私の実家では、家族全員が、ムツゴロウさんも顔負けなくらい動物好きでした。犬猫はもちろんのこと、兎、野兎、ニワトリ、チャボ、鳩、雀、うずら、小鳥、熱帯魚、金魚、鯉、ドジョウ、鮎、亀、ナマコ、スズムシ、コウロギ、カブトムシなどありとあらゆるものを飼っていました。

鳩なんかは百羽以上飼ってたこともあります。最初は二羽から飼い始めましたが、これがやたらと卵を生みました。鳩は一度に2個づつ卵を生むのですが、私が飼った鳩は、たて続けに2個生んで、計4個も卵を抱きかかえるほどでした。
そうなると卵がはみだしてしまいます。それでは孵化しないので1個だけコタツで人工孵化をしたりしましたが、必ず家族の誰かが間違えてペチャンコにしてしまったものです。
それから先に生んだ卵の雛が孵ると、後の卵が駄目になったりします。そういう場合は、先に生まれたを親鳥から隔離して、ヒナにミルクを与えます。そして鳩のヒナと一緒にベッドで寝起きしますが、ベッドは糞まみれになります。ちなみに鳩の糞は畑の肥料に最適で、これを堆肥にすると2倍の収穫が得られます。
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それはともかく、熱心に鳩を飼っているうちに、鳩はどんどん増えていきます。20羽、30羽と増えていくと鳩小屋を作り直すハメになります。家族でトンカチを持って日曜大工。
鳩も30羽以上に増えると、別の家で飼われている鳩や、野生の鳩をナンパしてきますから、50羽、60羽に増えるのは、アッという間です。そうなると悲惨なもので、鳩小屋掃除や、餌をあげるのもけっこうな重労働になります。
さらに百羽くらいに増えると、餌代だけでも馬鹿にならないので、かたっぱしから友人に売り飛ばします。しかし、鳩という鳥は帰巣本能が強いので、すぐに我が家に帰ってきました。そのたびに友人から詐欺師扱いにされたものです。
ウサギも3回ほど飼っています。ウサギというと、かわいいというイメージがありますが、あれでけっこう凶暴ですから油断なりません。特に野ウサギなどは、かなり凶暴なので、噛みつかれると1週間以上の怪我をします。
ところで動物を飼っていると、動物の糞を平気でさわれるようになります。汚いとも何とも思わなくなります。ですから家の中にウサギを入れて部屋中、ウサギの糞だらけにしまって親に叱られたものです。ウサギの糞は、マーブルチョコにそっくりなために、まだ小さかった弟が、何度も間違えて食べてしまったからです。
ところで、ウサギを飼うとかならず野犬やノラ猫に食べられてしまいました。自然界の掟は厳しいものです。ウサギ・鳩・鯉・ニワトリなどが何度も野犬や猫に殺されました。そのたびに私は号泣しました。そして決意するのです。
「死なないペットを飼おう!」
「地上最強のペットを飼おう!」
つまり犬を飼うことを決意するのです。
(そして4回も犬を飼ってしまった)
家族会議で犬を飼うことが決定すると、どの犬種にするかで大モメになります。『愛犬の友』という雑誌を片手に大議論。結局、コリー犬に決定。その後は、犬に対する教育方針をめぐって家族が対立。
犬を飼ったことがある人なら分かると思いますが、犬という生き物は、生後1〜4ヶ月くらいで性格が決定します。生後4ヶ月までの間に隔離された室内で子犬を飼ってしまうと、外界に対する好奇心を全く失ってしまいます。そして御主人様以外の人間や動物に興味を示さなくなります。
そうなると完全な愛玩犬になってしまい、飼いやすくはなるのですが、犬としての野性味を失ってしまいます。そうなると、四六時中飼い主を追って家の中をついて歩き、とり残されると哀れっぽく鳴き続けて、飼い主の注意をひこうとする、情けない犬になってしまいます。そういう犬は、やたらとお腹を見せます(降参の意味)。
私は、そういう犬を飼うのは、まっぴら御免でしたから、親の目を盗んで、あちこちに散歩につれていき、野犬や野良猫と戦わせました。わざと私の腕を噛ませて、ナウシカのように噛み加減を教えました。そして私自身、飼い犬と格闘しました。
ちなみに名前は『コロ』です。私の実家では、4代にわたって犬を飼ったのですが、どういうわけか私の家では、必ずコロと言う名前がつきました。
この時は、3代目のコロでした。
この3代目コロは、私の教育によって、地上最強のコリー犬となり、佐渡島のどの野犬と戦っても負けない戦士に改造されました。その結果、3代目コロを散歩の時に制御できるのは、家族の中で当時高校2年生だった私だけになってしまったのです。愛玩犬に育てようとした母親・父親は、さぞガッカリしたことでしょう。
そして、3代目コロが最強になった時、事情があって私は家出してしまいました。残された両親は、最強の犬の扱いに途方にくれてしまったことでしょう。懺悔!
【風より】
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