2015年03月14日

日本における幼児死亡率の低さ

 日本における幼児死亡率の低さは、とても低い。これが日本人の平均寿命を伸ばしている原因でもある。その理由は、自分に息子が生まれるまでわからなかった。今ならわかる。日本の赤ちゃんは、自治体の見えざる手に守られているのだ。

 2週間ぐらい前に、息子の2歳児健診があった。といってもまだ息子は1歳11カ月なのだが、 2月生まれと3月生まれの赤ちゃんたちが、勢揃いして検診を受けるのである。ちなみに、子供が産まれると3ヶ月検診、 6ヶ月検診、 1歳児検診、 1歳6ヶ月検診、 2歳児健診とめじろ押しである。その他にも予防接種や歯の検診などがある。これらのイベントに何らかの理由で参加しないと、村役場から担当者が訪ねてくる。そして、 2か月後に検診を受けるように注意されるのである。ここまで子供に手厚くなっている。子供が虐待されていないかどうか調べるためだろうと言われている。

 ちなみに、検診の時に、何度か子供と引き離されて、母親だけで離乳食の作り方とか、そういった講義を受けることもある。その時は、他の職員さん達に子供を預けるのだが、おそらくそのときに、赤ちゃんが虐待されているかどうかチェックされていると思われる。そういうのは、ぷんぷんと空気で伝わってくるので、否応でもわかってしまう。

 とにかく日本では、子供たちが自治体から守られているのがよくわかる。これは子供を授かってみると本当によくわかる。母子手帳が発行されると、役場の職員の方が自宅まで訪ねてこられた。そして、夫婦で講習にきませんかと誘いに来られた。わざわざ、妊婦のところまで訪ねてこられるなんて、うちの嫁さんが妊娠するまで考えもしなかった。本当に至れり尽くせりだった。

 出産直後、うちの嫁さんが、ちょっと鬱っぽくなったことがあった。その時も、保健婦さんたちが真剣に悩みを聞いてくれた。そしてお医者さんに掛け合って、睡眠導入剤などの薬をもらってきてくれた。その方は、見るからに癒し系の人で、嫁さんの話を聞いてくれるだけで、嫁さんの体調が良くなっていくではないかと思えることだった。電話でのサポートもあったし、いろいろな団体さんを紹介もしてくれた。

 そういえば、赤ちゃんの検診の時に、看護学校からの実習生の人たちが来ていて、盛んに赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりもしていた。未来の保健婦さんだろうか? それとも以来の助産婦さんだろうか? そーゆー若手に、現場を体験させてあげるシステムも完璧に見えた。

 妊婦さんやお母さんは、いろいろな割引があるのも初めて知った。関東地方限定かもしれないが、赤ちゃんの医療費は一切かからないのも驚いた。病院に行っても、 1円もかからないのだ。だから金がなくて病院に行けないという事は無い。おまけに児童手当ももらえる。これを学資保険に積み立てると300万近くになって大学の学費になるというのも知って驚いたものだ。

 とここまで書いて、思い出すことがある。今から25年位前に世界中を放浪したことがあったのだが、こんなに子供に手厚い国は、世界中どこにもなかったと思う。試しにインターネットで調べてみたら、新生児の死亡率の低さは世界第一位だった。乳幼児の死亡率の低さは世界第3位である。やはり、かなり死亡率は低い。

 ところがである、 1歳から4歳までの幼児死亡率となると、世界で21番目という低さになってしまう。先進国14カ国の中では、アメリカに次いで下から2番目なのだ。これはあまり褒められたことでは無い。幼児虐待が問題となっているからだろうか? それとも小児科の先生が激減しているからだろうか? 死亡原因の統計を見てみると、不慮の事故と先天奇形が多いようだ。そして心疾患や肺炎で死亡するケースも多い。先天奇形や心疾患はともかくとして、不慮の事故と肺炎だけは気をつけたいと思った。

 さて、息子の2歳児健診の結果である。

 一言で言うと、太り気味であった。この頃の男の子の平均体重は、 12キロらしいのだが、うちの息子は14キロもあった(身長は88センチ)。明らかに食べ過ぎなのである。おそらくお客さんと一緒においしいものたべすぎたのだろう。そこで思い切ってミルクを減らし、水を飲ませるようにした。すると、恐ろしいことに、どんどんスリムになっていく。出っ張っていたお腹が、数日で、どんどん凹んでいくのだ。これには呆れかえってしまった。

 あと面白いのは、スリムになると、運動量が増えるのである。ロビーを走り回るようになったり、 NHK教育放送の幼児番組の体操を見せると盛んに飛んだり跳ねたりする。エネルギーを爆発させるようになってしまった。ますます手に負えなくなってきたが、これが本来の子供の姿なんだろうなぁと、半ば諦めている。

しかし、面白いもので、お客さんが入る週末などは非常におとなしい。こっちが忙しいと、かなりおとなしくなるのがありがたい。しかし、お客さんがいなかったりすると、何となくそれが息子にもわかるらしく、やたらと欲求が多くなるのだ。こーゆーところも、知恵がついてきた証拠なのかもしれない。


つづく。

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posted by マネージャー at 16:48| Comment(4) | TrackBack(0) | グンマーで嫁が出産と育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
嬬恋村は子どもやお母さんを本当に大切にするんですね!
最近のさいたま市はどうかわからないけど、私の妊娠から出産の時にはそこまできめ細やかなサポートはありませんでした。
人口密度の違い?担当者ひとりあたりの担当する村民の数が違うからかなあ。素晴らしいです。

日本は、幼児の不慮の事故についての情報共有が不足しているように思います。
事故予防の啓発を、具体的にどこかに盛り込めないかしら。日常的に流れてくるニュースからは、防げたかも知れない事故がたくさん…

スリムで活動的になった健くんとかけっこしてみたいなあ〜
Posted by あんみつ at 2015年03月15日 15:15
そうだったんですか。これは嬬恋の独自の路線なんですかね? そう言えば、幼児の医療費負担ゼロの精度は、嬬恋村から提案されて関東全土に広がっていったと聞いています。もともとこの村は、人口減少がどんどん進んでいっていますから、村の取り組みも真剣なのかもしれません。逆に言うと、埼玉県は、この少子化の時代にあっても、人口が減少するという事は少ないのかもしれませんね。その辺で、子育てに関する温度差が出てくるのかもしれません。

あと、新生児の死亡率が圧倒的に少ないのは、日本が誇れることだとしても、 1歳から4歳までの死亡率が異常に高いのは、ちょっと腑に落ちません。といっても、不慮の事故は全体の4分の1ぐらいで、あとの4分の1は先天奇形なんですよね。ひょっとしたら、出産の高齢化が、この先天奇形を起こしてるのかもしれませんね。
Posted by マネージャー at 2015年03月17日 22:36
乳児医療費無料化は、岩手県沢内村が昭和36年に始めています。高齢者の無料化は昭和35年から。同時に保健婦らの地道な地域保健活動があり、佐久総合病院と並んで地域医療のバイブルですね。
群馬県や富山県もなかなか進んでいるようで、ぜひ各地で見習って欲しいです。
先天性疾患を持つ子どもについては、高齢出産(父母双方の年齢が高い)こともありますが、重度の障碍があっても救命できる技術があることの証明かもしれません。
児童発達支援施設に勤務していますが、厳しい状況を乗り越えてきた子どもたちが通ってきています。
やはりほかのお子さんよりもかなり感染症に弱く、肺炎などで入院もしばしば繰り返します。
それでもその子なりに日々進歩し成長していくのは喜びであり、同時に将来にわたって安心して生きていける社会を作らなくてはと思います。
Posted by あんみつ at 2015年03月19日 09:51
群馬県に住んでみてわかったのですが、この県はいろんな意味で先進的な県ですね。例えば、ヘリコプターの空中散布を何十年も前に廃止しています。全国で最も早く廃止したと聞いています。だから群馬県の水は、非常に安全度が高いと言われています。その他にも色々な取り組みがあるみたいです。

長野県は、日本でいちばん長寿の県になりましたが、あれは佐久病院のおかげかもしれませんね。群馬大学病院と佐久総合病院は、どうやらつながっているらしく、私が佐久総合病院に通ったことがあると群馬大学病院の先生に言うと、群馬大学の先生は、懐かしいなぁ、私も佐久病院で勤めていたんですよと、言われる先生が多いみたいです。もっと色々な大学病院の先生が佐久病院に訪れているようなので、珍しいことでは無いのかもしれませんが。
Posted by マネージャー at 2015年03月20日 17:33
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