堀辰雄や有島武郎、室井犀星、川端康成、芥川龍之介、立原道造など、軽井沢にゆかりの深い文人たちの直筆原稿など約200点を展示しています。私が訪れた時は、生誕100年を記念して、堀辰雄展をやっていました。
サナトリウム、霧と散歩道、窓から外を眺めている療養中の少女、そんな軽井沢のイメージというのは、堀辰雄の小説によるところが大きいのではないかと思います。 堀辰雄と軽井沢の出会いは、一高生だった大正12年、室生犀星に誘われ初めて軽井沢を訪れたことに始まります。以後毎夏のように訪れ、「ルウベンスの偽画」「美しい村」「菜穂子」など軽井沢を舞台にした小説を多く発表しました。
また、敷地内には、堀辰雄の山荘[1412番山荘]があります。小説「美しい村」にも描かれている山荘で、もとは、旧軽井沢にありました。小さな木造の山荘は、小説の世界そのまま、病弱な少女がひっそりと住んでいそうな雰囲気です。堀辰雄は昭和16年から昭和19年まで滞在しました。その後、画家の深沢省三、紅子夫妻が夏のアトリエとして使用していました。
また、野上弥生子の書斎兼茶室も、北軽井沢から移築されています。藁葺き屋根の小さい家で、円い窓や縁側に風情を感じます。ここで、野上弥生子と高浜虚子は、月を眺めながら「ホトトギス」の話をしたそうです。住んでいる人の品性を感じさせる家だと思いました。
高原文庫の道を挟んで反対側に、「一房の葡萄」という喫茶店がありました。古い家が軽井沢の木々にとけ込んでいてとても素敵な建物です。それは、有島武郎の別荘「浄月庵」を移築したものでした。「一房の葡萄」というのは、有島武郎の小説からとった名前です。一階は喫茶店で、二階は軽井沢高原文庫との共通券で入れる展示室になっています。この別荘で、有島武郎は、愛人と共に自殺したのだそうです。そう思うと、この建物の持つ重厚さ、影のようなものが、余計に増したような気がしました。
数々の手紙や別荘を見ていると、軽井沢で過ごした作家達の気配が、時を越えて伝わってくるような気がします。彼らの小説や詩を、読み返してみたくなる場所です。
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