注− この物語は、八海山登山にでかけ、悪天候に挫折し、日本酒八海山を飲むところからはじまる・・・・・。
日本で一番、お酒が美味しいところと言えば、新潟でしょう。中でも幻の名酒『八海山』は有名です。東京で買ったら一万円ちかくしますが、それ以前に売っていません。それほど人気の高い酒です。しかし、幻の名酒『八海山』を居酒屋で飲んだ時、
「まずい」
と思ったからたまりません。『八海山』だけでなく『越の寒梅』も美味しくなかった。『雪中梅』も美味しくなかった。これは、どういうことだろうか? 単なる趣味の問題なのでしょうか?
ところで、悪天候のために八海山登山計画が失敗してしまった、私たち『風のたより』メンバーは、新潟県の堀之内町にでかけました。堀之内町は、八海山から車で1時間くらいで行けますからね。
さて、堀之内町のことですが、この町は新潟県民なら誰でも知っている有名な町です。何で有名かと言いますと、鮎がつかみどりできるヤナ場で有名なんです。そこへ行って鮎の塩焼きでも食べようという企画でした。
ならば途中で、酒を調達しようってんで、酒屋を捜しまわったあげく、シャッターが半開きになってる、やる気のなさそうな酒屋さんをみつけ入店しました。
すると、純米吟醸の『八海山』が四千円という安値で売っているではないですか! その瞬間、曽原君の目の色が変り、彼は「売って下さい!」と叫びました。しかし、店の人も全く商売けがなく
「地元民じゃなさそうだが、どこから来たのか?」
と聞いてきて、まるで売るそぶりをみせません。しかし、曽原君の熱意がきいたのか、みんなの威しがきいたのか1本だけ売ってもらいました。
まったく酒くらいで目の色を変えるなよなあ〜。恥かしいったらありゃしない。こいつらときたら八海山に登りに来たのか、八海山を飲みに来たのか分ったもんじゃあないな〜と思っていると、曽原君は、
「風さん、ちょっと飲んでごらん」
「いらないよ」
「まあまあ、そう言わずに」
「君ねえ、運転手のこと考えてる? 昼間から酒ばかり飲んで、少しは常識ってものを考えなさいよ」
「まあまあ、まずは一口飲んでみてよ」
「どれどれ・・・・そこまで言うなら味見を・・・・うん?」
「ねっ!」
ああ、天にも昇る気持ちって、こういうことを言うのでしょうか、うますぎる。美味しすぎる。こんな酒は初めてだ。これは、いったいどういうわけだろう?
日本酒オタク・のんべい曽原君の話だと、保存の状態と、蔵出しから1ヶ月もたってないのが原因だそうです。ようするに、どんな銘柄でも、保存のしかた一つで、まるっきり味が変わってしまうのだそうです。
「風さん、どうです? 飲んでばかりいないで何か言って下さいよ」
「・・・・」
「うまいでしょ?」
「いや、まずい」
「え?」
「こんなまずい酒は、俺が全部飲んでやる」
「そ、そんなあ〜」
すると飯田君がやってきて『みどり』という酒をさしだしました。
「風さん、こっちも飲んでみなよ」
気軽に飲んでみると、目が飛び出るほどうまい!
『八海山』を飲んだ後なのに、全く味に見劣りががしません。
う〜む、
おそるべし日本酒!
おそるべし新潟の酒!
おそるべし八海山!
こうなると鮎の塩焼きのことも、何もかも全て忘れてしまいます。ただ、ひたすら名酒『八海山』を味わうだけになります。西山友昇君の車には、私と、曽原君と、飯田君という地上最強の酔っぱらいメンバーが乗り込み、ドンチャン騒ぎをしまくりました。
けれど、私たちが盛り上がれば盛り上がるほど、ドライバーの土井君の目は、だんだんとつり上がっていきました。
「土井君、怒っているのかなあ?」
「気のせい気のせい」
すると、怒れる土井君は、私たちの酒を奪い、トランクにしまいこみました。その時の彼の顔は、大魔人のような顔をしていました。怖かったなあ〜。
追伸・・・・
★地上最強の日本酒
日本酒には、700種類を超える成分が含まれています。においだけでも200種類を超える成分があります。他の酒と比較した場合、 ウイスキー、ブランデーで400種の成分、ワインで600種の成分ですから、いかに日本酒の成分が豊富なのかがわかりますね。昔から酒は百薬の長といわれ続けてきた理由もうなずけます。日本酒は非常に複雑な成分をもつ物質で、とても神秘的な液体なんですね。
★私が日本酒を飲むようになった理由
昔、私は酒類が嫌いでした。飲める酒といったらビールくらいしかありませんでした。ところが、ある時、日本酒に目覚めてしまった。恩師が、
「日本酒というのは、飲むために存在しているのではない。肴を食べるために存在しているのである。あくまでも酒は従で、肴が主なのである」
と教えてくれてから日本酒に目覚めてしまった。そこで恩師から伝授してもらった日本酒の飲み方を紹介しましょう。
@酒はチビチビ飲むこと
A肴は、酒とともに味わって食べる
B肴の種類は多いほどよい
C酒は肴を美味しく食べるためにある
★酒を飲む温度
生酒の場合は、冷やして飲むのが鉄則です。温度は5℃〜10℃くいらまでです。原酒タイプの生酒ならレモンを添えた水割りで飲んでもいいですね。冷凍庫に入れて、シャーペットにして楽しんでもいいです。生酒は、いろいろな飲み方を楽しめます。
吟醸酒の場合は、15℃くらいがいいみたいですね。香りがよくたち、口あたりもよく、上品な味を楽しめます。絶対に燗酒にしないで下さい。美味しいお酒は、冷やして飲むのがコツですが、冷えすぎると香りがたたないそうです。香りを楽しむなら、適度に冷やす必要があります。
燗酒の場合は、38℃〜50℃が目安で、まずい酒ほど熱燗にして飲むというのが原則です。美味しい酒は、ぬる燗にしましょう。
恩師のお言葉、いいですね!
私は、おいしいお酒があるところにはおいしい肴があると信じてます。
旨そう。
飲みたい。
旅に出たい。
八海山うまいですよね。地元で飲むのは格別でしょうねぇ。うらやましいです。
八海山、美味しいですよね。
以前飲んだ八海山の記事を
トラックバックさせていただきました。
お酒の保存、重要ですよね。
低温で3年以上熟成させたお酒は
味に丸みが出て格別です。
「はなもも」について書きました。
ちょっと変わった日本酒ですね。
酒はじっくりと飲んでみたいものですね。
大学戻って、何度か学生の新歓コンパというものに参加してみましたが、彼らは酒の飲み方というものを根本的に分かっていませんね。
あれでは、酒がかわいそうです。