世界最初の特撮映画は、メリエスで、月世界旅行が世界最初の特撮映画と言われていますが、実は日本も同じ頃に特撮を発見しています。そして、次々と特撮映画を製作し、世界有数の特撮映画大国になっています。
きっかけは、時代劇の撮影中のアクシデントからです。一人の役者が、トイレに行って抜けている間に、撮影がスタートしてしまったんですね。で、ラッシュをみてみると、突然、人間が消えているのに監督は驚いた。
そりゃ、そうです。一人がトイレに行ってる間に撮影がスタートしたんですから、トイレに行った人間が、突然消えるのはあたりまえです。現代の私たちなら、常識に類する事件であり、撮り直ししなければならない。ところが、明治時代の日本人映画監督は、ちょっと違っていた。
「こいつは良い!」
と大喜びして、人間が消える仕組みを利用して特撮映画を撮影したんです。そして、それが大ヒットした。日本中が拍手喝采して、どこも映画小屋は大入り満員となった。
さて、どんな特撮映画なのでしょうか?
みなさん、少し考えてみてください。
え?
知ってる?
そうですよね、知っていますよね。
忍者映画です。
巻物をくわえて呪文を唱えると、パッと煙が出て、ガマガエルに変身する。こういう映画が大ブームになったんですよ。忍者と特撮映画は、切っても切れない関係だったんですね。ところで忍者の特撮映画は、主にカメラを工夫した特撮です。ですから特撮監督というと、カメラマンのことだった。カメラマン出身でないと特撮監督にはなれなかった。
これがハリウッドでは、美術出身の人が特撮監督になっていくケースが多かったようです。理由は、ハリウッドの特撮映画の多くが、ドラキュラや、狼男といったホラー映画だったことも関係しています。だからハリウッドの特撮は、造形から発達していった。
ところが、日本では、カメラテクニックから特撮が発達していったんです。私の師匠筋にあたるガメラシリーズの特撮をやった人は、もともとカメラマンでした。もちろん円谷英二もカメラマンです。元カメラマンですから、造形よりもグラスワークやスクリーンプロセスなんかを使った特撮を得意とした。つまり日本の特撮映画と、ハリウッドの特撮映画は、全く別の進化をたどったわけですね。
しかし、そんな日本に、昭和9年、ハリウッドの特撮映画「キングコング」が上陸して、日本の映画人は衝撃を受けます。キングコングは、造形から入ったハリウッド特撮映画の進化の頂点でした。
もちろん日本も、キングコングに匹敵する特撮映画を企画します。鎌倉の大仏が立ち上がって動き出すという、大映の「大魔神」みたいな映画です。しかし、これは、興行的に大失敗してしまいます。日本の特撮映画は、造形から発達してなかったので、キングコングみたいな映画を撮るには無理があったんですね。しかし、そんな日本特撮映画界が、大逆転をしかけるんです。
つづく。
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