>ポリウレタンのソールはたとえ使用せずとも経年劣化して加水分解し、
>ある日パックリと剥がれるようなことがあるみたいですね。
>山の中で剥がれたりするとそれこそ命に関わります。
本当は、あとで書こうと思ったのですが、
せっかくですからポリウレタンのソールについても。
このソールは、軽くて衝撃に強く、おまけに滑りにくいので
スニーカーのソールとして大活躍しています。
しかし、5年くらいで加水分解がおこります。あまり履いてなかったら3年で加水分解が起きます。靴箱に入れっぱなしのものほど加水分解が起こりやすく、頻繁に履いているものの方が加水分解が起こりにくいようです。ですから頻繁に履いた方が長持ちするとのこと。つまり、登山靴としては不適なんですね。しかし、現実には、この素材を使った登山靴が多いことも確か。私が7足の登山靴を持っているのは、そのためです。もちろん北アルプス縦走といった大がかりの山行には、古い登山靴を履いていきません。1年目または2年目の登山靴を使います。
ここで、登山靴を長持ちさせるコツを。
毎日、同じく靴を履かないことです。
ローテーションを組むんです。
実は私は、1ヶ月以上40キロ装備で、知床山脈を縦走したことがあるのですが、靴の劣化の早いのに愕然としたことがあります。特に靴紐は何度も切れました。靴は湿気に弱いんですね。とはいうものの、普通の人は、毎日登山なんかしませんよね。そういう人は、逆に登山靴を使ってやらないと駄目です。湿気に弱いですから長い間、下駄箱に入れておいたらすぐに駄目になります。これは登山靴にかぎらず、スニーカーにもいえます。
あと、ポリウレタンのソールをビブラムソールを貼り替えるという方法もあります。しかし、登山靴の進化の激しさを考えると、微妙なところですね。5年で買い換えた方がいい気もする。つまり1年に3000円の出費ということになります。これで健康とダイエットが手にはいるのなら安いものです。変な薬や、怪しい器具を買うより、よほど安いと思いますよ。1年に10回登山すれば、300円の出費なんですから。ちなみに私は、1年に100回以上の登山をしていますから30円の出費です。
あ、そうそう。
一つ言い忘れていました。
ポリウレタンのの加水分解は、突然おきます。
5年たったら、ある日、突然おきます。
ゴムのソールにしたって同じです。5年で劣化します。
ソールの接着剤も劣化するし、縫い目の糸も劣化します。
だから登山靴は、消耗品なんですね。
>未だに旧石器時代の革の登山靴を、何度かソールを張り替えて使っています。
ユースホステルを創設したリヒャルト・シルマンも、旧石器時代の革の登山靴を、何度かソールを張り替えて死ぬまでの60年間使い続けています。革の登山靴の短所は、重くて堅くて痛いところにありますが、1年も使い続けていると、革が馴染んできて足にフィットするんですね。5年も使い続けていると逆にすごく歩きやすくなる。重いという短所も、雪渓で行うキックステップでは最強の靴になってしまう。堅いという短所も怪我防止になってしまう。しかし、これはベテラン登山家にとっての長所ですね。初心者には辛いでしょう。
初心者には、もっと安くて履きやすい布地のものがよいでしょう。1万円もだせば、そこそこのものが買えます。もっと安いバッタモノでもスニーカーを履くよりはましです。私は、バッタモノを買うのは、おすすめできないんですが、どうしても金がないのであれば、ソールの溝が大きくてゴツゴツしたもので、つま先が硬くなっているのを選ぶという選択もある。しかし、そのバッタモノで行ける山は、高尾山・小浅間山・湯ノ丸山ていどです。間違えても北アルプスなんかに行っては駄目です。
一番良いのは、登山ショップで教えてもらって納得して自分に合った靴を買うことです。今日も凄く忙しいので、続きは、また今度。
つづく。
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なんでも業界関係者の方から聞いた話ですが、狂牛病以降、牛がたくさん処分されて皮革が手に入らなくなってしまったそうですね。狂牛病でも皮くらいは有効利用すればいいのにと思うんですけどね。
もう15年くらい履いてたドイツのハンワグというメーカーのお気に入りの登山靴のソールが最近少しはがれ始めました。いままで2年おきくらいに貼り替えていましたが、今回は間が4年以上開いてしまいました。やはり僕の使用頻度では4年持たないようですね。もうさすがにソール以外のところもボロボロになってきたので、5回目の貼り替えはやめようかどうしようかというところです。
昨年モンベルの登山靴を買いました。本当はハンワグが良かったんですけどね。モンベルだと社割りで安く買えるので。
でもハンワグの靴直したいんですよね。やはり長持ちさせるにはかわりばんこに履きたいので。
ハンワグの靴はいつもソール貼り替えにだすと、ドイツ本国に送られるそうなのですが、ちょっとした糸のほつれなんかもビシッと直って帰ってきます。
きっとはるばる日本から送られてきた古い靴を見て「おっここまで履きこんでくれているのか!よっしゃまた履けるように直してやるぞ」なんていうドイツの職人の心意気を勝手に想像する楽しみがありました。ははは。
これは登山靴じゃなくても当てはまると思いますよ。
私は登山靴は週に1回しか履かないので、1足しか持っていませんが、
ビジネスシューズは2足持っていて交互に履くようにしています。
これで毎日同じ靴を2日続けて履くのは出張などで帰宅できないときに
限定されます。
モンベルで買ったトレッキングシューズが3年ぐらいたったと思うので、そろそろ買い替え時かもしれませんね。
マサさん
交互に履くと、2倍ではなく、4倍長持ちしますね。
やはり湿気は大敵です。
式場で突然、靴のウレタンソールがボロボロと崩れ始め、しまいにはヒール部分が脱落してしまいました。
赤い絨毯には黒い粉が点々・・・恥ずかしかった・・・。
また、山でソールの接着剤がはがれてしまった人がいたので、テーピングテープを巻いて応急処置した事がありました。