御嶽山は、9月11日に火山性地震85回を観測している。その時点で、どうして気象庁は、レベル1から2に引き上げなかったのだろうか? 引き上げていたら被害はもっと少なかっただろう。といっても、火山性地震85回の数は、決して多いものではない。阿蘇山なんか毎日、100回以上だし、草津白根山も8月上旬までは、かなりやばかった。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/weekly_report/2014/2014w39/2014w39.htm
ここから本題に入る。
なぜ、このような大惨事になったかを単純明快に、小学生にもわかるように説明したいと思う。
御嶽山の噴火によって半径4キロ以内は入山禁止となった。
ここがポイントなのだ。
半径から4キロ離れていれば、火山はたいして怖くないのである。
あれだけ噴火しても半径4キロの外なら安全なのだ。
なので、吾妻山や浅間山などもレベル3になると半径4キロの立ち入りは禁止になる。
ところがである。
どこもかしこも半径4キロというふうにはいかないのだ。具体的に言うと桜島。桜島の半径4キロ以内に何があるのか? 桜島がスッポリはいっちゃうのだ。鹿児島市は、ぎりぎりセーフ。で、今の桜島の噴火警戒レベル3なのである。ここに半径4キロを適用したらパニックになるだろう。もちろん、そんなことできるわけがない。だいいち鹿児島の人間は、桜島の噴火と共生してきた歴史がある。余計なお世話だろう。口永良部島や阿蘇山だとさらにパニックになる。一回地図を開いてみてほしい。
じゃあ浅間山は?
幸いにも半径4キロ以内に民家は無い。生活道路も、ほとんどない。だからレベル3になっても何もかわらないのである。住民も観光客も何の心配も無い。しかし、そうはいかなかった。2004年の噴火では、ストロンボリ式噴火にもかかわらず風評被害で観光客はバタッとこなくなった。だから風評被害は怖いけれど、火山は怖くない。噴火しても4キロ以内に民家は無い。5キロ以内にもほとんどない。あっても別荘が多少ある程度である。
草津白根山はどうだろう?
もう絶望である。もし草津白根山がレベル3になったら、御愁傷様というしかない。半径4キロの中には、万座どころか草津温泉の中心街もスッポリ入っている。だから、この夏は、草津町民は生きた心地がしなかっただろう。もちろん志賀高原もそうであるが、風向きを考えたら東側にある草津町民の心臓はバクバクものであったと思う。さいわい、草津白根山は首の皮1枚でレベル2にふみとどまったが、レベル3に近いレベル2だったと思う。さいわい9月になってから火山性地震がパッタリとまった。まだ油断はできないが、このままいけば、レベル1の安全水準になる日も遠くないだろう。
さて、ここで気が付いた人もいると思う。レベル3になっても大して影響の無い地域と、そうではない地域があることに。
では、御嶽山はどうなのだろうか?
半径4キロ以内に、山小屋はもちろんのこと、ロープウエイやら温泉やらスキー場やらキャンプ場やら旅館ペンション民宿など、いろんなものがワンサカある。つまり御嶽山が噴火すると自動的に被害がおきやすい地域なのだ。
で、思い出されるのは、民主党が2010年に行った事業仕分けである。民主党は気象庁火山噴火予知の予算カットして御嶽山は、噴火予知のための観測強化の対象から外されるたのだ。
https://megalodon.jp/2014-0927-2219-43/p.twpl.jp/show/orig/JxwQX
もちろん2013年政権に復帰した自民党は、御嶽山の観測強化を図るのだが、3年間のブランクが大きかったか、それでも被害が大きかった。また別の原因として、急にレベル1を2に上げられなかったというのもあるかもしれない。
現に気象庁は、平成26年 No.39 週間火山概況 (平成26年9月19日〜9月25日)で、警戒を呼び掛けてるのである。けれど、その週間火山概況を調べて登山計画をたてる人が何人いるだろうか? ほぼ皆無ではないだろうか? となると、レベルの上げ下げを簡単に行う行政のシステムが必要なのかもしれない。
しかし、そうなるとレベル3になるたびに大騒ぎしなければならない地域が出てくる。そういう場合は、自己責任を認めれば予算はかからないはずだ。登山道の入り口に火山レベルを表示した電光掲示板を設置するだけでいいのだから。あとは自己責任でよいと思う。行政は、登山客・観光客に判断させる材料の提供に徹する・・・・と。しかし、事故が起きるとそうも言ってられないのが現実なんだろうな。この問題は、根が深そうだ。
つづく。
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なるほど、山によって、全然違うんですね。
私なぞ、完全に山ド素人ですから、中級程度の登山経験者に誘われて、初心者には易しいから、と、言われたら、警戒なんてせずに、ついていきかねません。
ましてや、中級以下の登山経験者は、地震回数も気にしないかも知れないですね。
そう考えると、楽観的で自負の強すぎるツアーリーダーに頼るのは、怖くなってくるなあ。
ま、そのツアーリーダーてのは、ウチのダンナですけれど。
民主党政権が続いていたらもっと被害は大きかったかも?
心配してます。デカさん!
詳しいわけではないので、間違いがあるかもしれませんが、
今回の噴火は水蒸気爆発だった一方、火山性地震は
マグマの溜まりや移動に関係して発生するので、予測は
困難だったのではないかと聞きました。
災害があると「勧告がなかった」といって騒ぐマスコミは
常の事ですが、お上の指示に従っていればよく、それで
難があると不平をいうという態度はいかがなものか?
予測には技術的にも未だ困難がある以上、情報は示すが
判断は自己責任とするマネージャーの意見に賛成いたします。
ところで、このblogは海外からは書き込めないのでしょうか?
>楽観的で自負の強すぎるツアーリーダー
登山家は、地理・星・植物・野鳥・気象・天文・無線など、いろんなことに詳しいんですけれど、意外に火山のことに詳しくないんですよ。地質に詳しくても火山には詳しくない。これはかっての私もそうでした。火山に詳しくなったのは宿屋をはじめてからです。
マサさん
その通りだと思います。
あの仕分け騒ぎは最低だったと思います。
エバさん
ご無事だといいですね。
Akiさん
浅間山の噴火の時に、
マスコミの駄目さ加減にに気が付いて以来、
すっかりマスコミ不審になりましたね。
>ところで、このblogは海外からは書き込めないのでしょうか?
書き込めるように設定しました。
実は今ウガンダに来ています。12月まで。
極小NGOの図書館を手伝ってます。
海外からrejectはセキュリティ対策だと思いますので、
戻していただいても結構です。
書き込みたいときは日本のPCに入って書き込めますので。
と言っても湖の反対側ですけれど。
あのへんあたりこそが私にとってアフリカってイメージですね。
カンパラからやってくる道中ナイル川を渡り、六合村のあるみたいにヒヒが群れているところがありました。
六合村のある→六合村の猿
(今は政治的に安定してるのだろうか?)
それにしてもヒヒとはうらやましい。
だけど、実際に会ったら怖くて震えるかもしれないけれど。
ヒヒは人馴れしていますが、食べ物を持っていたりすると危ないらしいです。写真はもちろん車の中から。
くれぐれもお気をつけください。
はやくアフリカに平和がくるといいですね。