そのせいか今年の信州産のフルーツの糖度が高い。
甘いのだ。
特に軽井沢JAの売り場のフルーツが美味しい。
なので、毎日のように梨や林檎を買ってきて食べている。
で、気がついたことがあった。
家族で、好きなフルーツが違うことが。
私が好きな果物は、桃・梨・渋柿であるが、嫁さんは、マンゴー・林檎・ブドウを好む。一歳7ヶ月の息子は、ミカンが大好物である。1日に5個くらいのミカンはぺろりと食べてしまう。私もミカンは嫌いでは無い。理由は、皮をむく手間が少ないからだ。もちろん桃は大好物ではあるが、皮をむくのが面倒なので、あまり買って食べない。嫁さんも嫌いでは無いとは思うが、値段が高いので買ってこない。結局、安くて食べやすいミカンを家族でほおばることになる。
だから毎日のようにミカンを持って息子を背負って浅間牧場を散歩している。浅間牧場には、見渡す限りのススキの草原があるところがある。そこに到着すると、息子を下ろす。息子は、大喜びでススキの原っぱを走った。ススキは、太陽光線を反射して、キラキラと光る。それを息子は不思議そうに眺めるのである。
私は、ススキの1本を折って息子に渡した。
息子は、キャッキャとススキを太陽にかざした。
日光を反射するススキを不思議そうにながめている。
そして動かない。
仕方が無いので、ミカンをむいてさしだす。
すると、ミカンにつられて息子は私のところに駆け寄ってくる。
私は、ミカンで息子を釣るように、ゆっくりと浅間牧場を移動している。
そうしないと息子は、いつまでもススキの草原を動いてくれないのだ。
よほどススキが好きらしい。
こんな散歩を毎日していた。
今月は、晴天続きだったので、
いつもススキの原は、海のように光を反射していた。
そして今日も、ポケットにミカンを5個ばかりいれ、息子を背負って浅間牧場を一周した。
しかし、ススキの草原に到着すると、大きなトラクターが動いていた。
トラクターは、ススキを根こそぎ刈り込んでいた。
息子は、驚いて凍り付いていた。
トラクターをじっと見つめていて動かなかった。
私は、いつものようにススキを1本折って息子に渡した。
息子は、それを受け取って、5分ばかり、じーっと見つめ、ススキを放り投げた。
デジャブーを見た気がした。
北軽井沢も軽井沢も、ある日突然、何万坪もの木が切られている。そして、太陽光発電ができつつある。そんな光景が、過去にあったことを思い出した。今、軽井沢には莫大な薪が山積みで売られている。例年にない多さである。
話がそれた。
ススキのことである。
息子は、なぎ倒されたススキと
自分が放り投げていたススキをみつめていた。
そして動かなくなっていた。
しかし、ぼーっとしてはいられない。
トラクターは、刻一刻と、こちらに近づいてくる。
私は、ポケットからミカンをとりだして、息子に渡した。
息子は、やっと笑顔になった。
すかさず抱き上げて、その場を立ち去った。
息子は、その一時間後に、嫁さんの実家に向かって旅立っていった。
別れ際に、息子は悲しそうな顔をしていた。
しかし嫁さんの実家、館林(大湿地帯)には、ススキがたくさんあるのだ。
つづく。
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