今日は、初めて嬬恋村の村議会を傍聴しました。というのも、浅間高原の運命を握る重要な法案が、決定される議会だったからです。議案第64号、嬬恋村景観条例の制定について。議案第65号、嬬恋村開発事業等の適正化に関する条例の1部改正について。議案66号、嬬恋村における建築物の制限に関する条例の1部改正について。この3つが、なんとか可決されました。この可決によって、桟敷山の村有地70ヘクタールが、太陽光発電にされるという計画に対する歯止めになれば良いなぁと思っています。
なにしろ、桟敷山周辺が丸裸になってしまうわけですから、その自然に対する影響は計り知れません。この地域は、天然記念物のミヤマモンキチョウや、アサギマダラなどの蝶々の宝庫でもあります。また私が確認した限り、複数のクマが生息しています。お客さんをこの地にご案内しているときに、何度もクマの巣に出会っています。カモシカにも何度も出会っています。また、シャクナゲの宝庫でもあります。紅葉の時や新緑の時は、その美しさにお客さんが見とれてため息をつくことも多い、素晴らしい地域です。ただ、残念なことに上信越高原国立公園内でありながら、普通地域であるために、太陽光発電の開発ができてしまうという地域なのです。
今回、その地域に目をつけてしまった企業がありました。それは、ケン・コーポレーショングループという会社です。その会社が、村に対して村有地を賃貸したいと言ってきたわけです。そうすると、 25年分の賃貸料で8億7,500万円が村に支払われることになります。あと固定資産税17年分が、9億2,900万円発生します。もちろん土木工事の費用が、村に落ちるでしょう。メンテナンスの為の従業員の雇用も生まれるかもしれません。だから村にとっては、おいしい話なのですが、あの美しい桟敷山周辺の森が丸裸になってしまっては、取り返しのつかないことになります。少しばかりの金で、素晴らしい自然を破壊する行為は、愚かなことです。それ以上に、浅間高原の景観が醜悪になってしまう事は、絶対に避けなければいけません。自然は破壊されたら二度と戻りません。
また、危惧しなければいけない事は、いったん企業に賃貸してしまったら、地上権が発生するということです。地上権が発生したら、その賃貸の権利を、別の大企業に売却することができるわけです。もっと言うと、ケン・コーポレーショングループという会社が、吸収合併されることによって、他の企業の所有にならないとも限りません。そうなると、太陽光発電だけで済むのかどうかという問題も出てきます。とにかく、このことに関しては非常にデリケートな問題がありますので、嬬恋村役場も慎重に行動起こしていただきたいと思います。
追伸
長年にわたり嬬恋村景観条例を推進してくれた関係者の皆様、村長・議員の皆様、プリンスランドオーナーズ会の皆様、観光に従事しする皆様、本当にありがとうございました。
つづく。
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