2012年03月16日

子供の頃の記憶 笹団子

不思議なことに50歳を超えると、
どういうわけか子供の頃の記憶がよみがえってくる。
なんでもないことなのだが、失われていた記憶が突然よみがえるのだ。

一昨日も蘇った。
小学校に入って初めての運動会の記憶である。
当時6歳だった私は、お昼に笹団子を食べた。
もちろん手製の笹団子である。
新潟では昔、どの家でも笹団子を自分のうちで作っていた。





まず、小豆から粒あんをつくり、
団子を作って、粒あんをくるみ、
それを笹につつむのであるが、
最後にセイロ蒸しにする。

6歳の私は、その行程が面白くて、
祖母の笹団子つくりをジーッと何時間も眺めていた。
それを思い出した。

で、無性に笹団子を作りたくなった。
と言っても、北軽井沢には笹が無い。
仕方ないので、羊羹をつくることにした。

なぜ羊羹かというと、市販の羊羹は甘すぎるからだ。
羊羹にしても、あんこ団子にしても、
市販のアンコの糖度そものは、66パーセントと決まっている。
それ以下だと、急激に劣化するからである。
だから甘くない羊羹なんて、存在しない。
市販の和菓子は、必ず甘いのだ。


でも、できれば甘さ控えめの羊羹が食べたい。
それもカロリーゼロの甘味料で作ってみたい。
と思った。

で、さっそく小豆を500グラムと寒天とパルスイート(ダイエット甘味料)を買ってきた。

そして、アンコ作りからスタートしたのだが、愕然としてしまった。
祖母は、1日かけて笹団子を作っていたのに、
私の作った羊羹は、2時間でできてしまった。

原因は、調理器具のせいである。
圧力鍋と火力の強いレンジのおかげで、アッという間にアンコができてしまったのだ。
砂糖を使わなかったのも、原因だ。
砂糖ぬきだとアンコが焦げないために、ものすごく簡単にできる。
味も、甘み控えめになった。
すごく食べやすい。


しかし、ちょっと空しくなった。
子供の頃の記憶を再現できなかったからである。
子供の頃は、こんなに簡単にアンコを作れなかったからだ。
どうやら便利を手に入れると、何かを失うものらしい。


つづく。

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posted by マネージャー at 23:33| Comment(3) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
甘さ控えめの羊羹、賛成ですが、パルスイートは奥行きがでないので、三温糖かきび糖、黒砂糖で15%を寒天で仕上げると、吉祥寺の有名な小笹の羊羹に近くなります。甘くない寒天羊羹って、本来の和菓子のように思えます。虎屋の本練は5mmの厚さ以上に切って頂くものには、私は思えません・・
東京では運動会の定番は(50年前ですが・・)かんぴょうの細巻、卵焼き、青いみかんでした。親が来れない子もござでみんな一緒に食べました。今は給食だそうですね。
Posted by 進之助 at 2012年03月17日 19:39
1日かけて作った笹団子だから記憶に残っているんじゃないですかね?
Posted by マサ at 2012年03月17日 22:26
進之助さん
マサさん

笹団子は便利でした。
私の子供の頃は、なんだかんだと言って、みんな笹団子でした。
笹団子は、金持ちも貧乏人も、共通して食べる便利な和菓子でしたね。
そして、みんな手作りの笹団子を食べていましたね。
でも、4歳下の弟は、もう違う。
市販のものを食べていたし、冷凍食品り時代になっていました。
幸か不幸か私の年齢が、ぎりぎりだったみたいです。



Posted by マネージャー at 2012年03月18日 02:18
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