2014年12月11日

親の背中

 今日は、私は家で留守番である。嫁さんが遠くに出かけてしまったからだ。オフシーズンになると、嫁さんはたびたび出かけるのだが、ひとりで留守番しているときは、たいていはカップラーメンか、コンビニ弁当だった。ところが、去年からはそういうわけにはいかなくなった。息子が生まれたからである。柄にもなく、息子のために料理を作って食べさせることになる。

 ところで嫁さんは、息子のためにパンを作っておいてくれた。息子に食べさせるためのパンである。だから、自家製のパンである。変な添加剤や、ショートニングや、マーガリンの入ってない、健康に良いパンを作って、台所に置いて、朝の7時ぐらいに出かけてしまった。

 息子が生まれるまでは、パンはパン屋さんから買っていた。しかし、赤ちゃんが生まれると、安全なものしか食べさせられないので、パンは自分で作るようになった。幸い最近のパン焼き器は、変なものを添加しなくても非常においしいパンをつくってくれる。特にパナソニックのやつは、その辺のパン屋さんのパンよりも美味しい。そのためかうちの息子も、パンが大好きになって、毎朝パンばかり食べている。だから、嫁さんは遠くに出かける時にも、息子のためにパンを焼いておいたのだろうと思う。

 しかし、せっかく焼いてくれたパンを私は使わなかった。私はどちらかというと、パンよりピザの方が大好きである。なので、ピザを焼いて息子と一緒に食べた。息子もピザは大好きである。ただ、焼きたてのピザはとても熱いので、小さく切り分けて、フーフーと息を吹きかけて、さましながら息子に食べさせた。息子は1歳8ヶ月である。このぐらいになると、何でも親の真似をするようになるので、彼もピザを食べるときはフーフーと息を吹きかけながら食べる。食べ方を真似して食べるのだ。次に、納豆を食べさせたが、食べさせる前に、納豆をよくかき混ぜて食べてみせると、息子も納豆を自分でかき混ぜた。やはり親のやることを真似する。

いちど息子の前で、カップラーメンを食べたこともあったが、それさえも真似されてしまった。紙コップとお箸を取り出して、盛んに紙コップの中にお箸を突いていた。そういえば最近、盛んにお箸を持ちたがる。もちろん使いこなすことなどできないのだが、お箸で空っぽの茶碗の中に盛んに突いて見せた。やはり親の真似をしている。

 見ていて面白いので、今度は食後に、食堂のテーブルの周りをゆっくり歩きはじめてみた。すると息子も私の後をゆっくり歩いてついてきた。やはり親の真似をする。どのぐらい真似をするのか、ちょっと興味が湧いてきたので、数字を数えながら、何度も何度もテーブルの周りを回ってみた。結果は、一緒に21周してしまった。

 こんなことが前にもあった気がした。
 デジャブを見た気がしたのだ。
 はて、それはいつだったのだろうか?
 しばらく考えてみたら、今から50年近く前の事であることに気がついた。

 私には、 3歳年下の弟がいたが、やはり弟も同じようなことをしていたのだ。兄である私の真似をしていたのだ。私が遊びに行くと、こっそりついてきた。怒って怒鳴って帰るように言っても、ずっとついてきて、いらぬことを真似していた。私の父も母も公務員で、昼間は家にいなかったので、真似する対象が、兄である私しかいなかったのだろう。しかし驚くべき事は、 50年前でも、たった今でも、小さな子供たちは、身近な存在を真似するということである。それはもう恐ろしいくらいに真似する。真似するなと言っても、真似をするのが子供というものだ。

 しかし、それは犬でも、野生動物でも似たようなものである。野生動物は親の真似をして性格を形成していく。犬なら飼い主の真似をして成長していく。真似をするというのは自然界の法則そのものであるかもしれない。

 ここでちょっと話を変える。

 息子は、生後10ヶ月頃から、小さなクマのぬいぐるみをやたらと可愛がるようになった。最初は、どうして可愛がるのか、さっぱりわからなかった。しかし愛犬コロと一緒に散歩するようになると、その理由はすぐにわかった。私が愛犬コロをなぜなぜしながら、可愛がっているのをみて、その真似を小さなクマのぬいぐるみで行っているのである。

 つまり親が動物を可愛がるという行為は、子供にそのまま伝わっていくことがわかったのだ。これは重要な発見だった。子供の前で、親が何をなすべきなのかが、よくわかった。犬でも猫でも何でもいい。それを可愛がってみせるということが、重要なのである。私が浅間牧場のヤギを可愛がると息子もヤギを可愛がる。うさぎにしても同じである。逆に虐待すれば、息子も虐待するようになるのだ。子供は親の鏡というが、まさにその通りだと思う。

 ある日。そのことを裏付ける面白い事件があった。いつものように、軽井沢の公園で息子と遊んでいた時に、偶然、猫が芝生に寝転んでいた。私は猫派ではないので、無視していたが、それは息子も同じであった。そこに猫好きの30歳位のお母さんがやってきて、猫をなでなでしていたら、その娘さんも猫に近づいてきて、やはり抱きついていた。うちの息子は無関心である。しかし、偶然そこに、犬が通りかかったら息子はスタスタと近づいていく。明らかに興味があるのである。ドックランの前を通ろうものなら、入ろうとして、駄々をこねる。これはうちの息子に限ったことではなく、犬友達のちびっ子たちにも同じような症状がみられるらしい。親の背中というのは、本当に重要である。ましてや自営業をやっている私の場合は、サラリーマン家庭以上に重要になってくることだろう。

つづく。

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posted by マネージャー at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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