2012年03月30日

須崎さんは無口 7話

須崎さんは無口 7話

 須崎さんは、最初から謎に満ちていた。
 土曜日に泊まらずに日曜日のツアーに参加していた。
 そして日曜日に宿泊した。
 当然のことながら、日曜日に他の客はいない。
 なので、一人ぼっちで夕食を食べることになるので、
 それじゃあ淋しかろうと思って、
 私と土井君とうちの嫁さんも一緒に食べることも多かった。
 で、私は、いつも須崎さんに話しかけていた。

「須崎さん、土曜日に泊まれば、みんながいて賑やかで楽しいのに」
「・・・・」
「静かなのが好きなの?」
「・・・・」
「ああ、そうか静かなのが好きなんだ。ふーん」

 私は、須崎さんの沈黙から彼女の心理を読み取っていた。
 ただし、正解かどうかは分からない。

「で、須崎さん、明日はどうする?」
「・・・・」
「どこに送迎しようか?」
「・・・・」
「朝4時でいいなら、土井君が熊谷駅まで送っていけるけれど」
「・・・・」
「あ、でも、せっかく北軽井沢に来てるんだから、軽井沢銀座とか見学するよね?」

 その時、はじめて須崎さんは沈黙を破った。

「朝4時に・・・・」
「え? 朝4時に土井君と帰るの? 朝4時だと朝が辛いよ?」

 土井君も言った。

「そうそう、せっかく北軽井沢にきたんだから、鬼押しとか、浅間牧場を散策して帰れば? 土井が送ると言っても熊谷までだし」

 土井君は、適切なアドバイスを須崎さんにしていた。
 しかしである。
 いつも沈黙して、人のアドバイスを素直に受け入れる須崎さんが、この時だけ反論した。

「朝4時に・・・・」

 おや?と私は思って沈黙したが、
 しかし空気の読めない土井君は、さらに彼女私を思いとどまらせようとした。

「それじゃ、せっかく宿泊費を払っているのに、北軽井沢ブルーベリーYGHのベットに寝るのが4時間くらいになっちゃう。もったいないよ。明日はゆっくりしていけば?」

 土井君は、あくまでも正論を言い続けていたが
 それを見るに見かねた、うちの嫁が話に割り込んできた。

「(うちの嫁)須崎さんさんはね、土井君の車に乗りたいんだってさ!」
「(土井)キャッ!

(なお、この物語は、フィクションではありません)

つづく。

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posted by マネージャー at 23:06| Comment(7) | TrackBack(0) | ヘルパー物語2008− | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
えっ!?
そ、それは、お仕事の都合で朝4時希望じゃなくて?

仮に、最初は美しい誤解だったとしても、今がお幸せなのだから、ALL OKではありますが。

それにしても、その朝4時の理由(真意)を伺いたいけれども、ご本人からは、教えて頂けないのでしょうね…。

そして、無口な人がモテる理由が分かりました!!
もっともっと知りたい!!と、好奇心がくすぐられるからですよ。
気になってしまうからですね!!

え…?
皆、知ってた?

さらに言えば、心の中では、すごくおしゃべりな無口な人と、なーんも考えてない無口な人がいると思いますが、前者は、キッカケができれば、饒舌になります。

少女の頃の私がそうです。
でも、前者の無口は、邪念までもが伝わるのか、モテなかったですね〜。
Posted by みわぼー at 2012年03月31日 07:12
須崎さんが土曜日宿泊せず日曜日に宿泊するのは仕事の都合だったと思いますよ?
Posted by マサ at 2012年03月31日 21:18
みわぼーさん
マサさん

案外、良くしゃべる人は、実は何も考えて無くて、
無口な人は、意外とよく考えていたりして。
よく考えているけれど、口に出せないだけだったりして。

Posted by マネージャー at 2012年04月01日 23:24
このシリーズ楽しく読ませてもらっています♪
すごーく須崎さんにお会いしたくなっちゃいました!!!
これくらいじゃないとDさんのダジャレには対抗できませんよね。
(別に対抗する必要はないんですが・・・)
いつかお会いできる日を楽しみにしてまーす♪
蔵開きあたりに行けるといいなと思いつつ、なかなか九州からでは
軽井沢は遠いですねぇ。しみじみ。
Posted by hama@nagasaki at 2012年04月02日 23:57
うふふ。
その後、機会があって、須崎さんから、4時出発の真実を教えていただきました。
伺ってみるものですね。
うふふふ。

そして、別のお話をしていた時、私の一言で、須崎さんが笑ってくれました。
なるほど、須崎さんに笑ってもらえると、幸せ感が、他の人に笑ってもらえるよりも嬉しくなりますね。

あー。土井さんが惹かれる気も分かります。
何だろうね。
よく甘ったるい恋愛マンガや、恋愛ドラマで見かける台詞、「君が笑ってくれると、僕も嬉しい」を地でいってしまいましたよ!

これは、是非、笑わせてあげたくなりますね!
でも、ギャグとかで、笑うタイプの御仁ではなさそうにお見受けしました。
下手に自分の笑いやギャグに自信がある方は、ムチャしないで下さいね。
Posted by みわぼー at 2012年04月03日 11:32
当方がSさんと初めてお会いした日のことです。その晩、マネージャーさんにSさんと当方と二人きりで夜の1130温泉に送り込まれてしまいました。マネージャーさんの出迎えまで結構な時間があり、当方も書物を持参し、その場を何とか凌ごうとしておりましたが、Sさんの方からどんどん話しかけて下さって、とても楽しいひと時でした。そのとき、ご自分の方から、湯の丸山搬送事件や土井さんにいつもYHまで送って頂いていることなどを楽しそうに話されて、土井さんがあまたの女性ホステラーの中から満を持して彼女を選んだのも分からなくもないかなと感じました。以上戯言。
Posted by 獏丸さん at 2012年04月03日 19:38
hama@nagasakiさん
みわぼーさん
獏丸さん

もう察しがついたかと思いますが、須崎さんは癒やし系です。
今回、土井君と結婚しますから、北軽井沢ブルーベリーYGHに
入り浸ることになると思います。
皆さん、よろしくお願いいたします。
ちなみに獏丸さん、須崎さんと波長が合ったみたいですね。
須崎さんは、波長で言葉が多くなりますので。
Posted by マネージャー at 2012年04月03日 22:50
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