私は、鉄道マニアではありません。だから、どの鉄道が優れているかはさっぱし分からない。でも、そんな私でもドイツのICEが、素晴らしい列車であることは分かる。TGV・新幹線・ドイツのICEを比較した場合、ドイツのICEが一番よかった。
と言っても、私の乗ったのはファーストクラス。日本で言えば、グリーン車。なぜファーストクラスに乗ったかというと、ユーレイルパスを使ったからです。ユーレイルパスを使えば、自動的にファーストクラスを利用できる。
で、ドイツのICEのファーストクラスは、何もかもが最高だった。まず、パソコンを繋ぐコンセントがある。もちろん大きなテーブルがある。だからビジネスマンが、さかんにパソコンで仕事をしている。座席も、かなりゆったりとしている。もちろん日本の新幹線のグリーン車の方が、ゆったりしているのだが、ドイツのICEの方は、巨大なテーブルがあって、百人一首ができちゃうんじゃないかと思ってしまうくらいだから断然便利である。速度は遅いし、多少ゆれるのが欠点だが、それは私にとっては問題でない。むしろ情緒があってよいと思っている。
ただし、不思議なことにドイツのICEは、列車によって、規格がまるで違うことに驚かされる。同じICEでも、当たりとハズレがあるのだ。無料の食事サービスがあるICEがあったり無かったり、豪華ソファーのICEがあったり、座席の堅いICEがあったり。ラウンジのあるICEがあったり、無いICEがあったり。一つとして、同じタイプのICEにお目にかかったことがない。
あと、昔のICEは、ボックスタイプが多かったのだが、今のICEは、みんな新幹線みたいになっている。私は昔のボックスタイプが好きだったのになあ。
と言うわけで、私と嫁さんがICEに乗っていると、面白い現象が起きる。ドイツ人ビジネスマンは、私たち日本人旅行者を避けて座席にすわる。私たちから離れた座席に座るのである。ちなみにICEのファーストクラスは、いつもガラガラなので、好きな座席が選べる。そして、おもむろにパソコンと書類を出して仕事を始める。ファーストクラスに乗る彼らは日本人より勤勉だ。私のような東洋人は見向きもしない。
ところがである。
わざわざ私たち日本人の隣に座ってくる白人がいる。彼らは、やたら愛想の良い人種であり、ドイツ人には目もくれず、日本人の私たちのところにやってきて
「ハーイ!」
と言ってくる。
アメリカ人である。
関係ないが、どういう訳かドイツ人は
「ハーイ!」
とは言わない。
「ハロー」
と言う。で、アメリカ人は絶対に「ハロー」とは言わない。
だから挨拶で何国人かがすぐわかる。
そして彼らは、おもむろにパソコンをとりだして、その画面を私たちに見せる。そこにスイスアルプスが写っていたりする。そして、スイスの思い出を熱く語り出す。もちろん旅行者ではなく、ビジネスマンであり、スーツを着ているのだ。で、いっこうに仕事をしようとはしない。で、何時間も日本人の私たちと、バカ話をするのだ。
ところでアメリカ人は、日本人には気さくに話しかけるが、ドイツ人に話しかけるのを見たことがない。
「アメリカ人とドイツ人は仲が悪いのかな?」
と思ったりしたが、そういうことでもなさそうだ。
話が、大回りしたが、何が言いたいかとと言うと、
ドイツのICEには、こういう風景がある。
座席の形が独特なので、列車の中で、いろんなドラマが生まれるのである。
だから私が一番好きな列車は、ドイツのICEだったりする。
つづく。
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