春夏秋冬、一年中出荷されているキャベツですが、その産地は季節によって異なります。厳しい寒さの中で育つ冬キャベツは、愛知、神奈川、千葉などの温かい地方が主産地です。春系キャベツは花芽ができにくい品種で、千葉、神奈川、愛知で多くつくられます。夏から秋には、北海道や群馬の嬬恋、長野の野辺山などの高原キャベツが出回ります。
では、キャベツのルーツは、どこにあるのでしょうか?
ヨーロッパの地中海、大西洋の沿岸が原産地。栽培の歴史は古く、紀元前600年ごろにケルト人によって栽培化された野生種のケールがキャベツのルーツだと言われています。ヨーロッパの大西洋岸・イギリス南部からスペインにかけて、さらにアドリア海岸にかけて、その原種(ケール)が自生しています。
イタリア周辺では有史以前から栽培され、ローマ帝国でも食用とされていたと言う最古の野菜のひとつでもあります。世界で最もポピュラーな野菜ですね。紀元前後のイタリアの栽培記録の中に葉が丸い球になる結球性キャベツの記述が徐々に見られるようになりますから、この頃に品種改良で、現代の物に近い品種が作り出されたのかもしれません。
ちなみにギリシア時代、茹でたキャベツを湿布薬として使用していました。その後、イタリア(地中海沿岸)から北方に伝わって、フランス・オランダ・イギリスなどで多くの品種が生み出されて、16世紀にカナダに渡り、さらに17世紀にアメリカに渡り発展しました。
日本へは江戸時代・宝永年間(1704年〜1711年)に渡ってきたと言われています。『大和本草(1708)』に「オランダ菜・サンネン菜」と言う名前で紹介されています。オランダ菜と言う名称は、当時長崎にキャベツを持ち込んだのがオランダ人だった為にこの名前が付けられました。もっとも、この時に入ってきたのは現在の丸いキャベツではなく非結球キャベツの「ケール」らしいです。
しかしこの時代はこれを改良して観賞用野菜の葉ボタンが作られたのみで、野菜としては利用されませんでした。現在は英語名のキャベツと言う呼び名で定着しましたが、昔は「甘藍・かんらん」と言う呼び方が多く使用されていました。市場では「玉菜・たまな」と言う呼び方も使用されていました。中国へは日本より1世紀半近く後に伝わっているようです。
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