しかしである。そうはいっても、それを許さない状況もある。1歳8ヶ月にもなると、息子は親に甘え始めるからだ。何時間か私が息子に顔をみせないでいたら、息子は私を探し出す。そして私を見つけると、ダダーッと走ってきて抱きついてくる。そしてダッコを迫るのだ。母親には、それをしないのに、私には要求する。どうしてだろう?と不思議に思っていたが、よくよく考えてみたら、息子は重いので、嫁さんはダッコなどの力仕事は全て私にふっていた。そのために私は、腰を痛め、肘を痛めたのだが、もう限界である。
ちなみに私は、息子を厳しく躾けている。日に、何度も叱りつけているが、そのたびに息子は泣きながらダッコまたはハグを要求してくる。そのつどハグしながら言い聞かせているのだが、理解力は素晴らしいので、少しづつ世間を知りつつある。ただし、その代償も大きかった。コップを割ったり、急須を割ったり、お金を破いたり、灯油をぶちまけたりした。
もちろん、そういう事故を防ぐことは簡単だ。息子と一緒に仕事をしなければよい。仕事中にベビーサークルに入れて隔離すればよいのだが、そういう選択が、愛犬家の私にはない。そんなことをすれば犬だったら引きこもりになる。他の野生動物にしても同じである。ある時期に社会に出してやらないと、適応できなくなる。
だからそれを知っている人間は、わざと1歳8ヶ月の赤ちゃんの前で、ストーブに灯油を入れてみせる。もちろん息子も真似をしたがるので、電動灯油ポンプのスイッチを押したがる。
「ダメだよ」
と何度も注意するが、押したがる。で、ほんの三秒くらい場所を離れていると、電動灯油ポンプのスイッチを押して、息子は灯油まみれになり、あたりは灯油の海となり、息子は泣きながら私のところに逃げてきた。
もちろん大声で息子は叱りつける。すると例のごとく、泣きながらダッコまたはハグを要求してくるのだが、それをはねのけて、叱りつけた。それがショックだったようで、しばらくは部屋の片隅で落ち込んでいた。自分が悪いことをしたことは理解できたようで、それから二度と電動灯油ポンプのスイッチはいじらなくなった。
ただし、その作業は、ジーッとみている。
たぶん、真似したくてたまらないのであろう。
近い将来、息子に、この作業を教えることになると思う。
今、息子にやらせている仕事は、ルンバのスイッチを押させる仕事である。
あと忘れ物を集めさせる作業である。
これは喜んでやる。
そのために軽井沢オモチャ王国に連れていくと、散らかっているオモチャの整理整頓を始める。親の仕事を自分なりに真似していると思われる。子供という生き物は、恐ろしいくらいに親の真似をする。最近は、教育テレビの体操も真似しだした。YouTubeの動画サイトの踊りをみせると、それも真似する。特にフィンガー5はお気に入りで、歌いながら踊り出す。
かなり難しい踊りなのに、自分なりに真似している。
親が使っている箸も使いたがるようになった。
私が読んでいる本も読む真似をして読むようになった。
ペットボトルをラッパ飲みする仕草も真似した上に
「あー」
という私の飲み終えた後の声まで真似する。
丸いものをみつけると、自動車のハンドルにみたてて回してみせるし、車の運転席に座らせると、あちこちのスイッチをおしつつハンドルを回す。リモコンをみつけると、子機で電話している親の真似をして、さかんに誰かと会話している。
酷いのになると厨房のガスのスイッチを入れてみたりする。何でもかんでも真似するのだ。それだけに恐ろしい。油断したら火事になりかねないからだ。だから厨房には絶対に入れないし、入ってきたら遠慮無く叱りつけることにしている。だから息子は絶対に厨房には入らない。そこが禁断の地であることは理解しているようだ。
そういう理解力だけは素晴らしいのだが、まだ1歳8ヶ月なので「厨房から出てきて」とばかりに訴えてくる。仕方が無いので、1分だけ出て行ってハグしてあげなければいけない。時々、めんどくさい気分にもなるのだが、それでも子供の笑顔に癒されるので楽しんでいる。
つづく。
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