この県道は、旅の歌人若山牧水が、大正11年の秋に草津温泉から花敷温泉に遊び、小雨でこの橋(2代前の木桁橋)を渡って、暮坂峠を越えて沢渡温泉に抜けた道路であり、この道の印象を牧水の代表作と云われている「枯野の旅」という長詩に残しています。
群馬県内の最初の道路鉄橋は、1899(明治32)年竣工の「利根橋」。この吾嬬橋は、1901(明治34)年竣工なので現存する道路鉄橋としては最も古いものに属します。延長69.0m。幅員2.5m。昭和34年に利根川に架かっていた旧板東橋の一部を六合村へ移設したものです。今も残っている群馬県内の鉄橋の中では最古のもので、六合村の文化財(村指定建造物)に指定されています。
この橋(旧・坂東橋)は「ペンシルバニア型トラス鉄橋」といって、斜めに組み合わされた鉄骨がピンによってトラスに結合されてる橋です。米国製の輸入鋼材でつくられています。この「吾嬬橋」鉄橋の架設によって、暮坂峠を経て中之条と草津が自動車の通行できる道路で結ばれ、東武バスも運行されるようになりました。
つづく。
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