実は、もっと重要なポイントがあります。こっちの方が大切なんです。それは、
9.どんな山に登るのか?
10.どの季節に登るのか?
11.どういうスタイルで登るのか?
12.誰と登るのか?
13.何日登るのか? 日帰りなのか?
という点です。
私は、さんざん「スニーカーは駄目だ」と言ってきましたが、この条件によっては、スニーカーでも良いケースがある。いや、むしろスニーカーの方が好ましいケースがある。例えば、晴天のアスファルトを歩くようなケースです。高尾山の1号路なんか、そうですね。北軽井沢だと浅間牧場なんかがそうです。軽井沢だとアプトの道なんかもそうです。どうしてかというと、足が軽くなるからなんですね。
実は私は高校時代にフルコンタクト系の空手をやっていたことがあり、毎日筋力トレーニングをしていました。で、3キロもある重りを両足につけて日常生活をおくっていたんです。もちろん体育の時にも足に重りをつけてマラソンなんかしていた。で、どうなったかというとヒザ関節炎になってしまった。これには驚いた。というのも、そのまえに、1年間ほど8キロのパワーベスト着ていたのになんともなかったからです。それなのに3キロのパワーアンクルを足に装着したら関節炎になってしまった。足にかかる負荷は、8キロのパワーベストの方が大きいはずなのに、そっちの方はなんともなく、むしろパワーアンクルり方が間接に悪かったことになる。つまりザックが重いことよりも、靴が重い方が、足に負担が大きいということになる。で、登山をするようになると、その仮説は確信にかわりました。やはり足は軽いにこしたことはない。
しかし、逆に、すごく重い登山靴の方が良いケースもある。雪渓をキックステップで歩くようなときです。小浅間山のような砂地を下るときも、重い方が靴が砂にめり込んで下りやすい。
こんな失敗談もある。7月末に谷川岳に登ったことがあった。ものすごく暑い時に登ったので、涼しげな布地の超軽い登山靴で登ったんです。で、仲間の一人が重登山靴だった。私は、さんざん仲間の重登山靴を馬鹿にしたんですが、ところが谷川岳の肩の小屋に到着してみれば、ものすごい残雪があった。大雪渓を急坂で降りる羽目になったとき、死にそうな思いでいる私を尻目に、重登山靴の仲間は、ストックも持たずにスイスイと降りていった。こういう笑えない失敗もあった。
こういう失敗談もある。
私は、1990年頃に北海道にはまっていた。北海道中の山という山を登りまくっていたのです。もちろん、登山靴で旅を続けていたのですが、なんと3ヶ月で靴底がツルンツルンになってしまった。原因は、登山と一緒に徒歩旅行もしていたからなんですが、1日に50qほどあるくものだから、10日に500q歩くことになる。登山靴は、アスファルトに弱いに気がつかなかった。で、仕方なく、札幌で登山靴を買い直す羽目になってしまった。登山靴で道路を歩くべきではなかったんです。で、登山靴・スニーカー・サンダルの三点セットをもって旅をするようになったんです。
そうそう、深田さんと一緒に酒を飲んだという猛者(70歳以上の人)なんかは、登山靴の他に草鞋(わらじ)をザックにしのばせてますね。イザという時には沢で使うことも想定しているとのこと。私が
「草鞋だけでは冷たくて駄目でしょう」
というと
「足袋を履けばなんともないよ」
という。昭和一桁には、こういう化け物も多いですね。私は、とても真似ができませんので、沢に行くときは沢靴を履いていきます。
話がそれましたが、何が言いたいかというと、ケースに応じて靴を変えていく柔軟性が必要だと言うことです。
つづく。
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減りが早いのですね。
納得です。靴は色々履き分けるのが長持ちさせるコツですね。
普段のウォーキングシューズは20年位愛用していて、
ゴムが劣化し割れて来たので、新しい靴を買いました。
でも、もったいなくて、まだおろしていません。
前の靴がまだまだいけるので、1日延ばしにしています。
山用の靴はビブラムが減って3年で駄目でした。
LOWAの靴は張替に行ったら、張替が効かないタイプだったと後で知ってがっかりしました。
張替が効くものと信じてビブラム底の高価な靴を買ったのに。
うわー、これは痛い。痛いなあ。
LOWAとあろうものが、どうして、そんな靴を造ったのか?
性能の良い靴ほど減りが早いのに。
それにしても、3年でおシャカとは、なかなかやりますねえ。
冬のスノーシュー用に愛用しています。
雪の上なら減らないですからね。
でも減ってしまった靴底は元に戻りません。
張替が可能かどうかを確認するしかないですね。