2013年05月19日

赤ちゃんの好奇心

赤ちゃんの好奇心

 赤ちゃんが、北軽井沢ブルーベリーYGHにやってきた時、スタッフルームではなく、客室(1階)に入れました。理由は、天井が真っ白だからです。北軽井沢ブルーベリーYGHの客室は、天井が真っ白なのです。なぜ、天井が真っ白な場所にいれたかというと、理由があります。生後すぐの赤ちゃんは、縞模様とか、輪郭しか認識できないことが、最近の研究でわかっています。

 これは、猫と同じです。

 猫を、窓の無い四方壁だらけの部屋に入れたとします。しかも、四方真っ白だったとします。そこにマジックで、下手くそな窓の落書きを書いたとします。そして、猫を驚かすと下手くそな窓の落書き向かって飛び込んで逃げようとするのです。もちろん、窓は単なる落書きなので、猫は痛い思いをします。つまり猫は、輪郭しか認識できてないのですね。

(猫を飼っている人は、ぜひ実験してみてください)
 
 赤ちゃんも、これと同じだと言われており、黒い縞模様の服があったら、それだけをジロジロみるらしい。逆に白いハンカチには興味をもたない。輪郭がはっきりしないからです。それで、嫁さんが持っている黒い縞模様の服を目の前に置いたら、ビンゴ。そればかり見るではないですか。やはり、生後すぐの赤ちゃんは輪郭に反応するのかな? と思って、天井の白い客室に寝かせるようにしました。そうすれば、私たち親が、赤ちゃんの顔をのぞき込めば、天井を背景に顔の輪郭を強調でき、赤ちゃんに強い印象を与えられるなと思ったのです。

 しかし、この作戦は失敗しました。

 赤ちゃんは、壁ばかり見る。客室の壁の下の部分は、縦縞の板壁だったのです。ああ、ヤバイと思ったのですが、すぐに壁の縦縞に飽きてしまいました。そうです。赤ちゃんは、好奇心も強いけれど飽きっぽいのです。この原因を研究者たちは、パソコンに例えています。

 赤ちゃんは、買ったばかりのソフトの無いパソコンみたいなものだと。だから、いろんなソフトをインストールしている最中なのであり、一度インストールが終わったソフトには見向きもしない。逆に言うと、インストールができないと癇癪を起こす生き物でもある。だから赤ちゃんがぐずる原因の一つとしてソフトをインストールできないで欲求不満になっている可能性もあり得る。こういう時は、いくらあやしてもダメですね。好奇心を刺激しないと泣き止まない。

 これは、犬を飼ったことのある人は、よくわかるのではないでしょうか? 子犬は、なんでも囓るんです。囓って臭いをかいで世界を認識する。これを遮断するとどうなるかというと、世界に対して臆病になって、生活もままならなくなる。例えば、小さな犬小屋から生後1年間も出さなかったら、そこから出ようとしなくなります。これを矯正することはほとんど不可能です。

 野鳥になると、もっと極端で、多くの野鳥たちは、生後50日くらいまでに親のさえずりを聞かないと自分でさえずることができない。つまり繁殖ができない。だから、小鳥も子犬も、ある時期までは、ものすごく好奇心が旺盛で、それを阻害すると、生きていけなくなる。それでは困るので、好奇心が満たされないと、暴れたり泣いたりするような回路をもっている。もちろん人間の赤ちゃんもです。

 しかしですね、人間の赤ちゃんの好奇心を満たしてやるのは、すごいシンドイことなんですよね。いちいち赤ちゃんにかまってやらなければならない。1歳をすぎれば、かまわなくても、勝手に動いて自分で好奇心を満たすんですが、まだ動けない新生児の場合は、そうはいかない。いないいないばーなんかを、さかんにやらないといけない。しかも、すぐ飽きてしまうときている。これはシンドイですよ。

 うちのように宿屋でもやってて、御客さんがかまってくれるなら、まだ楽なんでしょうが、普通の家庭じゃ無理というもの。おもちゃを買っても、早ければ3時間くらいで飽きてしまう。なので、ティッシュで顔をなでたり、ティッシュを上から顔に落としてみたり、くすぐってみたり。金のかからない方法で、好奇心を満たしてやらなければならない。でも、できれば、楽な方法が望ましい。それで、テレビや音楽なんかも使ってみたが、残念ながら、これもすぐに飽きました。唯一、飽きないのが買い物や散歩です。あとは,見知らぬ人間。このへんは、コロ(子犬)と同じですね。犬と人間は、ある意味でよく似ています。



つづく。

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posted by マネージャー at 23:22| Comment(6) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いろいろな実験レポート、興味深く拝読しています。ちなみに私は弟や年下のいとこがたくさんいたので、スイッチは5歳頃から入ってました。
好奇心、あまり気にしなかった(自分にゆとりがなかった)けれど、必要に迫られて息子の首が座ったらおんぶしました。食器を洗うのを私の肩越しにジーっと見ていましたねぇ。
生後8ヶ月で仕事に復帰してから朝7時に出勤、帰宅は夜7時。夫の実家に毎晩お世話になりましたが、義母が着物の紐とバスタオルでおぶって夕食の支度をする、それを肩越しに見ていつの間にか眠る…そんな感じでした。
自分で座ったり移動したりして視線が変わるまでは、好奇心を刺激してやるのも親の役目なんですね。
Posted by あんみつ at 2013年05月22日 08:03
>好奇心、あまり気にしなかった(自分にゆとりがなかった)けれど、
>必要に迫られて息子の首が座ったらおんぶしました。
>食器を洗うのを私の肩越しにジーっと見ていましたねぇ。

むかしから、ダッコはダメで、おんぶが良いと言われてきていますが、ダッコは甘えを大きくさせる弊害があるからですね。ただし、他人にダッコさせるのは、甘えにはならないで、好奇心を刺激させるから、逆に、どんどんダッコさせた方が良いとも言われています。ラズベリーYHの曽原マネージャーは、それで大成功したと思います。

でも、親は、おんぶを主体にした方が、いいと昔から言われてますね。昔の人の知恵だから特にもっともらしい理論は無かったと思いますけれど、おんぶだと、赤ちゃんの好奇心を刺激しますね。ダッコだと、お母さんの顔しか見えないけれど、おんぶだと、いろんなものが見えてきますからね。
Posted by マネージャー at 2013年05月24日 07:08
あぁ、なるほど。確かにそうですよね。
私は単純におんぶだと両手が空くからだと思っていました。昔は子どもが多かったから抱っこなんかしてたら仕事ができないし、今みたいに世の中が子ども中心じゃなかったからかな、と。

フランスにいた時、どうやらフランス人にとっておんぶはアフリカ人のイメージがあるみたいでしたね。フランスでおんぶってしてこなかったのか?と疑問に思ったことがあります。
日本でも最近はおんぶを見なくなったけど。
Posted by まる at 2013年05月27日 22:45
>私は単純におんぶだと両手が空くからだと思っていました。

ネットなんかでは、さかんに書かれていますね。しかし、怪しいと思いますよ。「抱き癖」というのは、労力のための言葉ではないですよ。昔は、人件費が安かったんですよ。極貧でなければ、子守を雇えたんです。お手伝いさんも雇った。戦前は家碑といってましたけれどね。「おしん」も子守の奉公に行ったけれど、その給料は米で支払われていました。で、「おしん」を見た人はわかると思うけれど、おしんは、だっこなんかしてない。おんぶです。別におしんは、他に仕事があるわけではないけれど、おんぶで子守しています。昔のニュース映画をみても、もんな子守(お母さんでは無いですよ)は、おんぶです。

Posted by マネージャー at 2013年05月31日 23:46
ええ??
でも、奉公に出した家っていうのは要するにお金がないんですよね。おしん、私はみたことがないのですが、私の祖母が子どもだったころの時代だと思うし、普通、その年齢の子たちにとっての仕事っていうのは、学校にいくことだったりしますよね。おしんは行ってないらしいですけど。

私の祖母は奉公には行ってないけれども、末っ子ながら甥っこをおんぶして学校に行ったりしてたみたいですよ。
だからと言って(子守を雇えないからと言って)すごく貧しいかというとそうわけでもないらしい。祖母が子どもの時代の福島には、そういう子が沢山いたようですよ。

人を雇わなければ、当然母親はおんぶして家事して…ってなりますよね?もしくは、兄弟がそれをやって、農家さんだったら母親も働いているのではないでしょうか?それが一般的な風景ではなかったのでしょうか?

単純に両手が空くからおんぶだったと思っていたけれど、だからといってそれが悪い理由だとは思ってないです。よい距離感なんじゃないですかね。その人の生活に、その中の一部として存在する赤ちゃん、なんですよね。
赤ちゃん中心なわけでもなく、お世話をされないわけでも、邪険に扱われてるわけでももちろん全くなく、とても真っ当な関係なように感じるので、私はむしろおんぶのほうが好きですよ。

Posted by まる at 2013年06月01日 09:49
いつのまにか話がずれてますね。もう一回言いますが、おしんは、他に仕事があるわけではないけれど、おんぶで子守しています。子守専門の仕事ですが、おんぶです。地方には、当時の大金持ちの写真が残っていますが、おんぶしてますよ。だっこではないです。そういうことです。

 あと、ずれた話におつきあいすると、当時は、貧乏人でも人を雇わなければならなかった理由があるのですね。理由は当時の生活スタイルにあります。当時、和服をどうやって洗濯してたか知ってますか? 電化製品はありません。調べて見ると面白いですよ。もう気が遠くなりますから。

 あと、当時の人は、今より服装にこっていました。そして年齢によって着るべきものがきまっていたんです。挨拶や行儀や行事、親戚つきあいなどもうるさかったので、折り目折り目に、それなりのかっこうが必要でしたが、家電製品が無いんです。それで凄いことになってしまう。人々は大忙し。昔の日本人は、貧乏だから忙しかったと言うより、別の理由があったりしました。出典は忘れましたが、大正時代の東京麻布区の世帯主の7割が家碑(お手伝いさん)を雇っていたというデーターもあるくらいです。まあ、これ以上は、別の機会に。
Posted by マネージャー at 2013年06月01日 13:08
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