嬬恋村も例外では無い。
わが息子は、そんな流行とは関係なく
古事記の倭健(ヤマトタケル)からタケル(健)と名付けた。
日本最古にちかい名前である。
話しは変わるが中学時代の数学の先生の名前が、佐治兵衛という名前だった。かなり老齢で、明治生まれだったと記憶している。明治時代には、○○兵衛とか、◇◇右衛門とか、△△左衛門といった名前をつけるのがブームだった。これらは朝廷の官職名である。以前は、勝手に名乗ることが許されなかったが、明治維新後に子供に名付けるのがブームになった。
「オラは、朝廷の直臣であるぞ」
というモチベーションで名付けられた。
それまでは、身分の低い百姓であったが、明治維新後に朝廷の直臣になることで、元大名の子弟とも対等であるという気概をもって名付けたのである。それが明治維新のもつ本質だった。つまり、○○兵衛とか、◇◇右衛門とか、△△左衛門というのは、明治時代のキラキラネームであった。なんのことはないキラキラネームは、昔からあったのである。
もちろん大正時代にもキラキラネームはあった。女性の名前に「子」をつけるスタイルである。これは大正時代のキラキラネームである。うちの嫁さんも「子」がついている。智子である。しかしキラキラネームはいずれ廃れる。現代に佐治兵衛または智子と名付ける親は少ないであろう。しかし、タケルをつける親は細々ながら何百年と続くであろう。流行はうつろいやすい。何れ廃れて錆びていく。
ここから本題にはいる。
嫁さんの名前は、智子であることは既に述べた。問題は、私の名前が「智(さとし)」であることである。夫婦の名前が、智と智子なのだ。もちろん発音上は全く違うので日常生活に問題は無い。ややっこしいのはメールを出すときである。
予約メールには、嫁さんが返事を返している。メールアドレスには、佐藤智子という名前がついている。で、マネージャーの私の名前が佐藤智なので、
「マネージャーさんは、ネットおかまをやってるんですか?」
と聞かれることが度々ある。
ネットおかまとは、男のくせに、女の名前を語って、インターネット上に書き込む人のことである。女の名前を語ると、それだけレスがもらいやすいからである。
以前、某ペンション組合のメーリングリストに、友人の女性ペンションマネージャーと一緒に加入したことがあったが、女性ペンションマネージャーには、30も40もレスがつくのに、私には全くレスがつかなかった。女性であるかどうかで、これほどまでに待遇が違うと、かえって清々しいもので、当然のことながらロム専門になる。だからレスが欲しい人は、女性に化ける。つまりネットおかまになるわけだ。
しかし私は、ネットおかまではない。
ネットおかまになる理由が無い。
佐藤智子は、私の嫁であって佐藤智と別人格である。
おまけに、返信メールのフッタに、このブログのアドレスが書いてあるので、このブログを嫁さんが書いてあると思い込んでいる御客様もいる。また、嫁さんが御客様にメールの返事をかくと「なんで佐藤智でなくて佐藤智子なんですか?」という人もいる。「子は変換ミス?」という勘違いしてくれるひともいる。まったく、ややっこしいと言ったらありゃしないので、最近は自らを佐藤智とよばずに「マネージャー」というようにしている。
つづく。
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