった。
残念ですね。
つづく
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56歳とは。
ご冥福をお祈りいたします。
マネージャーさんたち、みなさん、くれぐれもお体を大切になさってください。
58歳でしたか。私が泊まったのは7、8年前だと思いましたが、50前後には見えなかったですね。
私の体験は長くなるので書きませんが、燦然と光り輝くネタYHであった事は間違いありません。
「一度泊まった方が良い。二度と泊まらないと思うけど」と良く他の人に話をしたものです。(^^;
>体感したかったです〜
体験してなかったのですか!
それはもったいない。
南極を体験するチャンスだったのに。
若年寄さん
>「一度泊まった方が良い。二度と泊まらないと思うけど」
それ名言ですね。
そういう意味では泊まった人は、人生において「得」をしていると。
ああいうペアレントは珍しいですね。
自分らは今会員ではありませんが、1986年ごろから
不継続で更新しているものです。
すんません、いやあの、なんていったらいいものやら
これだけYHについて、熱く詳しく語られるブログがあるとは
思いもよりませんでした。別の調査の中で偶然貴ブログに入ったので
プロフィールを調べさせていただきました。
自分らが道民だったころ、道東の元YH職員(現在は民営YH経営)だった方が
「群馬県にドイツのYH創始者を篤く尊敬し語られる方がいる」と
お話されていた、まさにその方なのですね。失礼いたしました。
前置きが長くなりました。
自分らも25年前と10数年前に天草YHを訪れたことがありました。
賎ヶ岳YH・尾岱沼YH・野村YHと同じで「ユースは施設やハード面じゃないよ!」と
思わせてくれたのがここでした。
(確かに1回目はテレビとトライアスロンの話でなぜか大爆笑でした。2回目は違いましたけど)
ユースはやっぱり、経営者のパーソナリティだと思います。
(あと、YHの催しや企画に頼らない利用者の「生きる力」・・・これは言い過ぎですが)
いつの間にか、辻田さんのお名前がハンドブックからなくなっていたので、
施設が老朽化しているのを機におやめになったのかなと思っていました。
いまさら遅いですが、遅ればせながらご冥福をお祈りいたします。
また、初めての訪問にもかかわらず、失礼な記述がありましたら
御赦しください。
・・・はじめっちと3匹の背後霊
天草YHを、賎ヶ岳YH・尾岱沼YH・野村YHを知っているとは、かなり通なお方とお見受けしました。辻田さんは、本当に面白い方でしたね。ああいう人は、今だったら生きてゆけないというか、まさに人間国宝に近い方だったと思います。