という人もでてくる。
しかし、こういう事を言ってくるマネージャーの多くは、ユースホステルしか経営してない人なんです。
ユースホステルから会員証を廃止したら、
そのへんのペンションや国民宿舎と変わりなくなります。
全国にペンションが何件あると思っているのでしょうか?
各県に平均100軒のペンションがあるなら、4700軒のペンションがあることになる。
言っときますが、北軽井沢と嬬恋村には、100軒以上のペンションがあります。たった2つの町村で、それだけのペンションが存在していますから群馬県全体ではもっとあるでしょう。だから全国に4700軒という数字はありえません。どう少なく見積もっても1万軒以下という数字にはならないと思います。もちろんペンションの少ない県もあるでしょうが、北海道や長野県なんかは、1つの県で千や二千のペンションがあると思われますから、全国のペンションを集めれば1万軒以上はあるはずです。と、同時に民宿だって、それ以上の数はあるはずです。
問題は、これらの宿泊施設が、ユースホステルと同じように、ふれあい重視のシステムをもち、一人旅を歓迎し、体験プログラムを用意していることです。ユースホステル以上にユースホステルらしい施設を用意している宿があるということです。
仮に民宿とペンションが全国に2万軒あったとします。それに観光ホテルや旅館を加えて3万件の宿泊施設があったとします。そのうちの1パーセントが、ふれあい重視のシステムをもち、一人旅を歓迎し、体験プログラムを用意しているとしたら、そういう施設は全国に300軒あることになる。2パーセントなら600軒。3パーセントなら900軒になります。それに対して全国のユースホステルが、たったの270軒。しかも、その中でふれあい重視のシステムをもち、一人旅を歓迎し、体験プログラムを用意しているユースホステルらしいユースホステルというと、100軒もないかもしれない。
現に、嬬恋村には、ユースホステルのように体験プログラムを用意している宿が数軒あります。大きいところでは、鹿沢休暇村・グリーンプラザホテル・チドリーホテル・高峰温泉ホテル。ペンションも何軒かやっています。例えばペンショングリーンフィールドなど。キャンプ場ならスイートグラスといったところが、わが北軽井沢ブルーベリーYGHより豊富な体験プログラムを用意しています。こういった体験プログラムは、もうユースホステルの独壇場ではなくなっています。
また農家民宿やゲストハウスといった、これまたユースホステルに類似した宿も台頭してきています。北軽井沢ブルーベリーYGHには、毎年、何人かの若い女の子が、ヘルパー(ボランティア)に来てくれますが、彼女らは北軽井沢ブルーベリーYGH(ユースゲストハウス)をゲストハウスと間違えて来る人たちでした。
「どうしてヘルパーしようと思ったの?」
「京都のゲストハウスに泊まったら楽しかったから」
「うちは、ユースゲストハウスというユースホステルなんだけれど」
「ゲストハウスじゃ無かったんですね」
「そうなんだよ。ユースホステルとゲストハウスは、全く別物なんだ」
「びっくりしました」
「で、ゲストハウスは楽しかった?」
「すごく楽しかったです。ドミトリーですが、みんなと仲良くなれて楽しかった。ユースホステルでは、そういうことは無いんですね」
「いや、そういうわけではないんだけれど、昔はね、ユースホステルもゲストハウスと同じでドミトリーだったんだよ。で、みんな、すぐに仲良しになったものさ」
「そうなんですか? 信じられません」
「・・・・・」
どうやら、いつの間にかゲストハウスは、ユースホステルよりも「ふれあい」の宿になっているらしい。しかも一人旅の若い御客様でいっぱいで、誰もがドミトリーを嫌がらないらしい。というかドミトリーでないと駄目といっている女の子も多い。完全に昔の古き良きユースホステルの特色を盗まれている。逆にユースホステルは、どんどんペンションに近づきつつあり、特色が失われつつある。
じゃあ、ユースホステルは滅びるしかないのか?
と言うと、ちょっと違うと言いたい。
ユースホステルには、どの宿泊施設にも
『絶対に真似できない特色』
があるからです。
それは『理念』です。
そして、その理念を守るために『会員証』があると。
私は最近、こう思うようになってきました。ユースホステルの入会費用は、寄付金にあたるものではないかと。これは日本ユースホステル運動史を調べてみると、どうしても、そこに辿り着くのです。御存じのとおり日本のユースホステル運動は、昭和26年に発足したことになっています。しかし、それ以前の過去に2回、日本ユースホステル運動があったのは案外知られていません。
最初は、大正時代です。世界3大聖人の一人、賀川豊彦が中心となってスタートしています。しかし、これはすぐ尻すぼみとなってしまいました。次に昭和初期に文部省が主体となってユースホステル運動をスタートしています。しかし、これも尻すぼみとなって消えてしまいました。どうして消えてしまったのか? それは.....。
つづく
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ラベル:ユースホステルは甦るのか?2
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個人的にYHが衰退している原因と考えていたり、良く聞く話は以下です。
・若い人は、YHは高い、コストパフォーマンスが悪いと考えている人が多い。
・YH協会という組織の上にあぐらをかいているマネージャーが多い。
・インターネットの存在。
また、ゲストハウスについては以下です。
・楽しめる仕掛けを持っている所は強い。辺鄙な所でも連日満員の宿がある。
・ゲストハウスは基本的にミーティングが無いので、楽しかったかどうかはその時の巡りあわせ次第。
・沖縄はゲストハウスが乱立し、既に淘汰が始まっている。
・京都でも「どこも空いてなかったらココ」という鉄板の不人気宿がある。
全て根拠と思われるものはあります。
ただ一部の宿を除き、どの宿でも宿泊客の減少からは逃れられないようです。
「デフレの正体」では無いですが、人口減はどうしようもないですし。
>・YH協会という組織の上にあぐらをかいているマネージャーが多い。
こういう人は、一部にはいると思います。
ユースホステルしか知らない人は、どうしてもそうなりますね。
彼らは、宿をやっているのではなく、ユースホステルをやっている。
まあ、それはそれで立派な考えなのでよいと思いますが、
問題は、本当にユースホステルを知っているかどうかですね。
他を知らないと、自分を知ることなんかできないですからね。