軽井沢といえばパン。パンといえば軽井沢というくらいに軽井沢のパンは有名ですが、恥ずかしながら、その事実を知ったのは、北軽井沢にペンションをオープンしてからでした。きっかけは、全国各地から軽井沢に修行に来ているパン職人さんたちが、私どもの宿に泊まりにくるようになってからです。そして、彼らのパンにたいする愛情を知るにつれ、パンに関する知識を仕入れるにつれ、うちの宿では安易にパンは出せないなという結論に達したのです。
よくペンションやユースホステルなどで自家製焼きたてパンを出しますという謳い文句がみられますが、それって、かまど焼いているパンなのだろうか? パン焼き機なのではないか? どうやって作っているのだろう?と思うと、私などは、自家製焼きたてパンよりも、きちんとこだわって作っている業者から仕入れてもらった方がいいなあと思うようになりました。パンの世界は奥が深いのですね。
さて、フランスベーカリーさんですが、あの万平ホテルでベーカーチーフを務めていた初代田村寅次郎が、1952年に独立創業してできた店です。それだけに、パン、パイ、クッキー、ケーキが高い評価を受けています。どうしても向かいにあるブランジェ浅野屋の方が有名であり、混み合っていますが、フランスベーカリーの熱狂的な支持者も多いようです。たとえばジョンレノン。ジョンレノンが自転車に乗って、毎日のようにフランスパンを買いに来たことで有名なお話です。
店内は、狭く、ほんとうに小さなパン屋さんです。ブランジェ浅野屋さんは、いかにも高級なパン専門店という雰囲気を漂わせているのに対し、フランスベーカリーさんは、町の小さなパン屋さんという感じがします。そしてパンが、いかにも手作りぽくて、種類が多いのです。規格品を大量に作っているという感じがしないんですね。味は、創業当時からの味を守り続けている伝統の味。
フランスパンは、切ってみると気泡が小さく柔らかいのに驚きました。ジョンレノンが愛したパンらしいのですが、なんかわかるような気がします。但し、値段は安くないです。店内に並ぶパンや洋菓子のほとんどが創業当時のレシピを使い、伝統の味を伝えているらしく、それゆえに伝統の味を愛するファンが多いようです。喫茶コーナーもありますので、店内で食べることもできます。
アクセス : 長野新幹線軽井沢駅より旧軽銀座方面へ徒歩20分
営業時間 : 7時−20時(11月−翌3月中旬8時−18時)
料金 : フランスパン270円、イギリスパン720円(各税別) など
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